第2回学校CIOアンケート結果と概要について
1.児童生徒のICT活用状況について
「児童生徒が一人一台端末をどの程度活用していますか」という質問に対し、全ての校種で、前回調査(6月)と比較して「ほぼ毎日活用」と回答した割合が増加しました。
● 小学校・中学校・義務教育学校:75.2%→78.2%
● 高等学校:82.6%→86.4%
● 特別支援学校:82.6%→86.4%
この結果から、児童生徒による端末の日常的な活用がさらに進んでいることが分かります。
2.クラウドを活用した学校業務の効率化について
「クラウドを活用した学校業務の効率化の現状として最も当てはまるものを選んでください」という質問に対し、全体としてクラウドを活用した学校業務の効率化が進んでいるという回答が得られました。特に、小・中・義務教育学校では、「多くの校務において、学校全体で共同編集や情報共有等に活用し、業務の効率化が図れている」と回答した学校が、前回調査の44.2%から62.5%へと大幅に増加しました。
この結果を踏まえ、県教育委員会では今後、校務DXに関する教職員研修の実施や、好事例を共通のプラットフォーム(授業支援サイト等)で共有するなど、校務DXをさらに推進する取組を実施してまいります。
3.個別最適な学び・協働的な学びの場面での活用頻度について
個別最適な学びの場面での活用については、各校種とも約3〜4割が「ほぼ毎日」と回答しました。一方、協働的な学びの場面での活用については、「ほぼ毎日」と回答した割合が少なく、「月1回以上」の割合が多くなっています。学習者主体の学びのためには、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実が不可欠であり、ICTはその実現に必要不可欠なツールです。今後は、具体的な活用方法についての実践事例を収集し、各学校へ提供していく予定です。
4.端末の持ち帰りについて(小・中・義務教育学校のみ)
「毎日持ち帰る」と回答した学校は44.9%であり、前回調査時の38.8%から増加しました。しかしながら、毎日持ち帰る以外の回答をしている学校の記述式回答からは、毎日持ち帰りができない理由が明らかになっています。端末は、子どもたちが自ら多様な学び方を選択できる道具であり、クラウドを活用することで情報や他者の考えを整理・分析して表現する等、学びを深めることが可能となります。児童生徒の資質・能力の育成に向けた効果的な端末活用を教育活動で日常的に進めることが必要であると考えます。
5.今後の教育委員会としての取り組みについて
今回のアンケート調査の結果を踏まえ、県教育委員会では、以下の取組を推進したいと考えています。
● ICT活用指導力の向上: 教職員向けの研修を充実させ、ICT活用指導力を向上させます。
● 授業支援サイト等の活用促進: 好事例を共有し、各学校におけるICT活用を促進します。
● 校務DXの推進: 校務DXに関する教職員研修を実施し、校務の効率化を支援します。
● 個別最適な学びと協働的な学びの推進: 実践事例を収集し、各学校へ提供することで、学習者主体の学びを推進します。






【毎日持ち帰る以外の回答の理由】※回答を要約
A. 児童生徒の持ち運びに関すること
● 端末を壊す、紛失する、充電を忘れるといった心配がある。
● 荷物が多く、持ち運びが負担。特に冬場は傘を持つこともあり、さらに負担が増す。
● 低学年は、端末の管理や持ち運びが困難。通学距離が長く、持ち運びに負担がかかる。
B. 教育活動における必要性
● 家庭学習で端末を活用する目的が明確になっていない。
● 日常的な学習活動で端末を使用する必要がない。
● 家庭学習は書くことを中心に行いたい。
● クラウド上に課題を配信し、家庭で取り組み提出させる場合のみ持ち帰りとしている。
C. 家庭環境・健康面への配慮
● 家庭にWi-Fi環境がない。
● ネット依存の心配がある。長時間使用による視力低下や健康面への影響が懸念される。
● 家庭での端末の使用状況がねらいに沿ったものにならないことがある。
D. その他
● 学校の方針として、端末の持ち帰りは「非常時(自然災害・感染症・不登校など)の家庭学習
を保証する」ことを主たる目的としている。
● 情報モラル教育等が十分でない。
● 故障等の対応の予算的な裏付けが十分でない。
● 教職員のICT活用スキルに差がある。