周りの応援で続けられた
鳥取県内初の女性消防士として2005年に採用された。現在、管轄区域からの119番通報を受け付け、出場車両を選定し、迅速な指令を担う、24時間勤務の交代制の業務に就く。
父親が地域の消防団に所属していたこともあり、消防士は物心ついた時から憧れの対象だった。「人のためになる仕事をしたい」という強い思いで選んだ職業だった。
家庭では3人の男の子を子育て中。「祖父母も含めて周囲の方の協力のおかげ」と仕事と家庭の両立ができる環境に感謝する。長男の育休明けで24時間勤務の消防署に復帰した際、それまでなかった夜泣きが始まった。「今思えば自分も仕事でいっぱいいっぱいで、ずっと一緒にいた環境が変わり、長男も寂しかったんでしょうね」と振り返る。次男、三男と兄弟も増え、今では子どもたちに笑顔で見送られている。
当初は「男性と変わらずやる」と肩に力が入っていたが、どうしても体力面などで対等にこなすのが難しい部分もある。「命に関わる仕事。役割を考え、自分のできることをやっていこう」と気持ちを切り替えると自然と楽になった。
結婚し、出産しても働きやすく、後輩が後に続きやすい環境を意識してきた。周りの気遣いや応援もあり、大好きな仕事が続けられたという。男性の職場というイメージが強いが、災害現場以外での業務もあり、家庭環境に合わせて仕事ができる。「休みもしっかり確保でき、女性だけでなく男性も子育てに参加しやすい環境」と話す。やりがいのある仕事と子どもたちの笑顔で充実した日々を送る。
【写真説明】仕事と家庭を両立できる環境に感謝し、充実した日々を送る徳丸さん
[平成31年3月10日(日)日本海新聞掲載]