3-2農林漁業対策

I 現状(分析)

(1)「平成12年度同和地区実態把握等調査」によると、農林漁業対策関係の主な状況は 次のとおりである。

【農家の専業・兼業】

 専業農家が12.2%、兼業農家が86.8%となっており(ほか不明1.0%)、前回調査の平成5年全国調査と比べ、専業農家が0.3ポイント、兼業農家が0.4ポイントそれぞれ減少した。
 また、県全体(2000年世界農林業センサス。以下同じ。)と比べ、専業農家が2.1ポイント少なく、兼業農家が0.1ポイント多い。

【経営耕地面積】

 自作地及び借地なしが1.7%、30アール未満が37.9%、30~99アールが50.8%、100アール以上が8.6%となっており、前回調査と比べ、自作地及び借地なしが0.9ポイント、30アール未満が2.0ポイントそれぞれ増加し、30~99アールが0.8ポイント、100アール以上が2.9ポイントそれぞれ減少した。
 また、県全体と比べ、30~99アールが15.6ポイント、100アール以上が23.7ポイントそれぞれ少ない。

【農業経営内容】

 作物別では稲93.7%、野菜15.2%、果樹9.8%などとなっている。
 また、過去1年間の販売額は、販売なしが43.9%、100万円未満が44.9%、100~499万円が8.4%、500万円以上が1.3%となっており、前回調査と比べ、販売なしが10.6ポイント増加し、100万円未満が8.0ポイント、100~499万円が3.2ポイント、500万円以上が0.2ポイントそれぞれ減少した。
 なお、販売額は県全体と比べ、販売なしが38.4ポイント多く、100万円未満が17.8ポイント、100~499万円が14.6ポイント、500万円以上が7.5ポイント少ない。

【農業施策の利用状況】

 地域改善対策として行った補助事業48.5%、農業改良普及員の指導21.1%、営農等相談員の指導18.0%などとなっており、前回調査と比べ、それぞれ15.1ポイント、8.9ポイント、6.0ポイント減少した。

【今後希望する経営規模】

 現状のままでよいが88.1%、経営規模を縮小するが7.1%、経営規模を拡大するが2.0%となっている。

【今後の農業経営のあり方と指向する経営内容】

 現状のままでよいが81.0%、機械化・省力化を指向するが7.8%、機械・施設の共同利用により協業化を指向するが6.6%などとなっている。

(2)平成13年に農林水産部が実施した同和地区における農業生産・生活環境基盤の状況及び営農実態に係る実態調査結果によると、主な状況は次のとおりである。

 ア 1戸当たりの経営規模は小さく、農業での自立が困難。農家後継者はいるものの、農業後継者は育ちにくい。
 イ 農業施設(農機具保管庫、共同作業所等)の老朽化
 ウ 農業機械の自力更新が困難
 エ 転作への対応が困難
 オ 農家の高齢化、農業情勢の悪化による施設の遊休化

II これまでの同和対策の成果と今後の課題

 農業基盤・農業近代化施設の整備や農家の負担軽減などの施策によって、生産性の向上、転作にも対応できる水田の改良、集団転作が促進され、対象地域の農林業の維持、振興に役立った。
 しかしながら、現状維持や離農する農家もあり、集落や農家個々の営農意欲に差が生じている。
 今後とも、意欲的に農業に取り組む農業者や集落に対して重点的な支援が必要である。

III 今後の施策の基本的な方向

 本県の農業は、地域、作目ごとに栽培条件や課題が大きく異なっている。
 本年度農林水産部が実施した営農等実態調査結果から見ると、同和地区においても、個々の集落で事情が違う。
 したがって、今後の同和対策は、
(1)集落の中で話し合いを進め、集落ごとに将来像を描いた活性化プランを作成
(2)その上で、地域の実情に応じた条件整備(ハード事業)を一般施策の活用を基本として実施する仕組みを検討する。
 ただし、採択要件、補助率などについては、地域の実態に合わせ適切な配慮を行う。
 検討に当たっては、市町村の意見を十分に聞きながら進める。

  

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