防災・危機管理情報


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 鳥取県水産試験場が所有している第一鳥取丸(199トン)は平成9年2月に竣工した試験船で、今年(令和7年)で船齢29年となりました。
 近年は、老朽化による不具合が発生し、海洋観測及び水産資源調査等の調査航海において、計画的な実施に支障を生じていることから、代船建造に向かうこととしました。

鳥取県試験船の第一鳥取丸

第一鳥取丸(令和7年6月30日撮影):かなり高船齢になりましたが、大切に使っているためキレイです。

 

 まずは、今回の大切なビジネスパートナーとなっていただいた『株式会社みらい造船(https://miraiships.co.jp/factory/)』。国内で3カ所しかないシップリフト等の最新技術と、100年以上培ってきた熟練の技術によりフルオーダーメイドの船づくりを得意とする造船所です。先日、みらい造船(宮城県気仙沼市)を訪れた際には、素晴らしい施設以上に良い船を造ろうという造船所で働く人たちの熱意に触れ、絶対に良い船ができるという確信を得ました。

みらい造船のシップリフト みらい造船の2号船台

みらい造船で造船中の漁船 鋼板の曲げ加工作業

 

 さて、今回建造する船は『精度が高く分かりやすい調査結果がリアルタイムに情報発信でき、長期使用に耐えうる調査船』をコンセプトに、省エネで安全性が高く女性の乗船に配慮した船を計画しています。
 目玉は、試験・調査船では世界初導入であり、300トン未満船でも初導入となるかもめプロペラ株式会社の新世代舵システム「ゲートラダーシステム(GATE RUDDER®SYSTEM https://www.kamome-propeller.co.jp/products/gaterudder/)」(詳しくはPDFファイルを御覧ください)。これと併せて360度移動可能な補助推進器(スラスター)となるナカシマプロペラ株式会社のポンプジェット(SPJ57N)を採用しています。舵システムと補助推進器を別々のプロペラメーカーで装備することはかなりのレアケースとなり、両社の御協力と御理解に感謝しています。

ゲートラダー®の特徴と導入実績(pdf:169KB) ※ファイル中の画像は、かもめプロペラ株式会社からの提供

 

 主機(エンジン)は、ヤンマーパワーソリューションズ株式会社の6EY22AW。現船のエンジンと同出力ながら一回り小さく機関室にゆとりが取れます。付随していただけるモニタリングシステムも素晴らしく、主機の使用状況からメンテナンスに必要な情報まで網羅されており、異常発生時の早期原因究明や保守管理に役立ちそうです。また、メンテナンス要らずの金属ばね防振システムを導入します(詳細はまたの機会に)。
ヤンマーパワーソリューションズ株式会社の主機

 


 安全性の向上の一つとして古野電気株式会社の拡張現実(Augmented Reality)技術を活用した航行・操船支援システムを導入します(https://www.furuno.com/special/jp/envision/)。船に設置するカメラから得られる周囲の360度の映像をディスプレイ上に映し出し、その映像上にAR技術を用いて航行に必要な情報を重畳表示ができ、目視しづらい状況でも航行しやすくなるとともに、各船室でもARナビゲーション映像を共有できるようにします。

 最後に、資源調査の分野でもリアルタイム情報が求められているとともに、今後の船員確保の面でも海上・船室からインターネットでつながることが重要となっていることから、衛星ブロードバンドインターネット「Starlink(スターリンク)」の海上利用向けサービスを導入します。

 設備・機器等についても随時、紹介していきますので乞うご期待ください。


  

最後に本ページの担当課
   鳥取県農林水産部水産振興局漁業調整課
   住所  〒680-8570
             鳥取県鳥取市東町1丁目220
   電話  0857-26-73150857-26-7315    
   ファクシミリ  0857-26-8131
    E-mail  gyogyou-chousei@pref.tottori.lg.jp

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