定置網漁業とは、一定の水面に漁具を定置して営む漁業をいう。一般に、海岸から沖合へ向けて垣網と呼ぶ一枚の網を張りだして海を垂直に遮断し、魚の通路を断ち切って、この網に当たった魚を沖合へ向けて誘導し、垣網の先端に設けてある嚢網へ陥れるような構造をしている。このように魚群の来遊に適した一定の場所に相当期間にわたって敷設される。
 本県では、定置漁業権(水深27メートル以上)による定置網漁業が浦富及び御来屋地先で、また、知事許可に基づく小型定置網漁業(水深27メートル以浅)が浦富、夏泊及び淀江地先で営まれている。中海には、ます網がある。以下は御来屋地区の事例を示す。

  • 漁期 4月から1月 ただし、台風シーズンの8月下旬~9月下旬は休漁
  • 漁獲物 マアジ、サワラ、ヒラマサ、イカ類、マダイなど
  • 漁場 御来屋地先 水深27メートル以上の海域
  • 漁具の構造 漁具は垣網と身網からなり、身網は箱網、囲網、昇網及びかえし網からなっている。
  • 漁法 6トンの本船と1トン未満の船外機船で7人が従事する。早朝に出港して操業する。時期によっては午後も操業する。漁場に着くと箱網上部に船を持っていき、箱網の沈子を船内に取り込むまで揚網を続ける。船外機船は、本船の取りついた箱網の反対側にある浮子方を船内に取り込み、本船が揚網しながら接近してくるのを待っている。揚網が終わると、魚捕部分にたまった魚をたも網ですくい本船の魚倉に入れ込む。魚をすべて取り上げると、箱網を再び敷設して操業を終了する。漁期の途中で漁具を陸揚げして付着物を落とす作業を行う。これは漁具が汚れると漁獲が減少したり、潮流の影響を受けやすくなり揚網が不可能になるためである。
  

定置網の模型写真

操業風景

出港の様子


定置網に到著
定置網に到着時の写真

網揚げ
網揚げ時の写真

金庫網
最終の網を小さく絞り込む

取り揚げ
魚の取り揚げ

帰港後
帰港後の水揚げ写真

選別作業
魚の選別作業写真

販売
直売所に並ぶマアジ

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