日本海は対馬暖流に乗って、南の海から様々な海洋生物が回遊してきます。
ウミガメ類も昔から回遊しており、鳥取県内でも年間数例、ウミガメ類が漂着します。
多くは死んで漂着しますが、時折生きた状態で漂着したり、漁の網に引っかかることがあります。
夏~秋は水温が高く、日本海に入ってきたウミガメ類は、暖流に乗って北上し、津軽海峡などを抜けて太平洋へ戻ります。
しかし日本海の冬は水温が低く、海が荒れ、放流しても死亡する可能性が高いため、当館でもこれまで何度か一時保護をしてきました。
今後、水温が20度以上となり、波浪も少なくなる6月頃に放流して海へ返す予定です。
◆今回のウミガメの保護の経緯
・2024年12月23日、鳥取市伏野海岸で弱って漂着しているところを発見し、鳥取賀露かにっこ館が一時保護する
・26日、よりウミガメの保護に適した環境の山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館に移送し保護する
・2025年1月9日、エサを食べるなど容態の回復が見られたため、一般公開を開始する
◆今回保護しているウミガメの種類について
タイマイ 学名Eretmochelys imbricata 英名Hawksbill sea turtle
![ウミガメ](/secure/1370168/seaturtle_hp.jpg)
・亜熱帯・熱帯のサンゴ礁が主な生息地
・尖ったクチバシ、ギザギザした甲羅が特徴
・尖ったクチバシで、岩の隙間に付く付着生物などを食べる。主にカイメンというスポンジ状の原始的な動物を食べるが、甲殻類やイカ、海藻なども食べる
・日本海でも、暖流に乗って漂着・迷入したウミガメ類が確認されることがある
・昔は甲羅からべっ甲を採って、櫛(くし)などに加工していた。カイメンの毒で、肉にも毒があることが多く、食用にされない