○日本海新聞 清水 友揮 記者
おはようございます。幹事社の日本海新聞の清水です。それでは、知事の定例会見始めたいと思いますので、知事のほうから御説明をお願いします。
●知事
皆様、おはようございます。今、アメリカ[合衆国]におきまして、非常に歴史的な対話が行われている状況となってきました。世界中の人がウクライナの和平、あるいは停戦について望んでいるところでございます。これが国の主権に関わること、あるいは世界経済に関わること、いろいろな悪い影響も与えてきたここ数年でございました。ぜひ、関係国で精力的な協議を行って、解決へと導いてほしいと私ども地方からも申し上げなければいけません。
現在の状況としては、これからロシアとウクライナの間で2週間以内に対話が持たれるのではないか、こういう報道も始まりました。またそれに後からトランプ大統領も加わるというようなことになる、そういう見込みも言われております。正直申し上げて非常に複雑な協議になろうかと思いますし、そこにおきまして戦後、社会が世界中で希求してきた国際協調主義や平和主義、こうしたものがこの星の上に回復されることを願ってやまないわけであります。
時あたかも第二次世界大戦が終わり80年という世界の節目に当たるわけでありまして、大国の影響などが主導しながら地域での紛争を起こし、人命を虐げてきた、そして、ある意味主権が平気で侵略されるということが現実になってきているわけです。これ、ヨーロッパだとか、あるいは中東に関わることだけではなくて、東アジアも決して例外ではないことは長い歴史が物語っているところだと思います。
そういう意味で、我々も決して他人事ではない今の世界情勢に当たりまして、新たな国際協調主義に基づく平和の回復というものがなされるべきであると強く願うところであります。それが終戦80年に当たって日本も世界も教訓を基に歩むべき方向性ではないか、こんなように思うところであります。そうした事情があって、国内でも様々、例えば物価高、飼料高など起こしてきました。エネルギー高も影響しています。
そうしたことを踏まえながら9月議会に向けまして補正予算を編成作業中であり、その状況を御報告申し上げたいと思います。今、大体要求を聞き始めて、内部で査定作業を始めているんですが、恐らく2桁、10億円台に乗るのではないかと思います。その10億円台の編成作業ということになりそうでありますが、最近の動きとして先ほどのような世界情勢もあり、また、トランプ関税、これが修正されながら今後、15%で定着していくだろうと、ただ、自動車関税も引下げということに向かうのではないか、また、物価高関係におきましてガソリン価格が抑制されている、この支援が当面継続されるということになったり、また、賃金においては本県73円の引上げ、1,030円ということになります。これ、また10月に確定しなければいけないんですけれども、この73円は今のところ全国でも最高の引上げ幅ということになります。
また、農業におきましても最近の令和における米騒動、このことも踏まえて増産に踏み切っていく、これを石破[茂内閣]総理[大臣]が5日の日に表明される、こんなような中で我々、地域としての課題解決に動いていかなければなりません。その日米関税でありますが、政府のほうで政策を打ち出すことが予測されています。ただ、この政治情勢もあるのかなかなか前に進みません。しかし、足元の我々の経済、企業の動向などを見てみますと、例えばアメリカ向けの売上げが感覚的には半分に減っているというようなところが出てきたり、それから、自動車関係でやはり受注減が顕著に起き始めているというようなことがあったり、ですから、今後、新しい世界経済秩序に向けて我々地域の経済、企業さんも産業や雇用の担い手として動いていくということになります。
正直、国が強力な後押しをすべきものであり、これは私どもも今月、政府のほうに要請活動を展開しましたけれども、ただ、その発動時期というのは恐らく秋以降ということにならざるを得ない、恐らく今後、ちょっとどういうふうに展開するか分かりませんが、政治の枠組みだとか、あるいは補正予算を伴うものであれば当然ながら国会で成立しなければいけませんので、時間がかかるということになります。それで、先行して鳥取県として日米関税の合意対応するパッケージ、政策パッケージを提示することにいたしたいと思っています。おおむね2億円規模になろうかと思います。
1つは資金調達、融資の関係ですね、それで、地域経済変動対策資金というものがある、それから米国関税対応特別需要資金というものが既に動き始めていますが、これをさらに、例えば自動車以外の酒造メーカーなどにも対象を拡大したり、それから、売上減少5%以上というふうに見込まれるようなところなどに対象を拡大したりして、総額で200億円規模の融資枠を設定をしようと。それで、これによって今後、この危機を乗り越えていく、そういう企業の応援になればと思います。
前者のほうの地域経済変動対策資金につきましては市町村と協調すれば3年以内、3年間の最大無利子化ということもできる1.63%、また、この関税対応の特別資金につきましても1.0%、保証料ゼロという枠組みでスタートをしています。もう既に活用され始めていますが、こういうものの活用が今後広がると予測されますので、おおむね倍増する、200億円規模に倍増したいということであります。
それから、外需の獲得というのをアメリカだけに限らずやっていく必要が出てきている。これ、恐らく中長期的にはそうした傾向ができるでしょう。例えばヨーロッパだとか、東南アジアだとかそうしたところに対して県内企業も、例えばお酒を売りに行くというのはもう始まってきています。やはりアメリカが当初多かったと思うんですけども、それ以外のところに今、出始めている。これをサポートするためにヨーロッパだとか、アジアにおいて例えば飲食関係の方であるとか、あるいは企業進出や提携当たっての弁護士などの地元の法律家の方だとか、そうした駐在員をサポーターとして用意をすることにいたしたいと思います。
それから、もう1つ新たにヨーロッパの海外市場に向けまして、日本酒など県産品のプロモーション(商品を宣伝・広告するための活動や手法)、併せて観光宣伝などもやる必要があるんではないか、それから、サプライチェーン(製品が原材料の調達から消費者の手元に届くまでの、一連の流れ)の再構築や販路開拓をするために伴走型の支援、これも拡充していこうということにいたしております。これで合計3,300万円ほど、また、併せまして投資を促進をする、大体合計で1億円規模かなと思いますけれども、米国の高関税に対策が必要なところの支援補助金を、これを例えば酒造メーカーなんかも含めた県内製造業一般に拡大していくと、以前は国別の相互関税というものの15%の設定というの、なかったです。これは25[%]とかそうしたレベルから下がったかもしれませんが、それでも15%で設定されていますので、これ、やはり対策が求められているという事実があります。
それから、また、産業未来共創補助金という本県の投資補助がございますが、この投資補助、比較的大型のものになります。それで現実何が起きかけているかというと、具体的な案件でも、例えば中国を製造拠点にしていた、そういう企業さんが、中国へのアメリカ関税の影響もあって、日本のほうに拠点を強化するという動きも例えば出てきている。それで、今後まだ、このことを模索する他の部品メーカーとかいろいろとあるんですね、ですから、そういうふうなことで、この関税影響を逆に乗り越えていく、そういう投資を考えてもらうと。それで、ほっておくとアメリカに対して今まで割と出すことを念頭に置いてやっていた投資が細るかもしれませんけれども、むしろ逆に攻勢をかけていくと。そういう企業を応援するっていう姿勢を県としても明確にさせていただきたいなと思っております。こんなようなパッケージとして2億円ほど、9月補正で用意させていただこうかなと考えます。
それから物価高対策、これもちょっと政府の動きがはっきりしないんですけれども、ただ、例えば低所得者対策の1億6,000万、それから県立学校での給食費支援、こうした物価高対策をして住民の皆様の負担増、これに備えていきたいというふうに考えております。
そして、この時期決算がまとまってきますが、昨年度の決算の概要というものがはっきりしました。これによって、財政誘導目標は堅持される形になり、財政調整型の基金275億円、これは誘導目標200億円上回る規模になりましたし、3,533億円という実質的将来負担残高、これも3,800億円以下の目標達成をしています。残り令和7年度、令和8年度がありますが、その令和8年度の末で、これを満たすのが我々の目標でありまして、ある意味、順調に令和6年度は切り抜けることができたかなと思っています。実質収支は65億円で、若干規模は小さくなっていますが、確保できているという事実はございます。また、財政指標も全国的には上位をキープすることができまして、私、就任する頃に比べると、大分財政状況は格段によくなったかなという状況は、まだ維持できているということでございます。
それから今後、考えていかなければならない幾つかの点がありますが、1,030円というのは、これは思い切った地方審議会としての鳥取県の皆さん、労使が協議をされて決められたと思います。ただ、これを実際に実行していくのはなかなか、中小企業の多い鳥取県では難しい面もあります。そこで9月補正で1億円ほど準備させていただこうかなと思っています。賃上げ企業の設備投資や人材育成、これを支援するようなことを手厚く、5%以上やるような、希望事業者に対して手厚い対策を、これを拡大させていただきたいと思います。
また、結局、価格転嫁だとか、そうしたことをやっていかなきゃいけません。下請がやはり発注元に対して要求をしていくと、こういうことがスムーズになされていかないと賃上げにつながっていかないという中小企業の現実がありますが、この辺のPRも強化をさせていただきたいと思います。今後、国も何らかの対策を打つという方針をおっしゃっておられますが、当面こうしたことで、県としても先行してやってまいりたいと思います。
また、いろいろと皆さんが気をもんでおられた天候の関係がございます。降れば土砂降りみたいなことで、8月7日以降、急に大雨になって被害が出たり、また、他方で渇水状態が続いたりということであります。大雨のほうにつきましては、鳥取市それから日南[町]、また、伯耆[町]におきまして、3か所ですね、今のところ、こうした形での法面被害、田畑の被害が発生していることが分かりました。それで、これが例えば水路をふさぐなどするものですから、これを復旧していかなきゃいけないということであります。それで、こうしたことで2,800万円ほど見込まれますが、そのうち、鳥取・日南の2,000万円ほどは、昨晩、石破総理が表明されました激甚災害指定、このたびの豪雨災害を激甚災害に指定するということの見込みも出てきまして、それで、これは激甚災害で取っていただけるように調整をして復旧していこうと。それから伯耆町につきましては、どうもその対象から漏れそうなんですが、しっかり守る農林基盤交付金という県の単独事業、これを使って復旧していただくということで準備を始めたいと思っております。
それから、土地改良区などが、例えば渇水のほうなんですけども、番水をしたりとかして、節水型の農業をすると。そうすると土地改良区のポンプなどの電気料金抑制にもつながると、そういうことやりながら電気料金の高騰分というものも支援していくと。それで、こういう事業を計上させていただいて、そういう合理的な水使いにつなげていこうと。それで、県内の渇水状況なんですが、結論から言うと、今、一山超えたということだと思います。心配されました状況は回避されつつあって、それで稲につきましては番水や節水、それから県のほうでも単独でポンプアップ(ポンプを使って水を汲み上げること)の支援などをさせていただきましたが、そしたら今度は雨が逆に今度は降ってきたと。それで、それによって現在、菅沢ダムでも47%ほどに、これ平年並みということになりました。回復していまして、ちょうどその日野川の河口のところも通水としては基準的には5%なんですが、15%ほどの水量で流れています。
ですから、日野川水系も含めて千代川、天神川等取水制限を解除された状況になっておりますし、ポンプで給水するところも、大分それを停止することができてきております。まだ、西部だとか、あるいは鳥取市だとか一部やはりポンプアップということをやっておられるところは、まだ若干残ったり、再開したりしているところもあるんですけども、ただ、大きな流れとしては通常取水のほうに回復してきているという状況であります。ただ、向こう8月中ですね、大きな雨が降るかどうかというのは、ちょっと疑問な状況になってきました。それで、今のことは後ほどちょっとあれしますが、梨の季節に入ってくるんですけども、やっぱり小玉傾向に関与している水不足になった感はあります。
それで、今、若干、雨が降って取り戻し始めていて、少し玉太り傾向に戻り始めていると思うんですが、今後どう展開するか、それから稲につきましても品種によりましては、まだ9月に入っても水を必要とする、そういう品種もございまして、ですから、まだ予断を許さないということです。そういう意味で今、一山越えましたが、今後どうなるかはよく注意していかなきゃいけないという渇水状況かと思います。
それから視覚障がい者から、かねて声が上がっていました点字ブロックですね。どういうことかというと、こうやって損傷したところは、これ直さなきゃいけないんじゃないかというのは当然ありますし、それからこちらの写真にありますように、これ我々健常者からは当たり前かなと思うんですが、こういう曲線で点字ブロックをつなげているということがあります。これ別にうちの県だけじゃなくて、どこも別に悪気はなくてやっているんですけど、これ、この分、遠回りをしなきゃいけなくなったり、分かりにくくなるわけですね。ですから、直線的にここを歩くべきだっていう視覚障がい者の方のお話がございまして、例えばそういうふうにこの曲線を直線に補修していくということも考えられるわけですね。
それで、10月の10日に今、話合いが成立しまして、そうした視覚障がい者の方などを交えながら道路管理者、国や市町村もいらっしゃいますけども、当然県も入りまして一斉点検をしてみようと、それで、それによっての不具合箇所を改修していこうと。それで、本県の対象箇所、県で管理している部分については年度内に、大体1,000万円ぐらいかなと思いますが、それを補正予算にも計上して対策を取りたいと思います。それから民間で、例えば鉄道会社などでやっぱり点字ブロックをやっていて、それは視覚障がい者にとりまして重要な動線になる、そういうケースも当然あります。それで、そうしたところでもこの一斉点検で出てきた問題意識を、チェックリスト、我々も整備をさせていただきまして、点検していただいて改修していただこうと、それで、それに対して福祉のまちづくり条例でやっているような、そういう補助制度を、この点字ブロックの改修についても新たに創設をさせていただいてはどうだろうかというふうに考えております。それで、当然ながらこれにつきまして今後ですね、よく啓発活動もさせていただきたいと思います。今年度中に不具合箇所を県としては終了して、また、国、市町村、それから民間事業者につきましても改修を呼びかけさせていただきたいと思います。
それから先ほども触れましたが、石破総理含め、小泉[進次郎 農林水産]大臣など、米の増産に転換していくというお話がございます。それで、これについては報道機関のほうでのアンケート調査なども出ていますが、国民のもう3分の2が賛成するような、そういうことでありまして大きな方針転換になるのではないかと思います。それで、県としてもこの生産力増強に向けまして9月補正でも5,000万円計上させていただき、2割以上の増産を見込む、そういうお米農家さんに対しまして、その生産効率化につながる投資支援を行ってまいりたいと思います。
また、他方で飼料高などに苦しんだり、あるいは相場の低迷などに苦しむ農家さんもいらっしゃいます。そこで3,000万円ほどで畜産農家の輸入飼料の高止まり、これに対する支援策を打ったり、また、和子牛の価格に対する安定制度、これのてこ入れを1,000万円ほどさせていただくことにいたしております。
それから21日の日に、岡山県の伊原木[隆太岡山県]知事が委員長をされています知事会の特別委員会として要請活動をすることになります。このたびは我々残念ながら合区による選挙が継続をすることになりましたが、次こそはやはりそれぞれの都道府県がユニットとして代表を選ぶ、そういう選挙に改めるべきだと考えます。それで、これ知事会でも1つの団体を除いて賛同を得るアピールをまとめることができたわけであります。
それで、今回どうだったかということなんですが、鳥取県は、かつてはその全国3位の投票率だったものがいまや41位、今回ですね、そういう結果でした。また、徳島県さんにつきましても3回連続で47位、最下位ということになったり、それで、白票もそういうこうした合区対象県で大きく増えているわけです。それで、この辺を実は最高裁[判所]も見ていて、最高裁の判例が、以前に戻るような判例変更があったと思います。ですから、ぜひ政府、そして国会におきましては、躊躇なく都道府県単位での選挙の復活に向けて動いていただきたいと思います。それで、衆参両院議長だとか、政党関係者などに要請活動を行うことといたしております。
また、8月26日には中四国サミットを行い、経済界と一緒に喫緊の課題を話し合うことにしていますし、9月3日には中国地方知事会議を行います。それで、同様の話合いをするのと併せまして、中国地域広域リージョン連携プラットフォームといったような、中国地域で広域的に連携する新たな団体組織を経済界と一緒に立ち上げることにしてはどうかと、今、調整を急いでいるところでございます。これで観光などそうした共同の事業というものを展開をやりやすくする、そんなことを話し合ってみたいと思います。
また、この投票率の低下に非常に大きく影響したのは、やはり若年層の低投票率です。これ令和6年の衆議院選挙でありますけども、18歳、19歳だと37%という投票率でありました。今回もやはり他年齢と比較すると低いわけです。それで、こういうの、将来的に民主主義の劣化につながると思うんですよね。したがいまして、学校でそうした投票行動、これの大切さ、民主主義というのはみんなが1票、1票で支えてるということを実感してもらう、体感してもらうということが大切でありまして、ちいわか総選挙という模擬投票を行うことにいたしております。それで、その詳細がまとまってきました。小学校では9月、それから中学校では9、10、11[月]の3か月間にわたりまして、小学校6年、中学校3年という年次でこれ行うことにいたそうということであります。
それぞれで社会科、あるいは総合的学習、そうしたことでいろいろと学んでいただき、それでテーマを設定をして、それが政策のアウトプット(学習や経験で得た知識や情報を、行動や成果として表現すること)につながるようにしてっていう、非常に全国的にもユニークなことを考えてみてはどうだろうかと。要は、自分たちの投票が本当に世の中変わるきっかけになったんだなっていうのを知ってもらうということですね。それで、児童生徒がタブレット持っていますね、オンライン投票してもらって、その投票結果を県の施策等に反映するということであります。
それで、小学6年生は、ここでも御披露申し上げました、女性の弥生人が復元されました。その名前をこの投票で決めようということであります。それで、今3人ですね、穂波さん、瑞穂さん、琴海さん、どれもいい名前だと思うんですが、あと潮音さんですね。4人ですね。4つの名前があります。それで、名前の候補、ここまで絞りまして、ここから先は小学校6年生のこの模擬投票で決めてもらおうということです。子供には分かりやすい話かなと思います。
中学校3年生のほうにつきましては、専門家や現場の先生方にも話し合っていただいて、[鳥取]県立美術館、これオープンしたばかりでありますが、この運営の在り方につきまして投票で議論してもらおうと。誰もが安心して楽しめる美術館、あるいは誰もが使える、開かれた場所としての美術館、地域とつながり県全体に広がる美術館、こうした中でどういうところに若い世代が関心持っているか、期待しているか、これを中学3年生には選んでもらって、今後の美術館運営に反映させていこうと、こういうようなことであります。
やはり民主主義の基盤としての選挙ですね、その大切さというのを学齢期からしっかりと学んでもらう。それで、それが実際に社会を動かす、若い方々の意見が反映される、そんな形の総選挙を子供たち、児童生徒の世界でやってみようということであります。
国のほうが方針を変更されまして、かねて鳥取県では社会に飛び出す公務員というものの推奨してきましたけれども、営利活動、利益が出るような、そういう副業も積極的に認めるようにと。このたび国の方針も出てきたところであります。それで、そういうちょっと情勢の変化を踏まえて、従来から例えば本県でも、分かりやすいところでいくと梨農家ですね、梨農家の公務員ってそりゃいらっしゃいます。それで、それは結構優秀な農家で、地元の言わばリーダー役をやっておられる方もいて、そういうのは県では、これまで営利目的の副業、兼業として許可してきたんですね。ですから、従来から、そういう許可というのはなされてきたし、運用してきたんですけども、これは、明確に許可基準を、このたび制定しまして、それで営利を伴うものであっても認めますよというのをはっきりさせていきたいと思います。
ただし、公務に影響してはいけません。職務専念義務なども、当然維持しなければなりません。そういう意味で、原則としては週8時間、あるいは月30時間、1日3時間以内にしなければ許可はしませんというように、一応たがをはめるというのは必要かなと。また、大事なのは、不透明な関係性がこうしたことに持ち込まれないように密接な利害関係が、その働き先との間でなくて、公平公正な公務遂行、これに支障がないというものに限定しますよと。この辺はたがをはめることが必要だろうと。
ただ、他方で、いろんな特技を生かして、自営で副業するということもあってもいいと。例えば、今、学校での部活活動が問題になっていると。あるいは地域で、その特技を生かしてインストラクターをやる、あるいは書道を教える、そんなことはあっていいと思います。こういうものは、こういう週8時間、1日3時間以内であればやってもいいというふうに、こういう意味ではある意味緩めていくのも必要ではないかと。また、営利企業の副業については、我々の方向性としては公益性の高い活動、これを重視して許可制度を運用しましょうというようにしていきたいと思います。
これは、今月中に、そういう許可基準というのを設定させていただいて、職員に周知していくことにいたします。それで、今、こういう営利を目的としない、例えば、ボランティアのマッチングデータベースというのを県では運用しています、職員向けに。それは、こういう副業につきましても、やっていってはどうだろうかと。例えば、一時的に人手を必要とするらっきょうの植付けであるとか、あるいは、NPO法人での経理であるとか、そうしたようなこと、これをマッチングをしていくということですね。現実には、やはり地域での人材が人口減少に伴って、だんだんと厳しくなっているわけです。そういうところを、公務には当然専念してもらいながらも、副業として、県職員、正職員でもざっと3,000人いますから、そうした職員が活用されるというのは大きな意味があるだろうと思います。
それからソフト面でとっとり志縁隊というのを結成して、そういうネットワークを職員の中でつくってもらったり、表彰制度というものを創設をしたり、また、様々な呼びかけだとか、あるいはチャットボット(質問に自動で返答してくれるプログラム)だとか、そうした円滑化の措置も職場内でつくっていきたいと思います。このようなことで、副業チャレンジというものを推進しようと考えております。
8月の27日から都内の大手のいろんな会社、みずほ銀行、清水建設、NTTドコモ、ANA[グループ]、それから日本生命、こうしたところで話がまとまりまして、ちょうど梨の時期なんですけど、それぞれの事業所をリレーしながら物産フェアを行うということになりました。感謝申し上げたいと思いますし、こういうことで多くの方々に鳥取のよさを知っていただければなと思います。27日に、みずほの本店、[東京都千代田区]大手町にありますが、そこで、まずスタートをすることになります。ここで、現地決済型ふるさと納税、これも初めて導入することにしようと考えております。
また、みずほ銀行とは包括連携協定を結ぶことにいたしました。メガバンクとの包括連携は、本県は初めてでありまして、中国地方でもみずほさんパートナーとしては初めてだそうであります。産業振興、観光振興、あるいは金融教育、そうしたことなどいろいろとタイアップできればなと考えております。
また、鳥取大学とは、かねて教員養成を強化していただくことで話合いを進めてまいりました。それを、円滑に具体的に進めるために、9月の1日に連携・協働の協議体をつくることにいたします。これで具体的なプログラム、それに向けた具体的なプログラムを話し合って、この秋以降、一つ一つ実行に移していきたいと考えております。
[東京2025]デフリンピックが徐々に迫ってまいりました。11月に東京で行われるわけでありますが、6月から岩手[県]を皮切りにしまして、こういうキャラバンカーが回っております。我々、47都道府県で総指揮しまして、手話を広める知事の会でもこれを応援、サポートさせていただいております。私もこの盛岡のスタート式には立ち会わせていただきましたが、これは聴覚障がい者のイメージとしては聖火リレーに代わるものなんですね。デフリンピックは聖火がないんだそうです。それに代えてこういうキャラバンカーを全国、東京オリンピックのときのように走らせて、各地でデフスポーツ、あるいは手話の大切さ、これを知っていただくきっかけにしたいと、それで、これが言わばデフリンピックのレジェンドになっていくわけです。本当の意味の共生社会、手話も含めて、そういう姿を目指したいということでありまして、手話言語条例を初めて制定した鳥取県としては大いに賛同するものであります。県内にもいよいよ入ってきます。それで、20日の日に日南町から始まりまして最後は25日、智頭町へと抜けていきます。その期間の間に鳥取市ではバードハットでその中核イベント、デフスポーツ&デフリンピックイベントinとっとりというのを県として開催させていただきたいと思っております。
ここには前島[博之]選手をはじめとして県内のデフ(きこえない・きこえにくい人)の代表選手、それから、おなじみの北澤[豪 元]選手、これは[元]サッカー選手ですけど、このデフスポーツのサポーターをしていただいています。こういう論客というか、方もお招きをしながらデフスポーツを体験していただいたりしようということであります。
また、こういうスポーツ関係ではいよいよジャマイカの代表選手がここ鳥取市にキャンプを張ることになりました。先般もジャマイカデー、8月の6日の日にジャマイカの外務大臣と私も協議をさせていただき、こういうキャンプを行うことについて御賛同をいただいたところであります。それで、9月の1日から入り始めて、これ、五月雨式に来ます。それで11日に抜けていくというイメージであります。それで、場所はヤマタスポーツパーク、布勢の陸上競技場です。これちょっと訂正しなきゃいけないですけど、そこを本拠地として活動していただこうということであります。
今回、今のところ分かっている人、これ、なかなかちょっと正直、前回のキャンプを張ったときも最後まで[ウサイン・セント・レオ・]ボルトが来るかどうかで皆さん関心持っておられましたけど、結局来なかったと、それで、私もあのとき、じゃあまあいいかと言いましたが、そういうことがいろいろと起こるので、確定じゃないかもしれません。今のところこの人は来るだろうというところで分かっているところでは、[キシェーン・]トンプソン選手、これ、今、世界ランク1位です。それから、[シェリー・アン・]フレイザープライス、もう引退するかと思いましたが、ママになっても地元の運動会で走ってネットを騒がせていたあの方であります。それから、[シェリカ・]ジャクソン選手、これも東京銅メダリストのスプリンターでありますけども、こうした方々など総勢80名という規模でやってきます。
そうした方々をぜひまた県民で応援して送り出して本番の9月13日からの世界陸上、ここで何とかメダルをジャマイカにも獲ってもらうということを応援していきたいと思います。これまでの通例もあり、また、ジャマイカとの特別の友好関係もありまして、今回も9月6日に公開練習とサイン会、それから、子供たちの指導を行うような[アスリート]クリニックですね、これをやっていただけることになります。また、9月の7日の日にも公開練習とサイン会があって、そして、ジャマイカフェスを地元としておもてなしも込めてして、ジャマイカに対する理解もこの際広げていければと考えております。
それから、東郷湖羽合臨海公園の海浜部のほうです。旧羽合町のほうの海浜部のほうですが、ここでPark-PFI(Park-Private Finance Initiative:公募設置管理制度)という新しい指定管理の手法を導入することで、それで事業所の選定が、これ、専門家、有識者で決めていただきました。中一&スマイルカンパニー[株式会社]という県内の事業者であります。それで、[令和]27年まで、この秋からという設定なんですけれども、RVパーク(快適に安心して車中泊が出来る場所)、これ、実は試行したことがあります。それの状況も見てということかもしれません。あと、キャンプ場やいろんなサイクルイベント、ここも東西を貫くサイクリングロードの一角にもなります。それから、事業者自体でも星空の観察会、これをやるためにこういうデッキを、星空観察デッキを造ってもいいじゃないかと、これ、事業者が言っていまして、こういうものの先行投資もしていただきながらやることになります。この選定手続として、まずは9月議会で話合い、議会側とも協議をさせていただき、早ければ11月から、こういう新たなPark-PFIという、そういう手法を導入していくことにいたしたいと思います。
それで、同じ東郷湖羽合臨海公園の燕趙園も開設30周年を迎えるので、記念イベントをいろいろとさせていただくことにいたしております。現在、入園料の無料化を試行中でございまして(試行期間:R6年5月16日~7.15、R6年12月1日~R7年1月31日、R7年5月16日~7.15、R7年12月1日~R8年1月31日)、ぜひ、この夏休みの間ですね、来て、また体験していただきたいと思いますが、これを踏まえて今後、また冬にも、もう一度、冬のピークの時期にやらせていただいて、それで試行結果を踏まえた、本当に無料化するかどうか、この辺を有識者も含めて慎重に考えていきたいと思っております。
このお盆時期の観光入込客でありますが、痛しかゆしという感じなのかなと思います。前半の山の日を中心とした前半戦におきましては天候が悪かったので、入り込みが減りました。他方で後半のほう、まさにお盆の頃につきましては、逆に増える傾向でございました。ですから、何もなければもしかすると増えていたのかもしれませんし、重要なのはこの宿泊人数ですね。それで、これは顕著に増えています。ですから、もともと予定が決まっていた人たちはお見えになったのかなというふうに思われます。
(令和6年宿泊者数は)15.9%増ということになりました。また、外国人もいろいろと定期便ができたりして、66.4%の増ということになっておりまして、全体としては観光入込客数は増えています。
それで、(お盆期間について)特にJR[西日本]さんもこのたび発表されましたけれども、スーパーはくとやスーパーいなばは増えたと。他方でやくものほうが減少したということであります。それで恐らく大阪・関西万博の影響というのは若干見られるのかもしれません。もちろん、全部そっくりそのまま来るわけじゃありませんが、現実にも[鳥取]砂丘のスタンプ押せるところにやってきて、喜んで帰るお客さんとていうのは、顕著に見られるようになってきております。少なくとも宣伝効果もあって、どちらかというと東のほうで、そうした入り込みが見られたかもしれませんし、あと、ものすごい暑かったもんですから、また、天候の悪い日もあったもんですから、屋内型の施設は比較的堅調だったです。例えば、[エースパック]なしっこ館のようなところとか、そうしたところは、むしろ対前年比で増えているというような形でございました。
今後、決して悪い方向だけではないのかなと思っていまして、万博以後、どういうような観光展開していくのかというのが、今後の焦点だろうと思っています。その万博ですけども、本日から、私ども、とっとりフェアをさせていただきます。また、万博で1番人気のイタリア館と言われていますが、そのイタリア館との交流も今日させていただく方向になってきました。そんなようなこといろいろと展開する中で、新たにORA外食パビリオンというのは、これ西ゲートの近くのほうにあります。それで日に大体1万人は入るところでありまして、食べ物食べに来る、調達しに来るというお客さんですよね。それで、そういう方々のところで、1階で食パラダイス鳥取県の展開をしようと。
それで、京橋千疋屋でプロデュースしていただきまして、新甘泉だとかいろんな梨、こういうものをあしらいながら、そこに大山乳業のこういうクリームとか、そういうの各層入れた、こういう特製パフェ、これをプロデュースしていただき、これを販売しようとか、それから神戸の人気店、アントルヌーさんですね、ミシュランでありますが、その髙山[英紀]シェフのプロデュースされた鳥取和牛を煮込んだハンバーグという非常に贅沢なハンバーグ弁当、こんなものを売ろうかと。それから結構、県外でも今、人気のTotto PURINとか、それから梨の季節の梨チューハイであるとか、こういうものの販売をしていこうと。それで、こういうのは9月の1日にオープニングをしまして1週間やろうということになります。
それから併せまして、この期間を含めて8月28日~9月の中旬まで、2階においてワイン、これを提供するイベントを行ってはどうかと。これに例えばドライフルーツだとか、そういうものもペアリングをしながら提供していくということであります。2階ではこういうボトルを販売しますが、この期間中にはこういうものをばら売りするというのも、この1階のブースのほうでさせていただこうと思っております。国内外のいろんなお客さんが来る中で、鳥取農産品というものに直接触れていただく機会となればと考えております。
それから、世界湖沼の日というものが制定されました。国[際]連[合]が去年つくったんですね。それで8月27日ということになります。それで、これ運動に関わっていた滋賀県が中心になってやっているわけでありますが、今年はラムサール条約の周年の年、20周年でございます。それで島根県の丸山[達也]知事も交えまして、それから、三日月[大造]滋賀県知事も交えて、このイベントを米子水鳥公園で8月27日に行うことにいたします。ここで20周年ラムサール条約のほうも兼ねまして、それで子供たちの研究発表などもやって、湖沼、湖の大切さ、これを世界つながるネットワークの中で私たちもアピールしてまいりたいと考えております。
それからちょっと気になるデータがあります。それは新型コロナがこういう形で、今、鎌首をもたげて流行の方向に入ってきています。特に心配されるのはお盆で人が動きましたので、大体そのお盆の後また、これがもっと上がっていくのではないかと考えられます。また、百日咳につきましても流行が継続しておりまして、ぜひ御注意をいただきたいと思います。それから熱や風邪のような症状があるときには事前にお電話でかかりつけ医の方と連絡をしていただいて、適切な検査や処置をしていただく、これをお勧めを申し上げたいと思います。
それで、県内ではこの新型コロナでありますけれども、おおむね上がる傾向が顕著でありまして、それで、その際、これが実は新型コロナゲノム解析です。それで、ここで青いのがこれニンバスと言われる、今、全国で流行が急増しているところでありますが、本県は一気にこのニンバスに塗り替わりつつあります。ですから、そうしたことに注意していただく必要あるかなと思います。ニンバスという新しい株は喉に強い痛みがあります。
それで、これ私もちょっと身内で医者しているのがいるんですけども、それも東京で随分これが、ニンバスがはやっていると、ですから、大きな症状、例えば熱がないとか、そういうことがあっても大体喉を見ると喉にニンバスと書いてあると、それぐらい喉の炎症が顕著な、そういう株だと言われています。もちろん個人差がありますので、風邪状の症状があったらかかりつけのお医者さんに御相談いただければと思いますし、マスク、あるいはうがい、手洗い、これは有効でありますので、特にお子さん、夏休みはまだ続いていますが、そういうときにいろいろと御注意いただきながら楽しい夏休みにしていただければと思います。
いよいよ鳥取もカニの季節に入ります。9月1日からベニズワイガニ漁が始まります。9月6日または8日に初競りという予定になってきました。また、沖合い底びき漁業、これでノドグロとかハタハタとかカレイとか、そういう鳥取県らしい魚種が上がるようになります。
これらの新しい水産の季節であるとともに、梨の季節が一足先にやってまいります。それで、今、なつひめ、平均糖度11.8度で非常に高い、甘いものになりました。そして、ちょっと小玉傾向なことは正直あります。それで、新甘泉も同様でありまして、なつひめは19日から、新甘泉は21日、あさってからですかね、これを提供するということになりますが、どちらも小玉傾向ですけど、糖度は乗っているという形であります。
それで、ここに先ほど申しましたけど、今、だんだんと小玉傾向解消に向けた動きかなという玉太り傾向も見られていますので、ちょっと今後に注目していきたいと思うんですが、そして、二十世紀梨、我々の主力でありますけど、これもいよいよ今月下旬から大阪、東京の市場で上場されてくるということになります。やや遅い成育ではありますが、今月22日に査定会を行いまして、生育状況がはっきりするかなと思っております。この梨をぜひ全国の方にも味わっていただきたい、そういう意味で初販のセレモニーをするのと併せまして、今日から始まりますとっとりフェス、大阪・関西万博の会場でクレーンゲームをやることにいたしております。それで、今、出回り始めたもの、早速、なつひめが今日からこのクレーンで取れるようになります。そして、22日からは新甘泉、これが取れるようになります。ぜひ楽しみながらこの梨、しっかりと梨づかみしていただきたいというふうに思います。私のほうからは以上であります。
○日本海新聞 清水 友揮 記者
ありがとうございました。それでは質疑応答に移りたいと思いますので、質問のある方は挙手の上、氏名と社名を名のってお願いいたします。
○NHK 渡利 道雄 記者
入っていますか。すみません。NHKの渡利といいます。一番最初のスライドの日米の関税措置に対する県の支援というところで伺いたいんですけれども、まず、この支援に対して県としての意気込み、あと、県内の事業所の方々に対しての何か発信事項などありましたら、まず伺ってよろしいでしょうか。
●知事
このアメリカとの関税交渉は、石破[茂内閣]総理[大臣]、赤沢[亮正経済再生担当]大臣のラインでしっかりとまとめていただいたと思います。ただ、それでもやはり県内経済、雇用への影響というものは一定程度あると考えられますし、現在足元でもそうした企業さんの声が聞かれ始めています。それで、国の対策は少し時間がかかるのではないかと思われます。現在のところは相談窓口とか、既存の融資という形でありますけども、鳥取県としてやはり国の措置に先行しながらセーフティーネットを張らせていただきたいと思います。
1つには融資制度、それから2つ目には補助金であるとか、販路開拓であるとか、そうした様々支援を組み合わせてやってまいりたいと思います。それで、投資の促進もこの機会にさせていただきまして、こういうのは恐らくこれからの国際経済のトレンドになるかもしれません。今までの自由貿易主義一辺倒から今、移り始めていく兆しかもしれません。それで、そういう中で、賢くこの荒波を乗り越えていけるサポート役を鳥取県として果たしてまいりたいと思います。
具体的に議会で議論していただいた後、早速発動いたしますが、商工団体、あるいは県の窓口など、今も開設しておりますので、いろいろと御相談いただければありがたいと思います。
○NHK 渡利 道雄 記者
その関税措置に対して追加で伺いたいんですけれども、ちょっと内容のところで、すみません。私が不勉強で教えていただきたいんですが、総額200億円規模というのは、この資料の1の関税対策資金調達・円滑化、それが合計で200億円規模に増額というか、倍額になっているんですか。
●知事
そうです。このパッケージと書いてあるところで、ここで主なもの5,200万[円]、3,300万[円]、1億円というので、大体2億円規模ということです。このほかにも例えば、酒造メーカー向けの支援であるとか若干ございます。ただ、2億円弱ぐらいの規模かと思いますけれども、一定程度、先行で措置させていただきたいと思います。それで、我々としては政府に要求していますけれども、やはり関税に対する影響というのは全国、業種によっては避けられないと思います。そういう意味で国のほうの措置をすべきだと考えており、国のほうが例えば予備費であるとか、それから補正予算であるとか、そうした手段を使って拡大していくということになれば、それは我々のほうでも当然使わせていただいたり、追加で計上していくということも考えていきたいと思います。
ただ、現状のままだと、関税が始まったわけですね。始まったけれども、国のほうの目立った支援策というのはまだ実現していないという段階でありますので、そこはやはり地域としてセーフティーネットを先行して張っていきたいと思います。
○NHK 渡利 道雄 記者
すみません。もう1つだけ。県職員の副業について伺いたいんですけれども、これ、もし分かればでいいんですが、現時点でこの県職員のこの副業をされている方というのは、職員全体の何割程度なんでしょうか。
●知事
副業の中でも、例えば、ボランティア的なそういう副業というか、兼業についてはかなり、例えば、消防団であるとか、いろいろ地域活動などございますが、こういう営利系のものというのは、正直あまり数はいません。ただ、先ほど申しましたように、例えば、農業など分かりやすい例でありますが、そうしたことは今までも認めてきました。それで、背景としては、全国でそういう地域に飛び出す公務員を応援しようというネットワークがありまして、本県も一時期会長を務めるぐらい、それにコミット(積極的に関与)させていただいております。ですから、我々としてそういう地域に飛び出す公務員の応援はしてきたので、これまでも認めてきているんですけれども、国のほうでこのたびこうした営利目的であっても副業を積極的に認める制度緩和がなされているんですね。それで、これを受けて私どもとしても、既に枠組みはつくってあるんですが、これ人事委員会の規則で。枠組みはつくってあるんですけども、こういうように許可基準を明確に職員の皆様にお見せすることによりまして、これなら私はこれをやってみようというふうに向かっていただけるような促進剤といたしたいと考えております。そういう意味で、後で、じゃあ、実数のほうは担当部局から数、出させていただきますけれども、一定数は今もいますけれども、やはりこういうちょっと利益を伴うものっていうのは正直、私も公務員から出てきたものですけど、ちょっと抵抗はありますよね。そういうもののこういうものはいいですよっていうのをはっきりさせていけば、今はそんなに多くないところも、これも増えていくんじゃないかなということです。
○NHK 渡利 道雄 記者
この副業チャレンジ制度を通じて県職員の方たちにも、こういった民間の感覚とか、そういったものを養ってもらいたいという狙いはあったりするんでしょうか。
●知事
正直申し上げて、例えば地域活動に関わっていただく、あるいは企業に対するアドバイザーみたいなこともあるかもしれません。それで、そうしたことは我々の大きな県庁全体の行政の高度化、現場主義の実践には役立つだろうというふうに考えております。また、私どもは決して、私もよく言うんですけども、県庁職員が城の中に籠っているよりも打って出たほうがいいと。それで、結局外界と隔絶されてコミュニケーションが取りづらくなるっていうことはむしろ避けるべきであって、信頼関係をつくっていく、そういう意味でこういう副業によって地域とつながるチャンスになるというふうに考えております。そういうふうな認識の上に今回こういうチャレンジ推進という旗印をもう一度高く掲げてみようということにいたしました。
○NHK 渡利 道雄 記者
ありがとうございました。
○読売新聞 山内 浩平 記者
読売新聞の山内です。関連して副業の件で伺いたいと思います。今回の推進していくに当たって、例えば県庁職員のさっきの数値の話もありましたけれども、どのくらい何か目標数値みたいなのがあるのかっていう点と、最終的に地域の課題の解決とかにつながることが狙いかとは思うんですけれども、知事のお考えの中で、この副業の取組を通じてどのような地域になっていくのかっていうのをちょっと改めて教えていただけますでしょうか。
●知事
私自身この鳥取県政の理念、18年前から取り組んでいますが、パートナー県政という在り方を模索しています。自立と連携という考え方であるんですけども、それぞれ民間の皆さん、企業だとか、あるいは地域団体、自立して運営していく、ただ、それが行政も含めて連携していくと。それでそのようなことでうまいネットワークが組めれば、全国やっぱり人口集中地域のほうがいろいろと有利です。例えば人材の面だとか、それから資金の面だとか、そういうようなことに対抗していくためには、そういうネットワークの強化、自立と連携の強化ということでパートナーシップを広げていく、それが恐らく地域の発展の鍵だと思っています。それから
18年間経てきましたけれども、今、人口減少によりまして例えば地域活動の継続などもなかなか地元の高齢化した中では難しくなってきたり、顕著になってきたと思います。そういう意味で県庁というのは人材バンクの一面もあるでありましょうから、そういう県庁の扉を開くことによりまして、そうした地域活動も推進をされることになればというふうに考えております。
ただ、正直、公務自体が我々の目的でありますので、公務遂行に支障がない範囲で何ができるかというのを職員の方にも1度考えていただいて、それを応援をするというスタンスで県庁のほうも人事政策上、臨みますので安心して取り組んでいただく。これで、恐らく今までの公務員像が変わってくる、そういう黎明期に入るかもしれません。それで、そんなようなことで人材の流動化を図りながら、地域の生き残り戦略を構築していくと、これが今回のこの制度化の目標でございます。
ただ、そういうのはまだ始まったばかりで正直、例えば、これで2割も3割もっていうレベルではなかなかならないと思いますので、まずはスタートをすることで具体的な数値目標までは現在、設定しておりません。ただ、当然これを増やしていくことを目標としたいと思いますし、そうした活動を皆さんがやりやすくするための県庁内の支援体というようなネットワーク組織、こういうものもつくっていって加速度的に強化していければと思っております。
○読売新聞 山内 浩平 記者
ありがとうございます。続いて7枚目のスライドの観光の件、伺いたいと思います。令和6年は上回ったということで、国際定期便だったりとか、ねんりんピックの開催だったりが大きかったと思うんですけども、改めてこの増えたということに対して知事の受け止め、それから今年のお盆のお話しありましたけれども、現状の手応えですね、万博を含めて県内への入り込みの手応え、伺えますでしょう。
●知事
昨年度の集計が出て、その傾向自体は止まってないんだろうなというふうに、今回のお盆も分析をさせていただいております。ただ、どうしてもやっぱり天候の影響とかそういうものがあったりしますし、このお盆の間も宿泊客数、これは顕著に伸びた格好というか、堅持された格好、伸びた格好になっています。入込客は確かにだごへごあるんですけども、ただ、そういう意味でやっぱり旅先に選んでいただけるというところは定着しつつあるかなと思っています。
それで万博で、ある意味我々も、特に我々のメインターゲットは関西なんですけども、関西を中心として鳥取の認知度が高まったり、魅力の発信はできたかなと思っておりまして、この後、万博の後ですね、どういうふうにそれをさらに向上していくのか、今はどっちかというと万博にたまっている人たちがいると思うんですが、この圧力が今度解放されます。その解放される先に鳥取県というものも選んでいただけるようにできるかどうか、こういうアフター万博が今後の鍵かなというふうに分析をいたしております。
連休、前半と後半で大分客足の状況に顕著な差がありました。だから、やっぱり天候が影響したことは恐らく否めないのでありますが、万博が邪魔したとも言い切れないところもありまして、地域によってですね。そのようなことで、特に今回のお盆の分析もしながら今後の方策を考えて、発信力を維持してまいりたいと思っています。
○読売新聞 山内 浩平 記者
ありがとうございました。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
山陰中央新報の岸本です。よろしくお願いします。冒頭の知事の発言でもありました国の米の政策について伺いたいと思います。石破首相は米の増産に転換するということを表明されました。一方で、農家の方からはこの値崩れを懸念する声もあります。国のこの増産への方針転換についての知事の受け止めと、あと、国に対してどのような対策をしてほしいのかというところを教えてください。
●知事
まず、国の方針転換については、私は評価しております。それは県内の農家さんもそうでありますけども、作れる米を作れないことに対しては疑問の声もありました。それで問題は価格なんですよね。それで、この辺はフェアプライスという言葉を使いますが、生産コストに見合った、そういう価格が維持されるかどうかということだと思います。今、農家さんは、実は米価が上がって、それによって例えば投資に回すとか、一息つけるという状況だという声は聞こえてきます。ただ、じゃあ、増産だと言われてすぐに増産できるかどうかというと、人手不足の問題だとか、様々課題がございまして、そう簡単ではないわけですね。
ですから、政府には、その増産とおっしゃるのであれば増産に向かえるような環境づくり、これをぜひ積極的に打ち出していただきたいと思います。それで、本県はちょっと先行してその増産対策を9月補正出させていただきたいと思いますけれども、そういうことがまず1つ重要な点かなと思います。それで、値崩れするかどうかは、これはやはり今、米価に対して国がコミット[積極的に関与]し始めて一定程度下がってきたことに見られますように、やはり放置しない手だてを国として今後模索をして米価を先ほど申し上げた、できればフェアプライス水準に導いていただく、これが大事ではないかなと思います。
それで、そのためには今、備蓄米を放出するとか、そういうことをされました。それで、農家のほうで御不安があるような、じゃあ、値崩れにつながるかどうかということなんですけども、今、実は早場米が出始めているんですよね。それで、早場米が出始めて、それで、市場価格が動き始めています。それで、今、国全体の統計では、まだ若干上昇傾向になったというんですね。それで、その原因はやはり新米が出始めていて、新米の銘柄米が割と高値でやっぱり取引されてるという実状です。ですから、そういう意味でそう簡単にむしろ米価が下がる一辺倒ではないんではないかというのが米業界の今、感覚になってきているんですよね。
ですから、そんなようなことでありまして、一斉に値崩れするかというと、もともとこのたび農林[水産]省が明らかにされましたけども、実は生産量が足りていないという現実があったんじゃないかという指摘があって、生産量を元へ戻しながら、例えば海外からのインバウンド客需要だとか、そうしたものも含めてやっていく。あるいは何だったら輸出ということも考えていく。それで、こういうようなことを組み合わせていくことで値崩れという事態は予定調和的に動いていく可能性というのは十分あるだろうと思います。ただ、そのためには国が米価政策をコミットしてもらってしっかりとやっていくと。これも大切なポイントではないかと思います。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。あともう1点、本日、自民党の総裁選の前倒しを巡った総裁選の選挙管理委員会の会合が今、ちょっと行われているかどうかというところではございますけども、この総裁選前倒しの議論が今日、本格化するというところで、自民党内では石破首相に対して厳しい声もありながら、ただ、一方で報道機関の世論調査では辞任すべきではないとかいう声も半数以上見られるような結果もございました。この自民党内の石破降ろしの動きと世論の動向について、どのように受け止められているのかというところと、この世論調査や内閣支持率がこう上がっている背景にはどのようなことが考えられるかというところを教えてください。
●知事
この辺は今後、いろんな政治プロセスの中で様々出てくることでありましょう。それで、我々としては、やはりこれは民主主義のメカニズムでありますので、現在、党則にのっとって行われていることについてはそれを見守るという立場だと思います。それで、現在、総裁選をどうするかの議論がなされているわけでありますが、総理自身も前回の両院議員総会の後、ぶら下がりでおっしゃっていましたけれども、党則にのっとって考えていくというふうに発言されました。ですから、そうした党則にのっとって総裁選というプロセスをどう考えるか、この議論がなされることは、適正なプロセスの進展を見守っていくということになるのではないかなというふうに思っております。
それで、現在の政治情勢をどう見るかということなんですが、これはいろんな見方があると思います。今の状況は、いわゆる一つの言葉で言えば首相プレミアム(内閣支持率から与党第1党の支持率を引いたもの)的な状況が生まれていると考えられるのではないかと思います。それは、今、自民党の支持率よりも総理の支持率の方が高いということであります。そういう意味で、全国民は、だから、自民党の在り方に対して懸念しているということがあって、こういう首相プレミアムという状況が生まれている可能性があるのではないか。
また、今後の政治展開に国民の皆さんも気をもんで見ておられて、それで何か極端な方向に走らない、そういう政治というものを望んでいるのではないかと思われます。今回の参議院選挙の結果ですね。衆議院選挙以上に明らかになったのは、私は多党化がこの国でも始まったということだと思います。今までは、どちらかというと保守陣営のほうが一党化されていて、それで革新系のほうが多党化するという状況がありました。その意味で大きな党が保守陣営で生まれて、保守中道政権というのが長く成立をしてきた歴史があると思います。もちろん政権交代はありましたけれども、2度ほどですね。
ただ、そういうことが起きているのではないか。そういう中で保守が割れ始めていると。だから、保守系も革新系も両方が多党化しつつあると。その現実の中で、新しいやはり政治プロセスをつくらなきゃいけないわけですよね。これは連立の組替えであるとか、あるいはちょっと乱暴かもしれませんが、例えば、政界再編であるだとか、そうしたことを考えてでも、新しい政治の在り方をつくるべきプロセスに入っているんだろうと思います。
現在、参議院選挙が終わった後ですけど、そこで現れた民意というのは、私は民主主義の王道に従って、国政に反映されるべきものだろうと思います。ただ、その際に国民は決して混乱や停滞を望んでいたわけではなくて、賢明な政治家がそれぞれの党の立場を乗り越えて話し合って、多党化現象の中で、新しいその政権の枠組みというのをつくりながら、安定的に、今の特に国外でのいろんな危機があったり、それから国内でも物価高、あるいは賃金アップをどうするか、それから東京一極集中を始めた社会問題、そういうものにどう対処するか、一刻の猶予もならないということも国民はよくわかっているわけですね。それをいち早く解決していただきたいと。
決して多党化して政治が動かなくなる状況を望んでいるわけではないわけであります。そういうことを本来、政治全体で各党の皆さんに、与党、野党ということではなくて、考えていただくべきかなと思います。多党化して、全てが言わばゆ党になっているというのが現状なのではないかなと思いまして、そういう新しいプロセスを国民も実は求めているのかなというふうに私は見ています。ですから、首相プレミアムみたいな非常に特異な現象が現在起きていて、それぞれの個別の党に対する信任は落ちている面が一部の党であって、ですが、そのほかの党は伸びていますけど、決して自民党を他の党が抜いているわけではないですよね。
そういう意味で、やっぱりドングリの背比べになりつつあると。それでちょっと抜けているのが自民党ということかもしれません。それで、ただ、この状況というものの中で、新しい政治プロセスを、石破[茂内閣]総理[大臣]なら与党、野党に通じた話合いの中である程度やってもらえるのではないかと、こんな期待がひょっとすると首相プレミアムにつながっているのかもしれません。まだ正直分かりませんし、政治のダイナリズムの中で具体的なソリューション[解決]は生み出さなければいけませんが、あってほしくないのは単に放置をして政争に明け暮れる日本政治であります。それで、私ども地元としては、石破総理の去就については石破総理の口でおっしゃるまではお支えをするというのが地元の立場かなと思っております。
○山陰中央新報 岸本 久瑠人 記者
ありがとうございます。
○山陰放送 日野 彰紀 記者
BSSの日野です。合区解消について伺いたいと思います。この中では憲法改正等の抜本的な対応を求めるということ、とすると単純にその都道府県に1議席ずつ割り振るとか、あるいは人口比によるものではないその配分の仕方というものを考えなきゃいけないと思いますけれども、平井知事として具体的にこういう像、参議院の新しい像というのは考えていらっしゃるんでしょうか。
●知事
これは仲間のみんなで、知事で話し合って、書き方としては憲法改正ということも視野に入れながらと言いますけれども、ただ、片方で公[職]選[挙]法改正など現実可能な手段というものを否定しているわけでもありません。先ほど申しましたように、実は判例が変わっていて最高裁[判所]のスタンスが変わっていると思います。それで、それによって従来の昭和58年大法廷判決以来、踏襲されてきた都道府県代表という考え方についても一定の配慮はなされていいというところに回帰してきているというふうに思います。ですから、現行の公選法改正でやったところで果たして違憲判決が出るかというと、必ずしもストレートに出るような論理構造にはなってないんではないかと思います。
だから、そういう意味で憲法改正が必須ではないけども、本来は憲法を変えてでもこの国の在り方を議論してもらいたい。これは、我々知事仲間の間で共通して出されたことだと思います。1つの理想像を言えば、ドイツにおいては、参議院は地方の府とされています。それで、そこでは州、ラントという州があるんですけども、そのラントの代表者が議席を持つような形で国政に二院制の二院部分として関与するんですね。例えばそれは1つの究極の理想像かもしれませんが、そういうような形で仮に例えば都道府県代表ということとリンクした制度であるならば、都道府県代表を維持しながら、それで、それによって地方の府としての参議院の在り方を強化していただくと。これは、あっていいんではないかなと思います。
衆[議院]と参[議院]と、これはカーボンコピー[丸写し]ではない。もともとは、参は良識の府と言われて戦後直後の頃は緑風会という独自の会派を多数持っていました。それで、その後政党化されていくわけですね。それによって衆と参とが実は政党というチャネルでリンクされてしまったと。それで、じゃあ、ほんとに二院いるのっていうことに今なりかけてきたと思います。もともと憲法で両院制を採用したのは慎重に様々な多様な民意、それから国内のいろんな事情を入れながら国会として法改正、あるいは予算編成という意思決定をしてもらうというそういう憲法論だと思います。それであれば同じようなことになるのではなくて、違ったその民意の集め方を参議院がやるというのは十分合理性が憲法論としてもあるだろうと思います。
それが例えば憲法第14条にいう法の下の平等に反しない範囲内であれば、それは可能なはずでありまして一定の節度の中で都道府県代表を認め、その都道府県代表があるのであればその都道府県とか地域の意見を聞くようなことを衆議院以上に参議院が積極的にやると。例えば法案づくりのサインですね、事前に我々と協議する知事会だとか、地方六団体と協議するっていうことを言わば通常プロセスに入れてもらうとか、そういうことってあると思います。
それで、そういうような意味でこの合区論のこの合区解消に向けて、そうした本来の参議院のあるべき姿、その構築もぜひ併せて議論していただければと思っています。
○日本海新聞 中村 宏 記者
日本海新聞の中村と申します。最低賃金についてお伺いしたいと思います。今回地方審議会の答申で1,030円という額が示されましたけども、これは労働者にとっては喜ばしいことかと思うんですが、一方で事業者にとっては賃上げ圧力によって採用を控えるというような現象も見られております。ただ、今回上昇したとは言っても全国平均との差はまだ、開いている状態ですけども、今回のこの最低賃金の上昇ですね、これは県の経済にどういった影響を及ぼすかという見通しを教えていただけたらと思います。
●知事
この1,030円に至るまで、その地方審議会の中では非常に緊迫した議論があったと伺っています。本来労働側のほうで追求していたもっと上の水準であったと聞いています。しかし、経営者側としてそこまではなかなか積めないと。そういう中で1,030円のレベルというもので審議会が答申を出したということになりました。ですから、ここに持っていくにはやはり環境づくりが重要なわけであります。
県経済に与える影響ということでは恐らく2つの大きなシナリオがあって、1つのシナリオは、今、政府のほうが主導されているように新しい資本主義社会、そういう経済社会を構築していくと。それで、賃上げと併せて、例えば物価も上がっていく。かつてはデフレ傾向だったものをインフレ目標のような形のお話が出始めました。そうやってだんだんと経済のパイが膨らんでいく、そういうことに伴って投資も出ていく、こういうことが模索をされ始めなければいけないだろうと思うんですね。
それで、そういう意味で投資やあるいはその雇用を促進するような促進策も政府で考えていただく、もちろん我々もここに掲げているように1億円、今回増やすとか、こういうことをやらせていただきますけども、そうした様々な促進策も含めて賃上げと一緒に例えば、経済のパイがだんだんと膨らんでいくような形になれば、これは経済の循環が生まれるわけです。それで、豊かな生活が実際賃上げというものを1つの基軸にしながら起きていって、それが持続可能な形、サステーナブルな形で今後継続していくことになる、これが新しい経済社会の在り方であろうかと思います。このシナリオが1つ、重要なシナリオとしてあってここを追及すべきだと思います。
ただ、もう1つのシナリオとしては、ここを上げるためには会社のほうがとてもついていけない、そういうことで事業を継続できなくなる、それによって逆に雇用が生まれなくなる、悪化してしまうということになってくる、そういう極端な悪循環に陥る可能性もないわけではないと。それで、その2つ目のシナリオはぜひとも避けるべきでありまして、そういう意味で我々県としても、今回その賃金増に向けた環境整備に県としても協力していきたいと考えております。
○日本海新聞 清水 友揮 記者
ほかに質問はございませんでしょうか。では、質問も尽きたようですのでこれにて定例会見終わりたいと思います。ありがとうございました。
●知事
ありがとうございました。