地域の方から
保育園、そして私にとっての療育園
ひかり保育園 山岡紀子
私が療育園の存在を意識したのは今から20数年も前の事。当時は子どもを真ん中にして、その向こう側に療育園の存在を感じていました。生まれながらに身体に不自由さのある子どもや、ある日突然、不慮の事故で身体に不自由さのある子どもたちとの出会いがあり、療育の話を聞く機会があったからです。
そんな私は、以前は今ほど療育園を身近に感じてはいませんでした。その意識が大きく変わったのは今から4年ほど前のある子どもとの出会いでした。保育園の大きな使命は元気に登園してきた子どもを、迎えに来られた保護者の元へ元気な姿でお返しする事。その子どもの健康面に於いて「もしも・・。」と、不安を感じる事があった私はある日、療育園の先生にその気持ちをお伝えしました。すると、何と療育園の園長自らが保育園まで来て下さったのです。ありがたいやら恐縮するやら、その時の気持ちは今でも忘れられません。狭い事務室の一角で、「こんな場合はどう対応すれば良いでしょう?」と、次々に疑問を投げかける私に終始笑顔を絶やさず穏やかに、しかし、真剣な眼差しで応えて下さる園長でした。たくさんの不安と一緒にお迎えした私は、玄関でお見送りする頃には肩の力が抜け、「一人じゃない。」と実感できていました。そして、それまでは『子どもの向こう』にあった療育園を『保育園の隣』にある、と実感してもいました。それから2年。いつも傍に療育園の存在を感じながら、つつがなく迎えた卒園式の日の感動は今でも忘れられません。
今年度、園を変わり、再び療育を頑張る子どもとの出会いがありました。今もやはり療育園は『保育園の隣』にあります。療育園は子どもや保護者、そして保育園職員にとって心の基地・・。改めてそんなことを思い、感謝の気持ちをお伝えしますと共に開設40周年を迎えられた事を心よりお祝い申し上げます。