令和7年2月26日(水)、米子市文化ホールにおいて約50名のご参加をいただき、「令和6年度林業試験場研究成果報告会」を開催しました。
鳥取大学農学部 山中准教授から特別講演をいただき、その後、林業試験場の研究員2名が日頃の研究成果を発表しました。
また、各研究員が行っている研究課題についてポスター発表を行いました。
ご来場いただいた皆様と活発な意見交換を行い、活気のある有意義な成果報告会になりました。要旨集((pdf:849KB))
【特別講演】
「林地の保全に森林はどこまで貢献できるのか?」
講師:鳥取大学農学部附属フィールドサイエンスセンター 准教授 山中 啓介 氏
同氏は、松くい虫被害地や人工林伐採跡地等の荒廃森林を対象に、森林が本来持っている力を利用した維持管理方法を主な研究テーマとされています。
本講演では、水源かん養や土砂流出防止等の森林の持つ多面的機能については、その限界を認識する必要があり、より適切な森林管理を考察していただきました。
森林は雨水を無限に浸透することはできず、浸透しきれない雨水は地表面を流れ、やがて土砂崩壊を生じさせます。
森林の機能を十分に発揮させるためには、森林整備を行うだけでなく、構造物の設置も含めて総合的に検討する必要があることを説明されました。
【研究成果報告】研究員による最新の研究成果の報告を行いました。
1.「鳥取県におけるナラ枯れ跡地の植生状況」 森林管理研究室 主任研究員 三浦 功次
県内の主要構成樹種の一つであるナラ類は、ナラ枯れ被害により集団枯損を受けてきまし
た。上層木の枯損により生じた空間(ギャップ)が回復しなければ公益的機能を十分に発
揮することができません。県内各地でギャップの回復状況を調査した結果を報告しまし
た。
2.「スギ材の用途を拡げる新技術の開発」 木材利用研究室 上席研究員 桐林 真人
スギ板材を床・壁の住宅内装材に利用するとき、表面が傷つきやすい問題点があります。
スギの木の風合いを残しつつ耐傷性能を付与できる「圧密化木材の製造方法」を開発し、
特許を取得しましたので、その技術の特徴等を分かりやすく報告しました。
>>>研究成果報告会の開催
>>>上月試験場長の挨拶
>>>山中准教授の特別講演
>>>三浦主任研究員の研究成果報告
>>>桐林上席研究員の研究成果報告
>>>ポスター発表