県政トピックス/最終処分場、理解へ努力続ける

シリーズ 産廃処分場について考える3

地下水調査で不安に向き合う ~最終処分場、理解へ努力続ける~

 公益財団法人鳥取県環境管理事業センターが米子市淀江町に設置を計画している「管理型最終処分場」。約2年半に及んだ条例(鳥取県廃棄物処理施設の設置に係る手続の適正化及び紛争の予防、調整等に関する条例)手続きは昨年5月、終結。県は、処分場設置に不安のある住民に向き合うため、計画地に係る地下水の流向や水質などの調査を行うこととしました。
  条例手続きは、センターが事業計画書を県に提出した2016(平成28)年11月に開始。法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に基づく設置許可申請前に、周辺住民の理解を促すとの条例の目的に沿ってセンターは、計画の事前公開や説明会を行い、住民からの意見には書面で見解を提示。結果、地元関係6自治会のうち4自治会からはおおむね理解を得られました。2自治会の住民の中には理解が得られない事項もあったため、2017(平成29)年、2自治会他一部の住民とセンターから県に「意見調整申出書」が提出。県は9回に及ぶ会議で住民とセンターの合意形成に努めたものの、折り合いは付きませんでした。これを受け、鳥取県廃棄物審議会(条例により設置された審議会で、住民への周知や意見調整を行った結果の状況などについて審議する。)は県に、センターの対応を十分としつつも「意見の乖離(かいり)から住民の理解を得ることは困難、意見調整の終結事由に該当」と意見。一連の手続きは昨年5月、終結しました。
  今回、合意に至らなかった大きなポイントは、処分場が地下水に影響を及ぼすのではないかという住民の不安。計画地周辺の地下水流向や水質などの調査はセンターが既に実施し、影響はないとの結果は示されていますが、この点はこれまで県議会でも大いに議論されているところ。11月定例県議会に、県として地下水の流向や水質などの調査を実施する予算を提案し、議員の賛同を得て全会一致で承認されました。
  この調査は、学術的・中立的に実施されなければなりません。そのため、これまで本件に関わったことのない、地下水、地層・地質の調査・分析に日本でも権威のある有識者による「鳥取県淀江産業廃棄物処理施設計画地地下水等調査会」を設置。同調査会が示す方法で調査を実施し、その結果を調査会が公平中立的に検証することとしています。

建設が計画されている産廃処理施設の概要

  埋め立て面積 約21,500平方メートル
  埋め立て容量 約25万7千立方メートル
  計画期間 埋め立て約37年・維持管理約10年
遮水構造図と完成予想イラスト

〈汚染防止対策〉
  埋め立て底面と法面には、国の基準以上の多重遮水に加え、万が一に備えて破損箇所を速やかに検知する電気的漏えい検知システムを設置。さらに、処分場周辺の地下水モニタリングで安全を確認。

【遮水構造】

【電気的漏えい検知システム】
検知システムの仕組みの略図

〈水処理システム〉
  ゲリラ豪雨時も適切に処理できる施設を整備。浄水処理の中でも最も除去・分離能力が高く、海水から飲料水を作る方法としても利用されている「逆浸透膜」処理を行います。
水処理の流れ図

条例手続き終結までの経緯

2016年
  ○(公財)鳥取県環境管理事業センターが産廃処分場の事業計画書・周知計画書を県に提出(条例手続き開始)
2017年
  ○センターが住民説明会を開催
  ○計画地周辺住民からの意見書に対し、センターが見解書をもって回答
  ○廃棄物審議会が合意形成状況を審議し、県に意見 「事業者から住民への周知は十分だが、一部の住民の理解が得られていない」
  ○計画地周辺住民が県に意見調整申出書を提出
2018年
  ○県が両者の意見を調整(2018から2019年)
2019年
  ○廃棄物審議会の審議の結果、「合意困難につき終結が妥当」と判断
  ○県が条例手続きの終結を決定

定例県議会でも議論重ねる

  2019年11月定例県議会で交わされた議論の一部を紹介。議事録はウェブページで確認できます。
http://www.db-search.com/tottori/index.php/


地下水に対する住民の不安
  住民の皆さまにもきちんとした判断材料を提供するために、県が有識者で構成される地下水等調査会を設置し、中立的かつ公平公正に、地下水の流向や水質などの調査を行います。

地下水や地質などの調査
  調査手法や範囲、期間などについては、調査の中立性・専門性を確保するため、調査会に委ねます。調査会の運営には地下水や環境への影響に関する土木・衛生関係の技師などで構成する事務局を設置しました。

調査会の委員選定
  環境省ガイドラインなどの地下水流向の推定方法に基づく調査解析を行うことができる、4つの専門分野(水文学(すいもんがく)、水理地質など)の学識者5人を選定しました。

調査会の議事運営
  調査会で用いる資料は委員の考えを聞きながら、新たにボーリングや踏査などを行って得られる地質・地層・地下水などのデータやこれまでの知見を含め、幅広く収集。議会での議論や問題意識も事務局から調査会に伝え、運営を委ねます。

調査会の会議・議事録の公開
  調査会は、委員が落ち着いた環境で公正公平に議論できる方法で公開し、調査会委員の考えに基づいて実施します。議事録は個人情報など非公開事項を除き、全て公開します。

【問い合わせ先】
県庁循環型社会推進課県庁循環型社会推進課(計画に関すること)
電話 0857‐26‐7681 ファクシミリ 0857‐26‐7563
県庁淀江産業廃棄物処理施設計画審査室(地下水調査・調査会に関すること)
電話 0857‐26‐7498 ファクシミリ 0857‐26‐8189


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