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2025年2月21日

新鳥取県史を学ぶ講座(民俗)「鳥取県の絣—倉吉と弓浜—」を開催しました。 New!

 令和7年2月1日(土)、関本明子さん(倉吉博物館主幹学芸員)、山本恭子さん(米子市立山陰歴史館副館長兼主幹学芸員)を講師にお招きし、倉吉交流プラザ視聴覚ホールにおいて、新鳥取県史を学ぶ講座(民俗)「鳥取県の絣—倉吉と弓浜—」を開催しました。参加者は100名でした。

公文書館長挨拶写真
(写真1)公文書館長挨拶

 講演では、関本明子さんに「倉吉絣の文様と用途―民俗文化財調査の中間報告―」というテーマで、調査の中で明らかとなりつつある倉吉絣の文様と用途などの特徴について解説いただきました。

関本様講演写真
(写真2)関本明子さんによる講演の様子

 また、山本恭子さんには「山陰歴史館所蔵の絣資料 ―弓浜絣を中心に―」というテーマで、山陰歴史館所蔵の弓浜絣の名品などについて解説していただきました。

山本様講演写真
(写真3)山本恭子さんによる講演の様子

 興味深いお話が多く、参加された県民の方々は、鳥取県の絣に関する関心を一層深めていただいたものと思います。

公文書館 2025/02/21 in 県史活用担当,講座などのイベント

2025年2月19日

占領期の鳥取を学ぶ会 令和6年度(2月)例会を開催しました。 New!

 2月15日(土)午後2時から4時過ぎまで、鳥取市歴史博物館において、2月例会を開催しました。

 最初に、参加者の西村さんから、占領期の鳥取を学ぶ会の取組について『鳥取地域史研究』へ投稿したことについて報告がありました。

 澤田調査委員からは、「IFEL(教育長等講習)の講師は日本人がやっていたのか?」「鳥取の成人教育講座をなぜ当時管轄ではなかったと思われる第1軍団が行ったのか?」といった前回の質問に対し調査結果の報告がありました。

占領期2月例会写真1
(写真1)澤田調査委員から前回の質問の調査結果報告を聞く参加者

 今回の軍政部活動報告書の解読では、昭和24年2月分の最後の部分を解読し、「鼠族駆除」「新聞」「税務の監督」「連合国国民財産の保全・保護の監督」などの項目を解読しました。

 澤田調査委員からは、米子におけるネズミ駆除の歴史やネズミを持参すれば電気洗濯機等電化製品が当選したり、多く捕った地区や個人に賞があったことなどを紹介し、参加者からは、ネズミだけでなくイナゴを捕って食べるよう言われていたという思い出話などがありました。また、当時の米子の新聞や民間・NHKのラジオ放送局の設立や経営の状況等について、会員から思い出や調べた結果などを報告されました。

 なお、軍政レポートの英文には「Nippon-kai Shimbun」とあり読み方に疑問がありましたが、当時の新聞紙の欄外の記載により当時の日本海新聞は「にっぽんかいしんぶん」で「にほんかい」の読みではなかったことがわかりました。

 確認できているまだ未解読の軍政レポートはあと3か月分とのことであり、引き続き解読を進めていきたいと思います。

占領期2月例会写真2
(写真2)軍政レポートの税務の報告内容について解読を進める参加者

公文書館 2025/02/19 in 県史活用担当,調査

2025年1月30日

占領期の鳥取を学ぶ会 令和6年度(1月)例会を開催しました。

 1月25日(土)午後2時から4時過ぎまで、鳥取市歴史博物館において、1月例会を開催しました。

 最初に、参加者の方から、「島根県の軍政レポート」を翻訳し、今後これをどう活用するか検討しているとの報告がありました。

 軍政レポートの特定のANNEX(添付資料)だけや部分的な抄訳ではなく、全訳しようとしているのは、全国でも鳥取県と島根県のレポートだけとのことであり、大変貴重な取組と言えます。

 次に、前回の会で出ていた「統制会の概要や公定価格が柔軟性を失わせているとはどういうことか」「木炭はそんなに重要なものだったのか」といった疑問点について、澤田晶子調査委員から調査内容の報告がありました。また、「戦後の中学・高校の変遷」について、「鳥取市立西中学校は市立高女の校舎を一部使用して創設され、鳥取市立北中学校は、久松小学校高等科校舎を転用し創設された」こと等の報告がありました。会員の方からも、米穀通帳の記憶や在籍した鳥取北中の校舎の記憶等について話がありました。

占領期の鳥取を学ぶ会写真1
(写真1)県内の高校の変遷について議論する参加者

占領期の鳥取を学ぶ会写真2
(写真2)占領軍の家族用住宅の解説


 今回の軍政部活動報告書の解読では、前回に引き続き昭和24年2月分を行い、「教員の現職教育」「社会教育」「高等教育」「徴税」「供出」といった項目を解読しました。

 来年度の夏には昨年度の秋以来となる報告会を開催する予定であり、会では、引き続き報告書の解読を進めていきたいと思います。

公文書館 2025/01/30 in 県史活用担当,講座などのイベント

2024年12月26日

占領期の鳥取を学ぶ会 令和6年度(12月)例会を開催しました。

 12月21日(土)午後2時から4時まで、鳥取市歴史博物館において、12月例会を開催しました。
最初に、前回質問のあった「中国電力は中国配電とどこが合併してできたのか」について、各地の電力会社が中国電力となるまでの変遷について、澤田晶子調査委員から説明がありました。

 今回の軍政部活動報告書の解読では、前回に引き続き昭和24年2月分を行い、「統制会」「闇市」「賠償機械」「学校視察」「学校改革」「教育委員会」の項目を解読しました。

 解読内容に関して、会員からは、木炭は当時公定価格で取引されていたということだが、そんなにも重要だったのか
ということや、高校を統廃合した跡地のこと等の質問や体験談がありました。

占領期の鳥取12月例会写真2
(写真1)高校の統廃合についての解説の様子


 今回の会では、横山展宏学芸員が神戸映画資料館から借用した漫画映画「森の泣蟲坊や」を鑑賞しました。この映画は、1928年作成の「モリノナキムシコゾウ」(軍政部活動報告書に出てきたものだが、アニメーション史のWeb サイトや書籍にも記載がない)ではないかと推測している映画です。

 映画を見た会員からは、「思ったよりちゃんとしていて、動きがなめらかだった」「よくわからない」「フィルムが逆につながれているのではないか」「女性(狸が化けているのでは?)がグラスに変わっていくところがディズニー映画のよう」等の感想や意見がありました。

占領期の鳥取12月例会写真1
(写真2)漫画映画の関連事項の解説の様子


 今後も、報告書を解読して内容の疑問点等も調査しながら、占領期の鳥取の実態を明らかにしていきたいと思います。

公文書館 2024/12/26 in 県史活用担当,講座などのイベント,調査

2024年11月25日

占領期の鳥取を学ぶ会 令和6年度(11月)例会を開催しました。

 11月16日(土)午後2時から4時まで、鳥取市歴史博物館において、令和6年度の11月例会を開催しました。

 今回は最初に、鳥取市在住者が作成したと軍政部活動報告書に記録された、漫画映画「モリノナキムシコゾウ」と関係すると思われる漫画映画「森の泣蟲(なきむし)坊や」が10月20日に神戸映画資料館にて開催された「神戸発掘映画祭2024」で上映されたことが、会員の澤田さんから紹介されました。

 軍政部活動報告書の解読は、前々回から引き続き昭和24年2月分を行い、今回は「供出」「食糧配給」「肥料配給」「漁業」「鉱業」「報奨制度」「林業」「電力」「建設」の項目を解読しました。

 そのうち、「林業」の項目では、「本県史上初のマツクイムシ被害が県に報告された」と記載されていました。しかし、従来、鳥取県で松食い虫被害が発生したのは昭和48年とされています。24年の記事をどのように解釈するか、今後考えていきたいと思います。

11月例会写真
11月例会の様子

公文書館 2024/11/25 in 県史活用担当,講座などのイベント

2024年10月28日

占領期の鳥取を学ぶ会 令和6年度(10月)例会を開催しました。

 今回の昭和24年2月の軍政部活動報告書の解読では、最初に、労働基準局の検査により発覚した労働基準法違反の案件や労働組合の活動、賃金引上等の争議などの労働監督関係の報告を読み進めました。次に、小麦の不作や農業会の解散と農協の結成、農業改良普及員による普及活動といった農業関係の報告について解読しました。

占領期10月例会写真1
(写真1)10月例会の様子


 今回の解読部分には「労働ボス(labor boss)」という用語が出てきて、会員から、「労働ボスとは戦前の口入れ屋や手配師、人夫出しなどのことだろうか」とか、「(中間の手数料を搾取しない)無料職業あっせん事業は戦前にもあり、第一次世界大戦前後から無料の職業紹介所を行政が設置していた」というお話をいただきました。

 農業関係では、報告書に出てきた4Hクラブについて、会員から、「4つのH、Head(頭脳)科学的にものを考える、Hand(技術)腕を磨く、Heart(心)友情、Health(健康)健康にやっていくが4Hクラブの信条で、アメリカで始まり日本に導入された」という解説や「家のかまどを近代的にした事業を4Hクラブの食生活改善活動として発表したことがある。」という思い出などをお話しいただきました。

占領期10月例会写真2
(写真2)活発な議論が交わされました

占領期10月例会写真3
(写真3)当時の新聞記事の説明


 引き続き、会員の方の疑問や記憶も参考にし、報告書の解読を進めたいと思います。

公文書館 2024/10/28 in 県史活用担当,講座などのイベント

2024年10月2日

占領期の鳥取を学ぶ会 令和6年度(9月)例会を開催しました。

 今回の昭和24年2月の軍政部活動報告書の解読では、鼠族昆虫駆除講座や2回目のネズミ退治運動といった衛生活動、生活保護の生活扶助費算定の査察と過払い・不足の是正状況、地方児童福祉委員会での検討や施策の実施状況、福祉施設・少年院の査察状況などについての翻訳を進めました。

占領期の鳥取を学ぶ会9月例会写真1
(写真1)例会の様子


 前回の「本当に(入院患者の身内の人が)病室で煮炊きをしていたのか。建物の外ではないのか。」という疑問点については、澤田晶子調査委員(翻訳担当)から、いろいろな資料に病院内で煮炊きしていたという記載があり、入院となると、鍋釜、七輪、布団と共に、患者がリヤカーに乗せられて入院するという姿が一般的だったとの講演録もあるという説明がありました。参加者の方からも、当時入院した時に、母が家から食べ物を持って来てくれた等の体験談をいただきました。

占領期の鳥取を学ぶ会9月例会写真2
(写真2)澤田晶子調査委員からの説明画面


 また、これまでの会で話題に出ていた鳥取地震復興住宅(バラック)について、澤田調査委員から罹災者住宅入居公募の当時の鳥取市報(公報鳥取)の記事の紹介があったあと、やまびこ館の横山展宏学芸員から、市内に1戸残っているバラックの写真を撮影してきたとの紹介がありました。

 横山学芸員からは、当時の広島県仮設住宅建設部隊と墨書のあるバラックの写真紹介や支援に来てくれた4県と軍隊の説明などがありました。また、以前の解読で出てきたアニメーション作品「森の泣蟲坊や」について、神戸映画資料館から澤田調査委員に映画祭でゲストスピーチをしてほしいと依頼があったことの報告もありました。

占領期の鳥取を学ぶ会9月例会写真3
(写真3)やまびこ館の横山展宏学芸員による写真の紹介


 今回の解読部分では、鳥取と倉吉に孤児院があったが米子はどうだったのかとの質問や少年院の歴史、学校にあった大きな火鉢の思い出、施策への軍政部の関与の度合いは強かったが全てが軍政部の言うとおりになったわけではないのでは等の話がありました。

占領期の鳥取を学ぶ会9月例会写真4
(写真4)解読の様子

 引き続き、参加者の方の疑問や記憶も参考にしながら、軍政部活動報告書を解読していきたいと思います。

公文書館 2024/10/02 in 県史活用担当,講座などのイベント,調査

2024年9月9日

占領期の鳥取を学ぶ会 令和6年度(8月)例会を開催しました。

 今回から、昭和24年2月の軍政部活動報告書の解読に入りました。今回の活動報告書の解読では、村長のリコール事例や県・鳥取市議会の議案議決などの行政の状況、政党の活動状況、病室内での調理禁止・病院内調理場の衛生条件の制定や中国地方軍政部保健師の県内保健所視察などの衛生行政活動についての翻訳を進めました。

占領期写真3
(写真1)講座の様子


 前回の活動報告書の解読部分にあったNHK鳥取放送局のラジオ塔の写真や図面も今回紹介され、鳥取大火の時にはこの鉄塔に登って放送をしていたとのことでした。会員の方からは、当時の鳥取放送局の残響処理の構造やお堀端等にあった鳥取地震の被災者住宅についての思い出話や関連した解説がありました。

 また、澤田晶子調査委員(翻訳担当)から、英文翻訳への生成AIの活用について、報告がありました。生成AIは、人間の脳のニューロンの働きを模倣しており、大規模言語モデルは、データを細かいトークンに分解し、次のトークンを予測するが、正しいとは限らないということです。

占領期写真1
(写真2)澤田晶子調査委員の報告


 軍政部報告書の英文をOCRで読むと、汚れの点々も文字として読んでしまうが、生成AIで読んでみると、勝手にハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象)してしまうサービスもある一方で、かなり優秀に読んでくれる生成AIのサービスもあるということでした。生成AIは、英語の手書き原稿についても結構読んでくれて、人間が読みにくい原稿でも読んでくれる生成AIのサービスもあるとのことでした。

 今回の解読の中で、会員の方から、GHQは保健所を重視していたとの説明や病院での自炊の実態がどのようなものだったのかとの質問等がありました。解読の中で様々な疑問や不明な点が出てきますが、調査したり当時の記憶のある方に体験をお聞きする等して、より正確に当時の状況を明らかにできればと思います。

占領期写真2
(写真3)会員の解説

公文書館 2024/09/09 in 県史活用担当,講座などのイベント

2024年8月29日

新鳥取県史を学ぶ講座『鳥取県の銅鐸・武器形青銅器の研究』を開催しました。

 令和6年8月25日(日)、難波洋三島根大学客員教授、吉田広愛媛大学ミュージアム教授を講師にお招きし、とりぎん文化会館第1会議室において、新鳥取県史を学ぶ講座『鳥取県の銅鐸・武器形青銅器の研究』を開催しました。参加者は41名でした。

講演会写真1
(写真1)講座の様子


 講演では、難波先生に「鳥取県の銅鐸についての新たな調査成果」というテーマで、出土情報の整理、資料の観察によって新たに判明した「伝大阪府出土銅鐸」(鳥取県立博物館蔵)とそれと同じ鋳型から作られた銅鐸との関係の他、「木山氏所蔵銅鐸」の位置づけ等について解説していただきました。

講演会写真2
(写真2)難波洋三先生「鳥取県の銅鐸についての新たな調査成果」


 また、吉田先生には「久蔵峰銅矛と某神社旧神宝銅剣」というテーマで、久蔵峰銅矛(琴浦町出土)と某神社旧神宝銅剣(出土情報不明)が、ともに類を見ない特徴的な武器形青銅器であることや、両者の形状の由来とその後への影響、銅剣にあらわされたサメとみられる線刻絵画などから、両者が鳥取に所在する意義について解説していただきました。

講演会写真3
(写真3)吉田広先生「久蔵峰銅矛と某神社旧神宝銅剣」


 興味深いお話が多く、参加者の方々は、青銅器や鳥取県の弥生時代に関する関心を一層深めていただいたものと思います。

公文書館 2024/08/29 in 県史活用担当,講座などのイベント

2024年8月1日

占領期の鳥取を学ぶ会 令和6年度(7月)例会を開催しました。

 今回の例会では、昭和24年1月の社会教育や選挙、税金の徴収等についての軍政部活動報告書の解読を進め、この月の報告書の解読は終了しました。

占領期例会の様子の写真1
(写真1)例会の様子


 参加者の方からは、報告書の内容に関連して、最近のボーイスカウト、ガールスカウトの活動状況についての話がありました。また、「NHKが東京でラジオ放送を開始してから11年余りたった昭和11年12月にNHK鳥取放送局からJOLGのコールサインで最初のラジオ放送を行った」というお話のあと、「子どもの頃は、鳥取と松江の放送局があったが、鳥取までは90キロ、松江までは30キロで、鳥取放送局に合わせると、声が小さくなった。また、鳥取のニュースは米子のことはあまり言わないので、不満に思っていた」といった体験談もありました。

 当時GHQの指令で、公務員が神社の活動に関わっていれば違反とされていたため、公務員の宗教活動について調査をしていた等の発言もありました。

占領期例会の様子の写真2
(写真2)体験の発表や活発な意見交換が行われました


 来月からは、新たな月の報告書の解読に入り、引き続き、会員の皆様からの情報等も参考にしながら当時の状況を明らかにしていきたいと思います。

占領期例会の様子の写真3
(写真3)当時の新聞記事の解説

占領期例会の様子の写真4
(写真4)解読の様子

公文書館 2024/08/01 in 県史活用担当,講座などのイベント

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