防災・危機管理情報


浮魚資源室

 浮魚(アジ、サバ、イワシ類、マグロ、イカ類)を無駄なく末永く漁獲する方法を提案するために試験船第一鳥取丸を用いた調査や市場調査により資源量を調べています。その他、中海調査や赤潮調査を行っています。


底魚資源室

 鳥取県沖の沖合・沿岸の海の水温・塩分や潮流を調べ、海洋環境の状況を漁業関係者などの方々にお知らせしています。また、底魚(ハタハタ、アカガレイ、ソウハチ、スワイガニ、ベニズワイガニ)を無駄なく末永く漁獲する方法を提案するために試験船第一鳥取丸を用いたトロール・かにかご調査や市場調査により資源量を調べています。その他、大型クラゲの来遊調査やスマート漁業の推進、鳥取県産魚のブランド化を推進するための研究を行っています。

試験船 第一鳥取丸

試験船第一鳥取丸では、鳥取県沖合海域の海と魚の状況を常に把握するために、船員11名と浮魚資源室又は底魚資源室の研究員が乗船して様々な調査を行っています。

第一鳥取丸
第一鳥取丸(199トン)の主要目主要設備

海洋観測

・あらかじめ定められた海洋観測定線においてCTD(電子水温・塩分計)で水深別の水温や塩分を調べたり、潮流やプランクトンの分布などを毎月20~40の定点において調べています。

浮魚資源調査

表・中層トロール網でマアジの稚魚がどれぐらいいるのか調べています。

自動イカ釣り機で日本海側の各県の水産研究機関と共同でスルメイカが日本海にどれぐらいいるのかをを使って調べています。

底魚資源調査

着底トロール網でズワイガニ(松葉がに)やハタハタなど鳥取特産の水産物がどれぐらいいるのか調べています。

試験船「第一鳥取丸」の乗組員(航海士)の主な業務等

1 主な業務

(1)安全に運航や調査ができるように船体等の点検整備、操船などを行う

・出入港時の係船ロープの取外・取付作業、港内航行時の目視安全確認、操舵を行います。

・航海中の夜間は乗組員交代で当直(みはり、操舵、無線操作等)も行います。

・年1回ドック(造船所)で船の本格的な点検整備工事を行っていますが、日常的に船体や航海機器、調査・漁労機器の点検を行い、メンテナンス(錆打ち塗装、グリスアップ等)や簡易な修繕を行います。

・船内生活に係わる清掃や食事の準備なども行います。

(2)鳥取県沖の海洋観測や重要な水産資源の調査を行う

・海洋観測では、主に船のウインチを操作し観測機器を海底近くまで昇降させ水温・塩分を測定(最大水深50m)します。また、別のウインチを操作して小型ネットを鉛直曳き(最大水深150m)し、プランクトンや魚卵などを採集する場合もあります。

・水産資源調査の例として、ズワイガニ等を対象とした着底トロール網の調査では、投網・揚網作業、入網したカニや魚の選別、測定(甲幅・体長、総重量等)を行い、これを1日に5回程度行う場合があります。また、夜間にスルメイカ等を対象としたイカ釣りの漁場探査調査も行っています。自動いか釣り機の事前設置や調査時に船を安定させるためのパラシュートアンカーの投錨・回収作業も行います。

・調査する漁具(漁法)を変更する必要がある場合は、漁具の交換(例:着底トロール網から表中層トロール網)を行うとともに、着底トロール網は網破れするため陸上で入念な網修繕も行います。

 

2 1航海(2泊3日)のスケジュール(例:ズワイガニの着底トロール網調査)

1日目

  8時30分

乗船する研究員も含めた船内ミーティング(朝礼)、出港準備

  9時30分

出港、隠岐周辺の調査地点まで航行移動(24時間)

  11時30分

調査地点到着、海洋観測の実施及び着底トロール網調査準備、投網・揚網の後、カニ・魚の選別と測定。日没まで数回調査

  18時

 

翌日の調査点や海況を考慮し、沖合で漂泊又はパラシュートアンカー錨泊か沿岸に移動して錨泊 ※当直業務(1又は2時間)あり

2日目

   7時

準備し着底トロール網調査を5回程度実施

 18時

沖合で漂泊又はパラシュートアンカー錨泊か沿岸に移動して錨泊

当直業務(1又は2時間)あり

3日目

    7時

準備し着底トロール網調査を1~2回実施し帰港のため境港向け航行

  15時

  17時15分

入港準備、入港係船、調査サンプルの陸揚げ、船体清水洗浄作業、水産試験場で事務処理等

 

3 仕事のやりがい(乗組員の声)

・自分たちが頑張って調査した各種データを水産試験場研究員が分析し、資源状況や今後の漁獲見込み等について漁業関係者に説明し、資源管理が推進され、持続的に鳥取県産魚が水揚げされるためのベースの重要な部分を担っている。

・調査中に悪天候になる場合や調査時の着底トロール網に大きな木や石が入網など乗組員としての技量等が試される機会もあり、チームワークをもって無事に調査を終えた時に達成感がある。

休日(土日・祝日、夏季休暇、介護休暇、有給休暇等)がしっかり取れ、ワークライフバランスがとりやすい。

 

4 その他

 ・海洋観測や水産資源調査は、1泊2日から3泊4日の航海で行います。

・乗組員の船室は一人用個室になっており、ベッド、机、椅子、小型冷蔵庫、テレビ(衛星放送有り)とレコーダーが備え付けてあります。また、船内には浴室や洗濯機もあります。

・令和7年度から数年かけて代船(新造船)建造を予定しています。

 

出港時のブリッジの様子

出港時のブリッジの様子

 

マアジ稚魚を調査するための表・中層トロール網の投網

マアジ稚魚を調査するための表・中層トロール網の投網

 

着底トロール網に入網したカレイ(ヒレグロ)のパンチング測定

着底トロール網に入網したカレイ(ヒレグロ)のパンチング測定

(測定用紙上にカレイを置き体長位置を目打ちで刺し用紙に記録)


  

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