「令和7年度鳥取まいぶん講座」を開催します!
当センターでは調査研究成果を県民の皆さんにお届けする3回の「鳥取まいぶん講座」と1回の「鳥取まいぶん特別講座」を開催します!
今年度は、金属製品の保存、木製品の調査研究成果、本高・古海古墳群の発掘調査最新情報についてお話しします。併せて、鳥取大学地域学部准教授の中原計先生と当センターの共同研究成果について紹介する特別講座も開催します。特別講座を除き、オンラインでの聴講も可能です。
お申込みは、とっとり電子申請サービスを御利用ください。
■第1・2・3回講座は、令和7年4月18日(金)午前8時30分から募集を開始します。
■特別講座は、別途募集します。
■会場参加を希望される方でとっとり電子申請サービスが御利用できない方は、電話でお申込みください。
なお、日時、内容等は変更になる場合があります。最新情報は、ホームページを御覧ください。
また、当センターでは鳥取まいぶん講座の内容に関連した企画展を開催します。会場参加の方には講座の聴講に合わせて展示を御覧いたただけます。
どうぞお楽しみに。
会場
■第1・2・3回講座 鳥取県埋蔵文化財センター2階研修室
■特別講座 とりぎん文化会館 第2会議室
日程・演題
1 第1回
(1)日程:5月17日(土)午後1時30分から午後3時まで(午後1時受付開始)
(2)演題:「時間よとまれー鉄製出土品の保存についてー」
(3)講師:鳥取県埋蔵文化財センター 係長 山枡雅美
(4)お申込み先:とっとり電子申請サービス
第1回会場参加QRコード |
第1回オンライン参加QRコード |

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2 第2回
(1)日程:11月8日(土)午後1時30分から午後3時まで(午後1時受付開始)
(2)演題:「木製祭祀具について」
(2)講師:鳥取県埋蔵文化財センター 文化財主事 馬路晃祥
(3)お申込み先:とっとり電子申請サービス
第2回会場参加QRコード |
第2回オンライン参加QRコード
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3 第3回
(1)日程:2月14日(土)午後1時30分から午後3時まで(午後1時受付開始)
(2)演題:「古海古墳群の新知見2」
(3)講師:鳥取県埋蔵文化財センター 文化財主事 北浩明
(4)お申込み先:とっとり電子申請サービス
第3回会場参加QRコード |
第3回オンライン参加QRコード |

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4 特別講座
(1)日程:8月9日(土)午後1時30分から午後3時まで(午後1時受付開始)
(2)演題:鳥取県東部における縄文時代~江戸時代の森林の変遷と木材利用」
(3)講師:鳥取大学地域学部准教授 中原計氏
※お申込については、別途お知らせします。
定員
(1)第1・2・3回講座
- 会場:20名(先着順)
- オンライン:定員の制限なし
※いずれも要申し込み
(2)特別講座
※オンライン配信はありません。
参加費
- 無料(オンライン視聴にかかる通信料は自己負担です。)
関連企画展
講座の内容に関連した企画展を開催
(1)会場:鳥取県埋蔵文化財センター1階
(2)内容・期間
5月9日(金)から7月10日(木)まで
7月18日(金)から10月16日(木)まで
10月24日(金)から令和8年1月22日(木)まで
令和8年1月30日(金)から5月7日(木)まで
↓チラシ画像をクリックしていただくと、PDFデータがダウンロードできます。

「令和6年度 第4回鳥取まいぶん講座」を開催しました!
令和7年2月15日(土)に今年度4回目の鳥取まいぶん講座は、当センターの森本倫弘が講師を務め、「古海古墳群の新知見」と題し、26名(会場11名、オンライン15名)の皆様に御聴講いただきました。
当センターでは、「鳥取県内古墳調査研究事業」の一環として、地域の有力者の墓と目される大型古墳が近接して築造されている「本高・古海古墳群」を対象に、古墳の出現とその変遷などを明らかにすることを目的とした調査研究を進めており、今年度は古海36号墳の発掘調査を行いました。
今年度の発掘調査では、古海36号墳の墳長が65.2mであり、地山を削り出して墳丘を成形した可能性が高い(一部、盛土による築造の可能性あり)ことがわかったほか、墳裾から出土した高坏坏部により、古墳時代前期に築造された古墳である可能性が考えられることなどがわかってきました。
講座では、これら古海36号墳の最新の調査成果に加え、今後の課題や計画を報告しました。

令和6年度第4回鳥取まいぶん講座のようす
また、講座終了後には、関連イベントとして1階ロビーで開催中の企画展示「ここまでわかった!!古海36号墳」を講師が展示解説をしながら参加者に見学していただきました。

企画展示「ここまでわかった!!古海36号墳」の解説風景
第3回鳥取まいぶん講座「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」参加者の質問への回答
令和6年11月16日(土)に開催した、第3回鳥取まいぶん講座「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」に対していただいた質問について、講師の鳥取県埋蔵文化財センター係長 原島知子が回答します。
【質問1 流し雛について】
1年飾った紙雛を流すとのことでした。紙雛は飾り雛とは別に、1年毎に各家々で作られるものでしょうか。
スライドには押絵雛が飾られた写真がありましたが、昔は押絵雛も流される事があったでしょうか。
【質問1への回答】
近年の流し雛は、「ときわ流しびなの会」が製作されたものが用いられています。手製の紙雛が戦後一時的に各家々で作られていたこともあったようですが、少なくとも明治以降は、行商人や商店から購入することが主流であったようです(参考:鳥取県2019『新鳥取県史 民俗2民具編』p373)。
講座において、紙雛ではなく、古い雛を流す事例をご紹介しましたが、雛の種類については、「流雛のような小さなものでなく堂々たる大きな内裏雛」(1927年3月23日『鳥取新報』)、「鼻や耳をネズミにかじられた古いひな人形」(四宮守正1981『ふるさとの素顔:因伯民俗めぐり』p43)とあることから、内裏雛などの雛人形が流されていたようです。過去に押絵雛が流されていたかどうかはよく分かりません。
【質問2 関札について】
正月、5月と儀礼ごとに札が増えていくようですが、古い関札はどこかのタイミングで焚き上げるなどするのでしょうか。
道切りや境界祭祀というと道祖神やサエノカミも想像するのですが、鳥取県では、関札の行事と道祖神やとんどさん行事との関連がみられる行事やそれらを行っている地域があるでしょうか。
【質問2への回答】
古い関札は、雨風にさらされて、自然に朽ちていきますので、特に焚き上げなどはされていないようです。新しい関札の近くに古いものがそのまま残されている場合もあります。
関札に着目した調査はまだ不十分ですが、私の知っている限りでは、道祖神やトンドの行事の際に関札を立てる事例は見当たらないように思います。なお、西伯郡南部町落合地区において、トンドの際に厄除けと称して、村の入口・出口に門松を立てて注連を張り、松の木で作った陽物をつるしていたなど、関札と同様に、年頭にあたって集落に悪いものが入らないような儀礼を行っていた地域があります(鳥取県教育委員会『「弓浜半島のトンド」調査報告書』p209)。
「令和6年度 第3回鳥取まいぶん講座」を開催しました!
今年度3回目の鳥取まいぶん講座は、当センター係長 原島知子が講師を務め、「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」と題し、11名の皆様に御聴講いただきました。
講座では、「鳥取西道路」の建設に伴う発掘調査で出土した古代の木製祭祀具と鳥取市用瀬地区の流し雛や現代のお日待ち行事で使われる関札などを例として、遺跡から出土した様々な祈りの儀礼に用いた道具と現在の私たちの祈りの場面やそこで使用している道具とを見比べることで、儀礼に込められた願いを読み解きました。会場で御聴講いただいた方からは、「現在と古代の事例が絡め合わせてあり、興味を持つきっかけになった」などの御感想をいただきました。

令和6年度第3回鳥取まいぶん講座のようす
また、講座終了後には、関連イベントとして1階ロビーで開催中の企画展示「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」を参加者に見学していただきました。

企画展示「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」の解説風景
【終了しました】「令和6年度 第3回鳥取まいぶん講座」を開催します!
第3回鳥取まいぶん講座を下記のとおり開催します。
参加を希望される方は、11月11日(月)午後5時までにお申し込みください。
今回は、「民俗事例からみる考古資料~暮らしのなかの祈り~」として、現在の私たちの祈りの場面やそこで使用している道具と遺跡から出土した様々な祈りの儀礼に用いた道具を見比べ、儀礼に込められた願いを考えてみます。
記
1 開催日時:令和6年11月16日(土)午後1時30分から午後3時まで
2 会場:鳥取県埋蔵文化財センター2階 研修室
※オンラインでも御視聴いただけます。
3 講師:原島知子(鳥取県埋蔵文化財センター係長)
4 参加料:無料
5 定員:会場25名、オンラインは定員なし。
6 申込:事前にお申込が必要です。
(1)申込期限:令和6年11月11日(月)午後5時
(2)申込方法:とっとり電子申請サービスでお申込ください。
※会場参加申込の方で、とっとり電子申請サービスを御利用になれない方は、電話(0857-27-6711)でのお申込もできます。
この↓チラシ画像をクリックしていただくと、PDFファイルが開きます。

第2回鳥取まいぶん講座「鳥取県の青銅器-銅鐸・銅鏡の文様を中心に-」参加者の質問への回答
令和6年8月24日(土)に第2回鳥取まいぶん講座「鳥取県の青銅器」の講演後にいただいた質問について、講師の鳥取県埋蔵文化財センター係長 西川徹が回答します。
【質問1】
なぜ岩美で(銅鐸が)出土したのか。どのような権力者が考えられるのか?
【質問1への回答】
一般論として、銅鐸は豊穣を祈るマツリなどで使用されたと考えられています。そのため、新井上屋敷銅鐸は、弥生時代中期に銅鐸を用いるマツリを受け入れ、同笵銅鐸が出土している瀬戸内地域などと交流を持って銅鐸を入手することが出来た岩美の有力な集団(ムラ)によって持ち込まれてマツリに使用されたと考えられますが、マツリが行われなくなったことを契機に地中に埋められたのでしょう。
このような集団における指導者(権力者)は、対外的には集団間の交渉にあたり、集団内では食糧確保のために水田の維持管理などを指揮したりという政治的な役割を果たす一方、作物の豊穣を願い、また収穫に感謝するマツリに関与する祭祀的な役割ももっていた人物ではないかと考えられます。
【質問2】
岩美町で出土した銅鐸と後の岩美町の遺跡との関連は?
【質問2への回答】
新井上屋敷銅鐸を入手した集団は、弥生時代中期(約2,000年前)に地域の有力な集団であったと考えられますが、どのような集団なのかといった基本的なことが分かっていません。
なお、銅鐸出土地から南東約2kmのところに、約26×18mの長方形で高さ3mの規模を持つ弥生時代後期初頭(約1,900年前)の土を盛り上げた墓(新井三嶋谷<にいみしまだに>1号墳丘墓)が造られています。銅鐸を入手した集団と墳丘墓を造った集団に関係があるのかどうかは分かりませんが、弥生時代後期には地域内で突出した力を持つ有力者が成長していたことが分かります。
後の時代には周辺に新井古墳群や高野坂古墳群などの古墳や白鳳期に地域の有力者が建立したと考えられる岩井廃寺などがみられますが、やはり銅鐸を入手した集団とどのような関係があるのかは分かりません。
【質問3】
青銅の道はあったのか?
【質問3への回答】
継続して青銅器が持ち込まれてはいないようなので、“青銅の道”と呼べるようなものはなかったと考えられます。
令和6年度第2回鳥取まいぶん講座を開催しました!
今年度2回目の鳥取まいぶん講座は当センター係長 西川徹が講師を務め、「鳥取県の青銅器-銅鐸・銅鏡の文様を中心に-」と題し、鳥取県で出土した青銅器について解説しました。会場(当センター)とオンラインで同時開催をし、会場13名、オンライン23名の皆様に御聴講いただきました。
講座の前半は岩美町出土新井上屋敷(にいかみやしき)銅鐸の補修痕跡(銅鐸を造った時に生じた欠損部(穴)に溶かした青銅を注いで穴をふさぐ鋳掛けや、文様がなかったり、不十分な部分にタガネ等で文様を刻む補刻)や湯梨浜町出土泊銅鐸の絵画(人物・シカ・トンボ等)の特徴から、同じ鋳型で造った銅鐸の鋳型の傷の進み具合を観察することで、銅鐸の造られた順番を推測できることを解説しました。講座の後半では、鳥取県から出土した鏡の文様の特徴について解説しました。
会場で御聴講いただいた方からは、「鋳型の修復痕跡や本体の補刻など知らないことがあった。」などの御感想をいただきました。

令和6年度第2回鳥取まいぶん講座 解説風景

鳥取県から出土した鏡の解説風景
また講座終了後には、関連イベントとして1階ロビーで開催中の企画展示「発掘調査で出土した青銅器」を参加者に見学していただきました。

企画展示「発掘調査で出土した青銅器」解説風景
鳥取まいぶん講座(第3回・第4回)のお申込みはこちらまで

【終了しました】「令和6年度 第2回鳥取まいぶん講座」を開催します!
今年度2回目の鳥取まいぶん講座は、「鳥取県の青銅器」と題し、当センター係長 西川 徹が鳥取県から出土した銅鐸や銅鏡の文様について詳しく解説します。どうぞお楽しみに。
また、現在、当センター1階ロビーでは、企画展示「発掘調査で出土した青銅器」を開催しています。まいぶん講座の際にぜひご覧ください。
まいぶん講座のお申込みはこちらからお願いします。

【こちらもお勧め】
第2回鳥取まいぶん講座の翌日には、鳥取県立公文書館主催により、青銅器についての講座が開催されます。当センターの講座と合わせて、こちらもぜひ御参加ください。
令和6年度新鳥取県史を学ぶ講座「鳥取県の銅鐸・武器形青銅器の研究」
日時 令和6年8月25日(日)午後1時~午後3時30分
会場:とりぎん文化会館 第1会議室
「鳥取県の銅鐸についての新たな調査成果」講師 難波 洋三 氏
「久蔵峰銅矛と某神社旧神宝銅剣」講師 吉田 広 氏
第1回鳥取まいぶん講座「速報・長瀬高浜遺跡の調査成果」参加者の質問への回答
令和6年5月18日(土)に第1回鳥取まいぶん講座「速報・長瀬高浜遺跡の調査成果」を開催し、御好評をいただきました。講演後にいただいた質問について、講師である公益財団法人鳥取県教育文化財団調査室 文化財主事 田中正利氏が回答します。
【質問】
長瀬高浜遺跡のYouTube(公益財団法人鳥取県教育文化財団調査室)でも見たのですが、平安時代の掘立柱建物跡が「大社造」との事。この建物は神社(祠)のようなものだったのでしょうか?また、「大社造」という事は出雲地方との関連・交流などはどうだったのでしょうか?
【回答】
御質問いただきありがとうございました。
令和5年度の調査で見つかった3区の掘立柱建物2は9本の柱で造られた建物で、「大社造」と同じ柱の並び方をしています。ただ、このような柱の並び方をした建物のすべてが「大社造」だったわけではありません。今回見つかった建物も、柱の並び方以外に建物の形を知る手かがりがなく、「大社造」だったかどうかは不明です。
また、今回の調査では建物の性格を知ることができる出土品が見つかっていませんので、この建物がどのように使われたのかは分かっていません。建物周辺の出土品を調べたり、同じような事例を探したりして、建物の使われ方を調査したいと考えています。
講演でお話しましたが、古墳時代には東郷池が海とつながる入り海であったと考えられ、ここを港として利用することで長瀬高浜遺跡は日本海を介した交易を行っていたと考えています。
日本海を介した交易としては、北九州や北陸地域もそうですが、出雲地域との交流もあっただろうと思われます。

長瀬高浜遺跡(令和5年度調査)3区 掘立柱建物2
(公益財団法人鳥取県教育文化財団調査室 提供)
鳥取まいぶん講座(第2回~第4回)のお申込みはこちらまで

「令和6年度 第1回鳥取まいぶん講座」を開催しました!
長瀬高浜遺跡(ながせたかはまいせき)は鳥取県東伯郡湯梨浜町の砂丘地に立地する遺跡で、弥生時代から鎌倉時代にかけての集落跡、古墳、畠跡などがみつかっています。集落内で多量の埴輪群がみつかったことで全国的にも有名で、鳥取県内でも重要な遺跡の1つです。(出土した埴輪は国の重要文化財に指定されています。)
長瀬高浜遺跡では、現在も発掘調査が実施されており、実際に調査を担当されている公益財団法人鳥取県教育文化財団調査室 文化財主事 田中正利氏を講師にお迎えし、第1回鳥取まいぶん講座「速報・長瀬高浜遺跡の発掘調査成果」を会場(当センター)とオンラインで同時開催しました
会場13名、オンライン20名の皆様に御聴講いただきました。

会場のようす
講座の前半は昭和と平成に行われた発掘調査の成果について解説をしていただきました。後半には、古墳時代前期の集落では井戸の周りを囲むように竪穴建物が建てられていることや、竪穴建物跡でみつかった囲炉裏跡など、令和の発掘調査でわかった最新の調査成果について解説していただきました。
会場で御聴講いただいた方からは、「昭和、平成の調査のほか、最新の調査成果を知ることができてよかった。」など、たくさんの御感想をいただきました。
また講座終了後には、参加者に関連イベントとして1階ロビーで開催中の企画展示「長瀬高浜遺跡を振り返る」を見学していただきました。多量に出土した埴輪群の出土状況や神殿の可能性が指摘される大型建物の検出状況などの写真パネル、実際に出土した遺物を展示しており、講座での解説も合わせて、長瀬高浜遺跡の重要さを存分に感じていただく機会となったのではないでしょうか。
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