干上がって消滅したオアシスでしたが、連日の雨でオアシスができました。
2009年6月30日撮影
またカエルが出現するかもと足早にオアシスへ向かいました。
隅々を観察したものの姿は確認できず、鳴き声さえも聞こえてきませんでした。(ちなみに鳴くのは雄です)
また、新たにオタマジャクシがいるかもと探してみるものの見当たりません。調べたところトノサマガエルは繁殖期に1回だけしか産卵できないことが分かりました。
この前見つけたカエル達は既に産卵を済ませています。(雌の数と卵の数がほぼ同じでした)つまり今後産卵する可能性は低いと思われます。
それからトノサマガエルの寿命は3~4年であり、3年目の繁殖期から繁殖に参加するそうです。
つまり3年以上も生きていたカエルだったわけです。
あくまでもトノサマガエルの卵だとしたらという前提ですが。謎が更に深まりました。
復活したオアシスに、ゲンゴロウとトンボがいました。トンボも産卵をしているようでした。
羽がある昆虫は広範囲に移動できるでしょうが、カエルはどこに帰ったのでしょうか・・・?(松尾レンジャー)
ハイイロゲンゴロウ(オアシスにて)
ウスバキトンボ(オアシスにて)
ウスバキトンボの産卵(オアシスにて)
イトトンボの産卵(オアシスにて)
オアシスに産卵してもヤゴになる可能性は低いです。昆虫の名前を自然公園財団鳥取支部の音田さんに教えて頂きました。
砂丘事務所 2009/06/30
23日(火)にオアシスにてトノサマガエル、そしてトノサマガエルの卵までもを発見したという報告をしたところなのですが、今日はその後の様子をお伝えしようと思います。
通常トノサマガエルの卵は約1週間で孵化するということなのですが、オアシスにて発見したトノサマガエルの卵はなんと3日で孵化、昨日25日(木)にはすでにオタマジャクシの姿を確認することができました。
オタマジャクシの様子
ここ数日間、毎日オアシスの様子を暖かく見守ってきました。
ところが、連日気温30度を超える真夏日が続き、一夜の大雨にしてできたオアシスの水量は日に日に少なくなり…
そして今朝にはほぼ干上がった状態となりました。
今朝のオアシスの様子
今朝のオタマジャクシの様子 干からびた卵
元気に泳いでいたオタマジャクシでしたが、見る影もありません。
果たしてトノサマガエルから生まれたものだったのでしょうか。確認する術がなくなりました。
またトノサマガエルも姿を消しました。どこに行ってしまったのでしょうか・・・。
自然の摂理とはいえ、成長を楽しみにしていただけに悲しい気持ちになりました。
そして謎は謎のままです。(松尾レンジャー)
砂丘事務所 2009/06/26
鳥取砂丘のオアシスでカエル又はオタマジャクシが発見されたという情報は数年前からあります。
通年6月頃に見つかるようです。
私も毎日のようにそこへ足を運んできましたが、姿・鳴き声さえきいたことがありませんでした。
今年は空梅雨でオアシスの水が枯れてしまい、とても生物が住めるような環境ではないと思っていました。
ところが昨日の大雨で一夜にしてオアシスが出現するとともに、なんとカエルも出現したのです!
それも一匹だけではありません。なんと6匹もです。ゲロゲロと大合唱までしていました。
カエルはどこにでもいて決して珍しい生き物ではありません。しかしながら砂丘のオアシスにいるということが非常に不思議なことのように思えます。
まずどこで生まれ育ったのか謎です。これまでオアシスでオタマジャクシを見たことがありませんし、水温が30度に達する日があったのでとても生育環境として適していないように思えます。別の場所で育ったカエルがはるばる飛跳ねてやってきたのでしょうか?それとも昨今話題の空からカエルが降ってきた説??実に謎めいています。
しばらく観察していると交尾をしているカエルがいました。そして卵まで発見しました。一夜にして産卵したのでしょうか?これまた謎です。
カエルの種類を鳥取県立博物館の学芸員さんに聞いたところトノサマガエルということでした。
今日ほどカエルに熱中したのは初めてです。今後は卵が孵化するか注目していきます。(松尾レンジャー)
トノサマガエルを発見したオアシス
オアシスでトノサマガエルを発見
観光客の方もカエル出現にビックリ!
トノサマガエル
トノサマガエル
トノサマガエルの交尾
卵を発見!いつオタマジャクシになるのでしょうか?
砂丘事務所 2009/06/23
鳥取県の年間降水量は2000ミリを越しますが、鳥取砂丘内が水溜りになることはありません。
なぜなら砂は透水性がよく、降った雨はすぐに地下に浸透してしまうからです。
しかし透水性の悪い火山灰層や(写真1)、水を通さない基盤の岩石の不透水層には地下水として貯蓄されます。
唯一大きな水溜りが出来るところがあります。馬の背南側斜面下にあるオアシスと呼ばれるものです。
それは地下水が湧出してできるといわれています。
降水量が多いときは水深が1mを超えることがありプールのようになりますし、降水量が少ないときは枯れてしまい消滅してしまいます。
海、他の川につながっているわけではなく自然に消えていくものです。尻無川とも呼ばれます。
今年の4月には大きなオアシス(写真2)ができていましたが、5月中旬(写真3)から6月下旬(写真4)は降水量が少なかったためオアシスは縮小しついにオアシスは無くなってしまいました。
ところが昨日の大雨で一夜にして大きなオアシスが出現しました。(写真5)そしてそこに蛙が出現しました。詳細は次号です。(松尾レンジャー)
写真1 火山灰露出地 雨水が浸透しにくい
写真2 オアシス(2009年4月15日撮影)
写真3 オアシス(2009年5月7日撮影)
オアシス(2009年6月12日撮影)不透水層があるように見えます。
写真4 オアシス(2009年6月20日撮影)
写真5 オアシス(2009年6月22日撮影)
オアシス(2009年6月22日撮影)水深10センチ程度
オアシス(2009年6月23日撮影)長靴が浸かってしまうくらいの水深になりました。
砂丘事務所 2009/06/23
先日、ハマナスの群落を見てきました。鮮やかな花が散り親指ほどの実を付けていました。
(松尾レンジャー)
鮮やかな花をつけるハマナス バラ科バラ属
花が散ったハマナス
ハマナスの実
砂丘事務所 2009/06/22