土地1平方メートル当たりの単価は、近隣の正常な売買取引価格、地価公示法による公示価格、さらに不動産鑑定士が行う鑑定価格などをもとに、適正な土地価格を算定します。この場合(地目、面積は土地登記簿に記載されているものではありません)、地目については現況により、面積については実測によりそれぞれ算出します。
土地に建物がある場合は、その建物の配置、種類、構造、敷地の形状などに基づき、通常妥当と思われる移転工法(再築工法、ひき家工法、改造工法など)を決定し、移転に必要な費用を補償します。
(1)再築工法
残地または隣接する自家用地に建物を移転する余地がない場合は、建物の現在価値と取り壊し費用などを補償します。
(2)ひき家工法
残地または隣接する自家用地に建物を移転する余地がある場合は、ひき家を行うために必要となる費用を補償します。
(3)その他
建物の一部が事業用地の上にあり、その部分の切取りや改造が必要となる場合は、そのために必要となる費用を補償します。
移設することができる工作物(フェンス・物置など)については移転に必要な費用を、移設することができない工作物(ブロック塀・井戸など)については現在価値と取壊し費用などを補償します。
庭木などで移植することが適当と判断される立木については移植に必要な費用などを、また伐採することが適当と判断される立木については伐採による損失額を補償します。
仮住居補償
建物をひき家工法、改造工法などにより移転する場合、移転工事期間中の住まいが必要となります。この場合には、建物の規模、世帯人数及び家財道具などの数量に応じた仮住まいに要する費用を補償します。
動産移転
建物の移転に伴う動産(家財道具・商品・諸材料など)については、荷造り、運搬などに必要な費用を補償します。
借家人補償
賃借している建物が移転することにより、その建物を移転後引き続き借りることができなくなる場合には、現在の建物と同程度のものを借りるために必要な費用を補償します。
営業補償
店舗や工場などを移転することにより販売や製造を一時休止する必要がある場合には、休業する一定期間の収益減や従業員に対する休業中の手当てなどを補償します。
移転雑費
建物の移転に伴い新たに必要となる経費として、建築確認申請手数料とか、その地方の習慣として行う上棟式や建築祝などに要する費用、親戚や友人、知人に対する移転あいさつ状の費用などを補償します。
このほか、残地に損失があった場合の補償、貸家の移転に伴う家賃減収補償などをします。