知事定例記者会見(2007年5月31日)

平成19年5月31日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

1 日程等について 

●知事

 皆さん、おはようございます。私のほうからは、若干コメントさせていただくことは、一つは、来週県議会が開会をいたしますが、先週も話をさせていただきましたように、次世代改革の推進のための準備的な予算を中心といたしまして、産業振興の実額の予算など、このたび補正予算を提案させていただきたいと思います。

 それと併せまして、議会のほうにも組織の改革についてお諮りを申し上げる、ご説明申し上げようと思っております。具体的には、商工労働部の中にチーム制の組織を作りまして産業振興を機動的に行う。特に企業立地を促進をしたり、また県内企業の事業展開を支援をしたり、そうしたところができやすいような、やりやすいような仕組みにしていきたいというように考えております。また、企画部のほうで協働、連携を推進していくというような課を設けるとか、県民あるいはNPO、企業などとの連携を推進する体制も整えていきたいというように考えております。

 それから昨日、地方分権改革推進委員会が国のほうで開かれて、これからの地方分権改革推進のための基本的な考え方というのが提示をされました。私もそれを読まさせていただきまして、これまで地方側が主張していることはある程度盛り込まれているのかなという気持ちは持ちました。

 ですが、若干残念なのは、もう少し具体的な目標数値の問題であるだとか、あるいは私どもが今苦慮しているような地域間の税源配分、税源の偏在の問題だとか、また国と地方で、場合によっては改革の過程の中で税源を交換するだとか、もう少し踏み込んで基本的な考え方を示していただいてもよかったのかなというように思います。ただ、現在はスタート台だと思いますので、3年間の任期の中でこれから委員会がきちんとした議論を展開されていくことを望みたいと思います。

 特に本県の場合、非常に気になっておりますのは、隣の島根県さんなど、そうした財政的に厳しい状況にある県はどこもそうだと思いますが、地方税と地方交付税を合わせた一般財源がきちんと確保されるということをはっきりしていただきたいという気持ちが強いです。そこはこれから一体的に国庫補助金だとか地方税の問題、交付税の問題、それから事務の問題、全部一括して議論していきますというような箇条書きが示されているだけでありまして、私どもとしては、もっと具体的な担保がほしいなという気がいたします。

 これは、これからの議論に期待をしたいと思いますが、ぜひとも現場の切実な声を踏まえての地方分権推進改革であってほしい。住民に本当に還元できるような、成果の上がる[地方]分権改革であってほしいと思います。

 ちょっと心配なのは、一部委員から国の地方機関の整理などの話も出されていたりします。それはそれで必要なことだと思いますし、二重行政はぜひ解消すべきだと思います。地方側が都道府県として、そうした国が従来やってきた支分部局の仕事というものを引き受けていくということは検討に値すると思いますが、ただその際には、当然ながら財源を大幅にこれは移譲しなければならないということになろうかと思います。

 おそらく5対5だとかいうように従来スローガン的に言っているもの以上に、そこは財源の担保は必要ではないかと思います。あまり議論が上滑りして、結局負担だけが、そして人員整理のツケだけが地方側に回されるというような議論にしていただきたくないという気持ちでございます。私のほうからは以上です。


○中国新聞 土井誠一 記者(幹事社)

 はい、ありがとうございました。各社、質問があればどうぞ。



2 厚生労働省の将来推計人口について 

○日本海テレビ 前田俊博 記者

 国の将来推計というのがついこの間出たんですけれども、鳥取県の人口が2035年に50万人を切ると、60万人もほぼ数百人と大台を切りそうなんですけども、今後の地方を考えて行く上で、人口減少をどう食い止めていくかという方策もかなり問われると思うんですけれども、その辺のお考えはいかがですか。


●知事

 まさにあれは一つの推計だと思います。厚生労働省のほうで各県別の人口の、これまでのトレンドから試算してみるとこうなりますという、そうした正直ベースの数字なんだろうと理解いたします。鳥取県は人口減少の率はかなり悪いですけれども、それよりもっと低い県もございます。ただ、それでも50万人を切ってくるというようなことでございまして、個人的には、そういうこともあるかなと思いながらも衝撃を受けるという感想を持ちました。

 大切なのは、こうしたトレンドがある以上、これをこのまま放置していいのかという国策の問題だと思います。ぜひとも政府はこうした傾向が続かないように、今の試算でも現れていますように、東京だけが増加をして、よそは皆減っていくということでございまして、地域間格差が現在以上に開いていくということのデータになっています。

 これを打破するために、本気で産業の再配置、地域、それぞれの地方で、それぞれの地域の住民が生活をでき、また、魅力を持って若い人たちが人口流入が起こる、人口流入が発生するというぐらいの産業再配置だとか、あるいは生活水準の確保、これはインフラストラクチャーの整備も含めて必要だということの証しではないかと思います。国として課題を正面からとらえて、こうした地域間格差という問題に取り組むべきときだよという警鐘ではないかと私は思います。


○日本海テレビ 前田俊博 記者
 
 今後そういう、鳥取県だけではないと思うんですけれども、隣の島根県も、そういう同じ県の長が一緒になって、知事さんが一緒になって、国に対して言っていくようなことっていうのは必要かと思うんですが、そういうお考えっていうのはありますか。


●知事

 この地域間格差の問題というのは、私は隣の島根県さんと山陰両県で、例えば山陰自動車道の問題など、具体的に声を上げていこうと考えております。これについては隣県の知事ともお話をさせていただきました。また、若手の40代の後半の知事で、今5人ぐらいでですね、勉強会を作ろうと言っています。その主要なテーマは、この地域間格差が入っておりまして、それぞれの実情を交換し合いながら国に対して提言していくということを行っていくつもりです。


○日本海テレビ 前田俊博 記者

 あと一つ、すみません。ちょっと話は少し飛躍するかもしれませんけど、国に対しての話じゃないですけれども、県内でも地域間格差、そして地域でかなり崩壊というか、かなり人口が山間部では減ってきていると思うんですけれども、特に農村部、そして空き家がかなり増えてきていると思うんですけれども、そういうことのきめ細かい、そういうような人口を食いとどめるような県内での施策というのは何かお考えですか。


●知事
 
 中山間地域の問題だと思うんです。これは、だんだん深刻化してきていると思います。これは、隣県でありますけれども広島で先般来、連続放火事件が起こっていると。結局、廃村のようなかたちになってきますと限界集落で空き家が増えてくる。それが、そうした現実の危険を起こしているといういい例ではないかと思います。ですから、そうした限界集落などの中山間地域の対策というのは考えなければならないと思います。

 これは今日の市町村との行政懇談会でも話し合いの議題にしようと思っておりますが、いずれにせよ、かなり大きなパートはですね、基礎自治体の市町村のほうが担うべきものが多いと思います。ただ、県がそれにどう連携できるかということですね。話し合いの中でこれから考えていきたいなと思っております。

 それから最近ちょっと気になっておりますのは、例えば、研究課題としてですね、空き家として放置をされている家があると。これは、所有者がその村の中にいなくて管理が行き届かないと。そうした家について、例えばこの間、大雪の被害があった際にですね、家が崩壊しかけたとか、いろいろと限界集落は問題が深まっていると思います。

 だから、いずれちょっとこれは短期的な検討というよりは、少し時間をかけて検討して、中国各県も同じような課題を抱えている部分もありますので、そうした他県とも意見交換をしたりして、どういう対策ができるかということを考える必要があるだろうと思います。いずれは条例での検討だとか、何らかの事業を考えるという必要が出てくるだろうと思います。そういう意味で、県内でもいろんな地域間の格差というものがあるっていうことも、これからだんだん課題としてはクローズアップされてくると認識しています。



3 鳥取大学との連絡協議会について 

○日本海新聞 村上俊夫 記者

 昨日、鳥取大学と協議会といいましょうか、があって、大学のほうから運営費交付金の削減の問題が提起をされたんですけれども、今話に出ているようなこの地域間格差という状況を考えると、これで大学までああいうかたちで交付金が削減されると、大学の存立そのものが脅かされるというようなことになると、いわばこの地方の時代ということで一番大切な人材育成機能というか、知の劣化が始まると。そういう認識がこの問題では必要ではないかと。大学のほうでは知事会で反対してくださいというお願いがあったようですが、県を運営するという立場から見ても、この知的財産である大学の機能が大きく損なわれるというのは、これは地域づくりにも非常に大きな影響を与えると。そういう視点からぜひ因業が必要だろうと思うんですけれども、この辺についてはどうお考えでしょうか。


●知事

 今おっしゃられたように、昨日、鳥取大学の学長さんをはじめ、皆さんから提起がありまして、私もそのデータをその場で見せていただきました。本当に、率直に言って矛盾があるというふうに感じています。先ほどの試算にも現れていますように、今、地域間格差が広がっている。このまま放っておけば、どんどん人口減少に拍車が掛かる一方で、東京だけが人口が伸びていくというようなことになっているわけですね。

 これを打開するためには、それぞれの地方にしっかりとした基盤を作らなければならない。そこで生活をし、産業活動を営み、知的活動、文化的活動を営んでいくと。それができなければ、これはおそらく分散型の社会というのは実現のしようがないんだと思います。そういう意味で、今回の大学の運営[費]交付金の問題も一つの事例になるのではないかと思います。

 これが経済財政諮問会議に議論されているとおりのことでなってしまった場合、もちろん運営[費]交付金ですから再配分の算式などでいろいろと変わってくるかとは思いますけれども、昨日拝見させていただいた文[部]科[学]省が会議のほうに提出した試算の中にはですね、現在の科学研究費のデータに基づいて試算をしてみたらこうなるという表がありました。そのグラフだと非常に分かりやすいんですね。

 要は、これから運営費が一番増えるのは東京大学、京都大学であると。それがごく一部の限られた大学であって、残りの大学は減少する。中には6割、7割に減ってくると。それが我々の鳥取大学もその中に入っているということでございます。これは現状で、東京大学とか京都大学とか、一部の大学に研究費が集中して配分されているということをそのまま拡大するという試算になっているわけです。これはさらに運営費まで切り込んでくるということになりますので、とても矛盾に満ちた内容ではないかというように思います。

 鳥取大学もそうでありますけれども、それぞれの大学でですね、独自の研究をしようと思って、我々とも、鳥取県とも組んで研究をするとか、企業と組んで研究をするというような場合は、国庫をあてにしないでやるわけでありますけれども、そうなると今度は逆に、運営[費]交付金は減ってくるということになったりするわけでありまして、ちょっとあの試算は納得できないと思いました。

 今大学が果たしている機能は、一つには人材育成でありまして、地域の人材を育成をする。これはもちろん県外からも募集があって、そういう人たちが学び舎で学んで、卒業して、子どもも含めて人材育成の大きな機能を担っていると思います。さらに、それが学術研究の場であって、将来の日本の国力を支えるための重要なツールであるという面があります。

 さらに産業振興とかかわっているわけでありまして、企業からすれば何か疑問があったとき、最先端の技術なんかで疑問があったときに相談する相手であるとか、あるいは共同して地元で研究開発を行うパートナーであるとか、そうした意味でも産業との各関連というのがあるわけでございまして、現に成果を上げてきているというのが現在であります。

 こうした、いわば知のとりでが地方から失われてしまうということになるのであれば、それは地方の重要な基盤を揺るがすということになるわけでありまして、私はこれには賛成し難いものがあると考えております。知事会などの場でですね、きちんとこうした主張をしていって、ぜひともこの面でも経済財政諮問会議の議論が、極端に流れないようにお願いをしたいと思っております。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 その関連なんですけれども、昨日ああいうふうにして鳥取大学と県との連絡協議会っていうふうなのは親密に行われているんですけれども、環境大学と県とのああいう連絡会っていうのはどうお考えでしょうか。


●知事

 それは、もちろんあっていいとは思いますけれども、現に、ただ経営者なので、県と鳥取市は。経営者として深くかかわっているという状況ではあると思います。予算的なことも含めて、事業活動を含めて。鳥取環境大学も今、生徒の募集などの非常に深刻な問題を私は抱えていると思いますので、これは先般も学長さんが来られて、問題提起をさせていただきました。理事会のほうでも議論をしているという状況は伝わってきております。これからまた機会をとらえて[鳥取]環境大学ともそうした話し合いの場はあっていいと思います。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 ああいうふうにして鳥大と県との関係というのはオープンで議論されて、鳥取大学が抱えている問題とか協力関係なんかがオープンで話し合われて、我々としても、どういう、鳥取大学が問題を抱えているとか、よく分かるんですけれども、環境大学はどういう状況に今あるのかっていう、そこの辺なんかももっとオープンの場で話し合われる場を持たれたら、もっと理解が深まるんじゃないかと思うんですけど。


●知事

 まあ、それはあちらの学長と相談してみてもいいと思います。鳥取大学の場合は、そこは実は、こうした話が始まりましたのは、産官学連携推進機構ができたり、また、あちらのほうで法人化に際してですね、地域との連接を担当する、そうした理事さんができたり、いろんな関係がありまして、鳥[取]大[学]のほうから提案があったわけであります。そういう場を、別に私ども、拒むつもりもありませんので、必要ならやっていきたいと思います。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 環境大学も産官連携っていうことも考えられると思うんですけれども、あまりそういう場面というのは我々は耳にしたり目にしたりすることが少ないんですけれども、環境大学との連携というのは、官学の連携というのをどういうふうにお考えですか。


●知事

 それは全く同じ平面で考えるべきだと思います。鳥取大学でも、あるいは鳥[取]短[期大学]でも、それから[米子工業]高[等]専[門学校]でも、鳥取大学でも産官学金の連携推進ということは、それは同じ平面でやるべきだと思います。今、県としても、その産官学金の連携話では、鳥取環境大学も当然参加していただいて進めています。



4 厚生労働省の将来推計人口について(再質問) 

○日本海新聞 荒木隆宏 記者

 先ほどのことで人口減少の話に戻るんですけども、産業の再配置とかっていう、中央にこういうことを言っていかないといけないということはおっしゃっておられたんですけれども、県として人口減少社会がどんどん進んでいく中で、県としての方向性といいますか、どういうような施策を展開していかないといけないと思っておられますでしょうか。


●知事

 私はいくつかキーポイントはあると思っています。1つは、これは生活の場ということだと思うんですね。生活の場として鳥取県よりも東京都を選んでいると、それが試算で東京都はいずれ人口は増えますが鳥取県は減りますと、こういうことなんだと思います。そうすると、鳥取[県]に必要なものというのは割と見えてくると思うんです。

 1つは、やはり雇用の場といいますか、産業の問題が必要だと思います。それから、一定の生活利便性っていうのが確保されたほうが、それは生活快適さにもつながるわけでございます。また、教育の問題も本当はあるんだと思うんです。よくいろんな話を聞きますけれども、それぞれ引っ越した先でどういう教育があるかっていうのは、関心を呼ぶところでありまして。

 今、全国的に見れば、これ東京都の中の問題かもしれませんが、東京都の中の話で言えばですね、教育施設が優れているとかいうところに転入をするという現象が始まっています。だからこれは子どもを持つ親の世帯では、かなり関心もあることでありますから、鳥取県の教育の問題というのも考える必要はあるだろうと思います。

 あと、一定の、まちとして、県としての魅力ということも必要なんだと思います。鳥取[県]の場合は、1つはこの良好な自然環境とかですね、これまで育んできた歴史とか伝統というものは、大切にすればこれ自体が武器の1つに私はなると思っています。あとそれに加うるに、例えば文化芸術活動だとか、一定のゆとり、潤いの要素というものも大切なんではないかと思います。

 一番大きなことは、さきほど申し上げた2つであって、産業とか雇用の振興ということと、あと生活をしていく上での利便性の向上ですね、交通基盤も含めて。そういうことはよく鳥取県について指摘される、特に都会地の人から指摘されることではないかと思います。こうしたことは一番大きな課題なのかなと思います。


○中国新聞 土井誠一 記者(幹事社)

 あと、ございませんか。



5 ハンセン病の記念碑について 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 1つ教えてください。ハンセン病の記念碑というのが、県が作ろうとしているのですけれども。「記念碑という名称に対してこだわりがある」という元患者らの話があるんですが。片山知事が、確か長島愛生園に行かれて謝罪というかたちをとられたのかなと思っているんですけれども、だとするとやはり謝罪というのは、県が加害者、無ライ運動に対する加害者というふうな認識で謝罪ということをされたと思んです。そうすると、記念碑という名称がどうなのかということに対するこだわりだと思っているんですけれども。知事はその辺のことをどういうふうに考えられるか。


●知事

 詳細な計画とか経緯を私は、今掌握していませんで、もし必要だったらあとで担当部局から説明をさせようと思いますが。率直に申し上げて、記念碑という言葉が適切かどうかは、再検討に値すると思います。これは歴史のある話であります。ハンセン病患者の方々に対してですね、これは国策であったとはいえ、その国策に基づいて都道府県もその執行の一翼を担った、そうした歴史は消し去ることはできないと思いますんで、そういうことに私たちは想いを致すべきだと思います。その文面の問題であれば、それはよく検討をしてみる課題かなと思います。もう建てちゃったんですか、それは。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 文面というよりも、まだ、文面にするのか何にするのか決まってないらしいですけども。ただ、名称が、記念碑という名称にするということなんで。


●知事

 それは県が建てるという。予算があるんですかね、じゃあ。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 一般予算の中に、当初予算に入っているんです。


●知事

 当初予算で入っているんですか。それはよく話してみたいと思います。まだ執行してないんじゃないかと思いますので。

 大切なことは、何のためにそれをやるかということであろうかと思うんです。それは、ひとつの歴史的な事実として、国策の執行の一翼を県が担ったし、また、社会的な、患者の皆さんに対する扱い方ということについての反省もあると思うんです。

 そうした大きな出来事ですね、これは人間が人間として大切にされなければならないというごく当たり前のことにかかわる人権問題の究極だと思います。そこを私たちが再確認し後世に対してメッセージを残そうというためにする事業ではないかと思います。詳細をちょっと私も把握しておりませんが、その本質を見失ってはならないと思います。

 単にそれは記念というかメモリーだけの問題なのか、あるいはそれに対するリグレットといいますか、要はひとつ遺憾といいますか、遺憾なことだという気持ちを込めたものなのか、また亡くなられた患者さんに対する追悼というそうしたことも込めるのか、その辺だろうと思います。それは事の本質に立ち戻って、執行段階でよく検討すべきではないかと思います。これは、私のちょっと当面の感想ですけれども。


○山陰中央新報 太田満明 記者

 きっとそうだろうと思うんで。ただ、まあいい。分かりました。



6 ガイナーレ鳥取の支援について 

○山陰放送 入江直樹 記者

 県はガイナーレに1千万円の出資を決められた。ちょっと古い話ですけれども、あまり勝ち星が思わしくないんですけれども。今後の出資の見込みについてどうなのかということと。知事自身も米子にも足を運ばれて応援をされていますけれども、その辺今後も続けられるのかどうかというような、そのガイナーレについてはどうでしょうか。


●知事

 ガイナーレは、プロ集団として今全国にその実力を試しに行こうと、チャレンジして行こうということで、県民も、そして山陰地域の皆さんがこぞって応援をしようという大切なチームだと思います。そういう意味で、その運営の支援になればということで、1千万円の、このたび出資を決めようということで、今議会にお願いをしようとしております。

 これは、その気持ちとしては、そうした応援の気持ちということもありますし、また、出資をとおしてチームの今後の運営に資すればということはもちろんありますし、ただ、片方で県民の盛り上がりだとか、あるいは実際に上に上がっていくという、そういう道のりの問題もありますので、いろいろ含めて、取りあえず要望額には満たないんですが、県としても出資をするということをきちんとしておこうということで、1千万円出させていただきました。

 これからのことは、今後の推移を見て考えるということ、一言に尽きると思います。チームがこれからどういう戦いぶりをされるか、それはすなわちJ2へ上がっていくという資格にかかるところがありますので、そういう意味で戦いぶりということあると思いますし、また、県民全体でですね、このチームを支えていこうという気運が盛り上がって、スタンドに実際サポーターが押しかけるという状況が生まれて来ることを期待しておりますが、そうした状況が実現してくるかどうか、そうしたことを見ながら冷静に検討させていただきたいと思います。


○山陰放送 入江直樹 記者

 知事自身が足を運ばれているということでの、県民の盛り上がりみたいなとこもあると思うんですけれども、知事は今後も足を運ばれますか。


●知事

 それは、折に触れて。ただ時間の関係もありますので、行けるときは顔を出したいです。



7 クールビズについて 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 今日で5月が終わってですね、明日から6月なんですけれども、クールビズということで、知事ご自身は明日からどういう格好で県に来られるかということなんですが。


●知事

 ネクタイを外して、できるだけさわやかな装いでいきたいと思います。やはりエネルギーを節約をして、環境に優しい鳥取県ということを作っていかなければならないと思います。クールビズを通して自分自身の環境に対する取組を確認していくってことになるかと思いますんで、ぜひ多くの人々に、そして軽装っていうことをご理解いただき、そして、できれば実践していただきまして、この鳥取県らしい環境推進活動が展開できればなと思います。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
 
 一応背広も着ず、ネクタイもせずというかたちでずっと通されるということですか。


●知事

 そうですね。そこは今、家内といろいろ意見が分かれてまして。お父さんはすぐネクタイ外すって言うけれども。ネクタイするのが今年のクールビズの流行なんですか。やっぱりそうなんですか。


○山陰中央新報 弥重節子 記者
 
 そんな意見もありますね。


●知事

 やっぱりそういう意見ある、そうですね。そこで今ちょっと、夫婦間で今対立がありまして。今晩よく話し合ってみたいと思います。



8 今週の国要望の成果について 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 今週の初めにですね、上京されて相当精力的に回っておられますけども、何か成果のようなものございましたか。


●知事

 そうですね、1つは経済産業省で甘利大臣にお会いをしたり、あと経[済]産[業]省の幹部の方々にお会いしました。確約というわけではないですけど、私どもが今、企業立地促進法に基づいた支援を企業が得られるようにするための協議会を全県的にこしらえようという話を申し上げましたが、大変広域的で国としても柔軟に、鳥取県から手が挙がれば対応していきたいということを言っていました。それは非常に自分としては心強く思ったところであります。

 それから、地方財政関係ではですね、鳥取県の一番の主眼は一般財源を確保してくださいということですと。税源移譲も結構だし、それについてはぜひやっていただきたいという気持ちはありますけども。それで今度は一般財源が減ってしまうと、交付税も含めてですね、そういうことにならないように、そこはきっちりやってもらいたいということを訴えさせていただきまして、あんまり違和感はないような反応だったと思います。

 それからシジミの問題でありますけども。シジミのですね、今、自主規制を行わざるを得ないポジティブリストの課題があります。これは、本当松岡[前農林水産]大臣にもお願いをするっていう予定を組んでおったんですが、本当にこういう場でちょっとあれですけれども、鳥取県に関連するですね、鳥取県を大事に思ってくれた、鳥取大学出身の政治家であったわけでありまして、心から哀悼の意を申し上げたいと思いますが。その松岡大臣にはちょっと急きょ会えなくなりました。

 ただ、厚生労働省と農林水産省の幹部には順次お会いをいたしました。それから県選出の国会議員にもこの窮状を訴えました。湯梨浜町の宮脇町長も一緒に行きまして、国会議員にもそれから関係省庁にも訴えて歩いたわけです。

 今、国会議員との間で急きょ話がクローズアップされてきましたのは、どうしても縦割りなんですね、今、国の役所のほうが。結局、厚生労働省と農林[水産]省とそれぞれに縦割りになっていることがあります。また、厚生労働省とかで基準を設定するについてもですね、もともとシジミだとか魚介類じゃなくて、農薬を吹きかける生産物、農産物に対することのために、今回こうした動きになったわけでありますが。

 だから発展することは予想もしていなかったもんですから、基準づくりっていう頭がなくて、なかなか進まなかったというような実情があります。ですから、これは社会問題として、政治としてもしっかり取り組んでもらいたいというように思っております。

 これはどうしても縦割りの弊害とか、官僚主義の弊害があろうかと思いますので、そういう意味で、今ひとつのアイデアとして、関係の県に呼びかけをし始めました。それで事務的にではありますけれども、複数の県から一緒にやりましょうというお言葉も出てきております。それであと、国会議員の皆さんもですね、そうした県でスクラムを組んでいただければ、かなり大きなプレッシャーとして政府に当たっていけるのではないかと思っております。それをひとつ今考えてます。



9 シジミの残留農薬問題について 

○山陰中央新報 太田満明 記者

 シジミの問題っていうのは、その他の項目にシジミが入っちゃったから、それでその一般レベルに規制がきてしまったってことでしょう。


●知事

 要は安全弁がかかったような制度になってまして、これは国際的な取り決めの話がありまして。例えば米だったら0.1ppmでいいものがあるとします。そうした農薬、現にありますけども。それは米だったらその程度検出されてもですね、これは出荷ができるということであります。

 ただ、シジミとかそうした魚介類はそもそも想定されてないもんですから、そうした検出基準というものが設定されてない。設定されてなければ、すべて0.01という、絶対もう逆立ちしたって地球が爆発したって大丈夫だという、そういうレベルの数字になっているわけですね。ですから、これはどうしても超えてしまうんですよ、普通のものであれば。

 例えば今の0.1の農薬でいえば、0.01のところ今0.05とか0.06ぐらい、つい直近でも東郷湖では検出をされていますので、いまだ出荷には自主規制がかかってしまうということになっています。ですから、これは制度的な矛盾があるんですよね。そもそもこっちに波及するとは思ってなかったと厚[生]労[働]省は言っていました。農[林]水[産]省も非常に困った事態だというふうに、頭を抱えていたという感じだったですね。

 ですから、できるだけ早くそうした基準を設定していただくだとか、また、セーフティーネットが必要になると思います。どうしても農薬とかの検出がどっかで発生する危険というのは常に付きまとうわけでありまして、それはいわば一定の安心感が得られるような仕組みが必要ではないかと。これも私どもとしては今訴えております。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者

 そのことに関連してなんですけれども。去年の年末からですね、出荷自主規制してまして、東郷湖漁協もかなり苦しんでらっしゃると思うんですけれども、県として何か今後支援を考えていかれるってことはあるんでしょうか。


●知事

 今はですね、実は国に今そうした要望をさせていただいて、いずれそのセーフティーネットのような仕組みは作れないのかということを今働きかけているところですね。まだ県としてやっているのは、どちらかといえば、基準づくりの下資料づくりというか。とにかく早く正常に復さなければならないと。そこにエネルギーを傾けてやっております。



10 特別医療費の助成について 

○山陰中央新報 弥重節子 記者

 国要望の中でですね、特別医療費の助成に対してペナルティが課されている部分がありますよね。それに対してペナルティなくすようにっていうふうに要望してらっしゃいますけども、それに対する反応はどうだったんでしょうか。


●知事

 冷淡でした。そこは冷淡でしたね。これは厚生労働省の、これはもう一貫した姿勢だと思いますね。多分なかなか変えがたいものがあると思います。国民感情と合うかどうかは別だと思います。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 それにしてもですね、特別医療費の助成が問題になってますけども。小児医療費ですとかね、それからああいう腎透析のかたたちとか、そういうのは自治体が独自に上乗せをしなきゃいけない。皆さん命綱までと言われてるぐらいのものをなぜ自治体が上乗せをしなきゃいけない。そもそも国がそれはきちんとやるべき。特別医療費を自治体が考えられなくてもすむような方法にすべきじゃないかっていうふうに思うんですけど、どうお考えでしょうか。


●知事

 それは同意見です。これは医療費施策の中で、医療費負担をどういうふうに求めていくかという中で、本当は解決できる問題だと思います。それを全体として、例えば医療保険ですから、保険に加入している人みんなで応分に負担し合い、それに対して国も負担金を払ったりという制度がありますよね。その中で処理していくというのもひとつの考え方かもしれませんし。

 ただ、今は一方的にやっぱり福祉政策として自治体が全部キャッシュとして担ってしまっている。さらにキャッシュを担っているということに対して制裁を国が加えてくるという、非常に矛盾した状況だと思います。これは私どもとしては粘り強く国に訴えていきたいと思います。今回もやらざるを得ないという話をですね、随分強調して申し上げたんですけれども、非常に冷淡でした、そこは。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 財政格差がますます今度は福祉に回って、本当に実態としてもうみんな痛感してくるようになってくると思うんですよね。


●知事

 そうですね。東京都であればですね、減税までしようなんていう知事さんもおられるわけですが、こっちはなかなかそこまでですね、手が回るどころか、そうした身の回りの暮らしを整えるところでまあ精いっぱい。ややその地域間格差の悲哀を感じますね。


○山陰中央新報 弥重節子 記者

 中学生まで医療費無料ですからね、東京都は。


●知事

 はい。


○中国新聞 土井誠一 記者(幹事社)

 ほかに質問ありませんか。ないようですので終わりたいと思います。


●知事

 どうもありがとうございました。


  

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