令和7年11月10日(月)、市町村立・学校などの図書館司書を中心に組織されている鳥取県図書館協会の総勢24名の皆さまが公文書館を視察されました。
この視察は、図書館司書の役割のひとつである利用者と必要な資料・情報を繋ぐレファレンスなどの参考にするため、公文書館に保存されている歴史公文書等の情報を知り、利用者の皆さまへのより良い情報提供に活かすことを目的に開催されたものです。
公文書がどのように収集・整理・保存されているのか、資料の修復や電子化の取組み、展示などの利用の取組みなどをご覧になり、当館を後にされました。
特に、IPM(総合的有害生物管理)の取組や中性紙保存箱による歴史公文書の保管などに興味を持っておられました。

(写真1)図書館協会 齋藤会長のご挨拶

(写真2)公文書館長より公文書館業務の説明

(写真3)展示物の説明の様子

(写真4)書庫内の説明の様子
令和7年11月14日(金)、戦後80年特別企画展として「兵士と家族―戦争に翻弄された人々の記録―」(前期)が開幕しました。

(写真1)入り口付近には、館長挨拶と戦争関係地図を設置

(写真2)日章旗の寄せ書きなどを展示

(写真3)生田治亨さんに関する展示

(写真4)松井元之助さんに関する展示

(写真5)下田一清さんに関する展示

(写真7)山本晴昌さんに関する展示

(写真6)共通通路には、国策紙芝居を展示(会期中展示)
令和7年10月28日(火)に、県史編さんに関する調査及び文書管理状況の調査のため、琴浦町を訪問しました。南部町に続き2回目の市町村調査です。
庁舎内の書庫だけでなく、公文書の保管場所である旧保育園などにもお伺いして多数の文書の保存状況を確認しました(担当者はこちらの保育園に通っていたのでなんだか懐かしい気分でした)。
琴浦町では、農業や畜産に関する文書が多数保存されており、農業や酪農が盛んなこの町の特色が表れていると感じました。

(写真1)琴浦町役場

(写真2)資料調査の様子
10月18日(土)午後1時30分から4時過ぎまで、やまびこ館で、令和7年度6回目の10月例会を開催しました。
今回は、特別なゲストがお見えになりました。国際日本文化研究センター教授のタイモン・スクリーチ先生です。
翌日に県立美術館での日本画に関する講演会を控える中、参加してくださいました。
先生のお父様、マイケル・スクリーチ氏(故人)は、英連邦軍情報部員として、1947年頃鳥取市に駐留しました。先生も、幼いころから鳥取の話を聞かれていたそうで、その話を披露してくださいました。「鳥取ではお城の中に住んでいた(情報部の事務所は鳥取城二の丸跡にあったと推定:事務局注)」「たくさんいた日本人のスタッフに食料やタバコをあげていた」など、貴重なお話を聞かせていただきました。

(写真1)鳥取城跡の英連邦軍事務所の考察
スクリーチ先生は、お父様が遺した2冊のアルバムも持参されました。多くは鳥取に来る前に広島県各地で米兵に撮影してもらったものということで、残念ながら、鳥取で撮影された写真は無いようでした。それでも、マイケル氏と、同じく情報部員として鳥取に来た部下のフランク・ウィルソン氏の写真は初めて見るもので、鳥取県の現代史にとって貴重な資料です。

(写真2)お父様の話をするスクリーチ先生(右から2番目)

(写真3)スクリーチ先生によるお父様の遺品の説明

(写真4)アルバムの写真を考察する参加者
例会では、まず、前回質問があったことに関しての調査結果として、軍政部レポートに記載された連合国民財産の記述に誤りがあることや、源泉徴収制度の始まりについての説明がありました。
軍政部活動報告書の解読では、昭和24年5月分のうち、「生活援護」「児童福祉」「災害救助」などの項目を解読しました。

(写真5)前回の宿題の説明
児童福祉週間(5月5日~5月11日)に関連して紹介された新聞記事の下に、ずらりと病院の広告が並んでいるのは、眼病のトラホームなどが流行っていた当時の世相を反映して興味深いという感想が会員からありました。
日本軍が解体されまだ自衛隊が無かった時代に、自治体や集落を実働部隊として組織された災害救助対策協議会については、多くの関心を呼びました。火災に関する新聞記事の中に、3年後の1952年に発生する鳥取大火への警鐘とも捉えられる文章があって、災害についても考えさせられる例会でした。

(写真6)解読の様子
次回は、11月15日(土)午後1時30分から、やまびこ館で開催します。占領期の鳥取を学ぶ会ではどなたでも大歓迎です。ぜひご参加ください。