防災・危機管理情報


(2026年8月3日)システム操船装置の陸上完成検査 New!

ジョイスティック1本の操作で、前後左右の船の移動だけでなく、360度の旋回など容易な操船を可能とするシステム操船装置が完成したの報を受け、完成検査に第一鳥取丸の船長と通信士長が立会しました。

場所は岡山県玉野市にある常石ソリューションズ東京ベイ株式会社玉野事務所。

システム操船の操作盤 操作切り替えスイッチ

検査の過程で、製作企業の担当者から操作説明もしっかりして頂き、いざ操船(シミュレーション上)へ!

ジョイスティックを右下に倒すと、つつつと船が右下方向に船が移動と直感的な操船が出来る様を確認できました。

ジョイスティック操作 シミュレーションでの船の移動

新船の目玉の一つである特殊形状の二枚舵を活かした横移動もスムーズ(ゲートラダーのクラビングモード)。

横移動のシミュレーション

立ち会った通信士長からは、誰でも着岸させる事が出来そうで、緊急時等のバックアップ体制としても安心できるとのコメントがありました。確かにハード・ア・スターボード(面舵いっぱい)と指示されても対応できませんが、ジョイスティックを右に倒してならフォローできますね。

 

なお、新船引渡し前に気仙沼沖合海域で最終調整を行い、机上で出来ていた平行移動やその場回頭にズレがある場合の微調整を行う予定となっています。


(2026年6月8日)起工式

 やっとスタートラインの起工式となりました(晴れてよかった)。

 起工式は陸上の建築でいう「地鎮祭」にあたる神事です。造船所で船の建造が本格的に始まる前に、工事の安全と無事な完成を祈願しました。ちなみに、進水式までは船に名前は付かず、我々の漁業調査船は「第1061番船」という形で神事を行いました。

起工式の次第

 

 通常の神事にあるようにお祓いや祝詞の奏上等があった後、地鎮祭での鍬入れの儀に当たる「鎚打ちの儀」を行いました。鎚打ちの儀は、神職がお祓いした鋼材を金鎚でカンカンカンカンと三度打ち鳴らすものでした(造船場によっていろいろなパターンがあるそうです)。

起工式の祭壇 鎚打ちの儀

 その後、玉串奉奠を行い、式終了後には水産試験場長からお礼と無事に工事が進み、素晴らしい船が出来上がることを期待する旨の挨拶を行いました。

玉串奉奠 水産試験場長の挨拶

 また、6月3-4日は、第4回建造会議を行い、各種図面の確認等を行いました。


(2026年6月2日)材料検査

 新鳥取丸の鋼材の材料検査を塩釜市にある東北重機工事株式会社の構内で行いました。

 鋼材は4月21-23日、5月13-19日に納品された計212.2トン。これで概ね9割で、船殻ブロック等を製作する際に、型を抜いた後の鋼材を再利用したりしながら、なるべくフル活用し、足りない分は後ほど追加するとのこと。

 さすがにこの量(下の写真で写っている鋼材)全部をチェックすることは出来ませんので、規格、厚さ等が異なる鋼材を抽出し、検査を行いました。

鳥取丸で使用する鋼材

 まずは抽出された鋼材が、ミルシートと呼ばれる鋼材検査証明書に記載のある製品番号のものであるかどうかを確認します。

鋼材の製品番号 製品番号は側面にもあり

 その後、巻尺で幅、長さ、ノギスで厚さを測定し、既定の数値以上であるかを検査します(ピッタリ数値どおりでなく、少しだけ大きい数値)。ちなみに、鋼材の記載がある「KAM」は、Kが日本海事協会の船級規格に合格した造船用鋼材、Aがグレード(Aが良いではなく用途で異なる)、M(MかSがあり脱酸素の方法らしい)です。

材料検査(幅の確認) 材料検査(長さの確認)

材料検査(厚さの確認)

 すべての鋼材は、防腐処理の塗布がされており、これを磨いたのち曲げ加工等を行うとのこと。

 ちなみに気仙沼のみらい造船から塩釜の東北重機工事に、曲げ加工の職人さん達が派遣されており、みらい造船の手で加工されていました。木型を基準に曲げのアールであったり、均一の高さになっているか等、本当に細かに調整しながら作業をされていました。

曲げ加工

 


(2026年3月31日)バウスラスタ装置検査の立会

 ナカシマプロペラ株式会社から新鳥取丸の目玉の一つのポンプジェットが完成したとのお声がけがあり、陸上検査に立会しました。

 当日は船員3名が、本船に搭載されるSPJ57N型ポンプジェット装置を工場内で実際に動かしてもらい、特徴である「360度全方向の推進補助」の動きや音などを確認しました。

 動きは非常になめらかで音もうるさくないと非常に好印象だったようで、すぐに報告がありました。ナカシマプロペラの皆様、ありがとうございました。

新鳥取に搭載されるポンプジェット ポンプジェットの吐出部

ポンプジェット陸上検査の様子


(2026年3月18日)長崎船舶装備との内装打合せ

 長崎船舶装備株式会社には、コンセプトルームの展示があるとのことで、見に行かねばということで、長崎に行きました。

 船長、船員室等、用途別(内航船、漁船、外航船)に造作されたものが工場内にあり、工場の方に解説していただきました。

 やはり船室はかなり限られたスペースとなります。ここを如何に快適に過ごせるよう、スペースの有効活用や、灯や色でリラックスできるような配慮等、実際に見ながら設計担当と新鳥取丸の内装の詰めが出来たことは非常に有意義でした。間接照明の仕様にしとけば、、、といった後の祭り的なことも間々ありましたが。あと目の毒になりそうなリッチな仕様の部屋もありました(外航船の船長室)

長崎船舶装備のショールーム 研究員室の参考になりそうな船室

ベットへの階段兼収納兼ベンチ 壁収納式のデスク

窓辺の洗濯物干し リッチな仕様な外航船の船員室のモデルルーム

 ショールーム見学後、長崎船舶装備株式会社の本社に移動して、とても景色の良い会議室で、内装の打ち合わせを行いました。

 一番の収穫は、マットレス。実際に船員が寝てみて、厚みや硬さが確認でき、仕様が固まったのが良かったです。

長崎船舶装備株式会社の会議室の窓からの景色



(2026年3月17日)長崎造船での島根丸の見学

 土砂降りの中でしたが、長崎造船株式会社と島根県水産技術センター御担当様の御厚意で、建造中の島根丸を見学させていただきました。

まずは、長崎造船の立地にびっくり!本当に市街地です。さすが水産都市、長崎!

ちなみに長崎造船の近くには大浦天主堂がありました。

 

 建造中の島根県漁業試験船「島根丸」は、船殻ブロックが積みあがっており、工場内で製作中のブルワーク部分が載れば、下部分が出来上がる状況でした。長崎造船の船は曲線がキレイな印象があるので、製造中のブルワークが見えたのは嬉しかったです。

建造中の島根県漁業試験船島根丸(船首側) 

島根県漁業試験船島根丸の船殻ブロック(ブルワーク部分)

 

 その他、大中型まき網の火船等も桟橋にはありました。

「船尾が長いな~」と長崎造船の方に話をしたら、「この搭載船(作業船)が載るんですよ」とのこと。

大中型まき網漁船の火船(船首側) 大中型まき網漁船の火船(船尾)

 搭載船、可愛かったです。

搭載船(作業船)


(2025年11月27日)第3回建造会議

 一般配置図、中央横断面図、機関室配置図、居住区配置図、配管・配線系統図等々の図面と、各種仕様の確認、協議簿等を「確認図書」という形で造船所が作成した資料を船主である我々、監督業務を委託している一般社団法人海洋水産システム協会の担当者で確認作業が随時行われています。

 11月11‐12日には、機装設計関係(機関室配置図、配電盤室配置図、機関室諸管系統図)、艤装設計関係(諸室配置図、カラープラン)、電装設計関係(主に操舵室制御盤)について集中的に協議をするため、みらい造船@気仙沼で建造会議が行われました。

建造中の漁船

 折しも石川県漁業調査指導船「白山丸」がみらい造船にてドックしていましたので、第一鳥取丸クルーと見学させていただきました。居室の一部仕様や床材等、現在検討中の案件の参考になりました。御対応いただいた白山丸船長様はじめ船員の皆様、ありがとうございました。

ドック中の石川県漁業調査指導船白山丸

おまけで、地方卸売市場「気仙沼市魚市場」で延縄漁船のメカジキ等の入札を見てきました。

魚の目利きは、境漁港で水揚げされるクロマグロと類似点があり、興味深かったです。

メカジキ


(2025年8月12日)舶用金属ばね防振システム

 今回、ヤンマーパワーテクノロジー(2025年10月1日からはヤンマーパワーソリューションズ)株式会社製のエンジンを導入しますが、決め手の一つが、舶用金属ばね防振システム(ヤンマー自社開発品)です。
 現船ではエンジンの振動騒音を軽減するため、ゴム製の防振マットをエンジンの下に敷いていますが、これのネックは経年劣化し、10年ごとに交換しないといけないことでした。しかもこの防振マット、エンジンルームの規格に合わせた一点物で、ゴムにかなりの厚みが必要なこともあり、成形・製作に6~8カ月もかかってしまう代物です(もちろんお高い!)。また、エンジンを船から上げるタイミングの定期検査時(5年ごと)でないと交換できないもので、クリープ現象※でゴムが変形してきているなと思ってもすぐには替えられないというものでした。
※一定の荷重で徐々にゴムが変形する現象

 今回の舶用金属ばね防振システムはなんと『メンテナンスフリー』。船の寿命中は交換等のメンテナンスはほぼ要らず※、もちろんその分のコストもかからないという優れもの。更に防振ゴムよりも低周波帯を中心に振動騒音を低減できてしまうのです。つまりは快適な船内環境がコストをかけずに維持できるということで、これは素晴らしい!とトントン拍子で採択に向けて話が進みました。
ヤンマー舶用金属ばね防振システム
※船の寿命中は舶用金属ばね防振システムの交換、芯出し等の大きいところでのメンテナンスは不要。弾性継手や各フレキホースの細々した消耗品は定期交換が必要

(2025年8月4日)模型による水槽試験

 今回設計している調査船の大きさを縮小した模型船を使い、船の性能を推定するための水槽試験を行っています。

 今回の水槽試験は、船型検討を行うもので、船体の表面をどう水が流れるかを確認し、より省エネとなる(水がうまく流れる)船型とするよう微修正などが行われました。現地には行けませんでしたが、リアルタイムで動画配信していただき、「こんなことをするのか」「プロペラ部に向け水が集まっている!」と興味深いものでした。

調査船の縮小模型による水槽試験

船表面の流線観察の結果

 船底設置型のポンプジェットを補助推進器と採用しているため、キール(人間の背骨に当たる船底中央に板状で飛び出ている部分)が船首からありません。特殊形状の2枚舵のゲートラダーと併せると他に類を見ない船底形状となります。


(2025年8月4日)東京での建造会議

 御協力頂く各メーカーの担当者様とみらい造船の皆様、そして我々鳥取県で建造会議を行いました。

 場所はYANMAR TOKYO(ヤンマー東京:https://www.yanmar.com/jp/yanmar_tokyo/about/)。各メーカーが入れ替わりしながら御提案と協議を行う形式で、参加人数も多いことから、ヤンマーパワーテクロノジー株式会社の御協力により、東京駅八重洲口から地下通路で直接繋がるアクセス抜群な場所で会議をさせていただきました。 

ヤンマー東京での建造会議 眼下には東京駅

 これからの詳細設計に向け、仕様の確認やどこまでがどこの所掌かといった役割分担など、多岐にわたった協議が2.5日に渡り行われました。個人的に最も興奮したのが、ゲートラダーが吊り舵で、シューピース(舵下の支え)がないことを活かし、このクラスで最長となるプロペラ径のスクリューが導入される見込みです。


最後に本ページの担当課
   鳥取県農林水産部水産振興局漁業調整課
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