7将来ビジョンを実現するための手法

  将来ビジョンの実現を図るため、「顔が見えるネットワークで協働・連携」することにより、県民、NPO、住民団体等の知恵と力を結集する。
 また、県において、更なる行財政改革により財源を捻出するほか、スリムで効率的な県庁に向けた取組み等を進めるほか、市町村との関係においては、県民、NPO、住民団体等による地域づくりを始めとする様々な活動が円滑に進むよう、県と市町村とが連携・協力して、地域の課題を地域で解決する体制の構築に向けた取組みを進める。

(1) 知恵と力の結集=「顔が見えるネットワークで協働・連携」

○人と人、人と地域との結びつきが強いということや、コンパクトなまとまりがあり、コミュニケーションやネットワーク形成が容易である鳥取県の特性を活かし、県民一人ひとり、NPO、住民団体、企業等のそれぞれの主体が、地域づくりを始めとする様々な活動に主体的に取り組む意思・スキル・ビジョンを持ち、お互いの戦略や情報を共有化し、お互いが顔が見える関係をつくり、トータルで大きな成果をあげることを目指す。

上矢印

○社会の一員として、社会を支え生き抜く力を身に付けた人材を養成する。

○産学金官が連携し、県内産業を支える高度な知識・技術・能力を持った人材を育成する。

○県内で既に活動されている方に加え、団塊の世代の方やUIJターンをした方も地域で活躍し、ネットワーク化を図る。

○ネットワークの範囲を、県内で閉じたものとはせず、県外や北東アジア、更には世界全域に広げ、戦略や情報を共有する。

○ボランティア活動(まちづくりのための活動や自然・環境を守るための活動等)に住民が関わった割合が全国一である鳥取県の特性を活かし、県民がボランティア活動や地域づくりなどへ積極的に参加する。

○地域のことは地域で決めるという考え方が浸透し、地域活動にNPO、住民団体等が積極的に関与する。

○ 地域づくりを進める知恵と力を結集するためには、地域で活躍する人材を養成するとともに、そのような人材が活躍できる場を作ることが必要であり、そのためにも、ネットワークを作ることが大切。ネットワーク化は、知恵と力の結集につながるだけでなく、そのネットワーク自体が更に人づくりの場となり、人づくり・ネットワークが大きく広がっていく。
 このネットワーク化は、単に県内で閉じたものとするのではなく、県外にもその範囲を拡大し、広範囲で「顔が見える関係」をつくっていく。更にそのネットワークを北東アジア、更には世界全域に広げ、より広範囲で戦略や情報を共有し、大きな成果をあげることを目指す。

○ 地域づくりの主役は県民、NPO、住民団体等であり、行政は、その活動が円滑に進むようそのサポートをする機能が、今後重要になってくる。

(2) 県の財政運営

ア 「財政誘導目標」の実現

○ 現在掲げている、平成22年度を終期とする財政誘導目標は、次のとおり。

【数値目標(決算ベース)】

  • 平成22年度の基金残高≧300億円
  • 実質的な借入金の平成22年度残高≦平成18年度残高
    ※実質的な借入金残高=県債残高(臨時財政対策債を除く)-基金残高

【考え方】

  • 更なる行財政改革により財源を捻出
  • 一定以上の基金を確保しながら、借金残高を現在より増やさない範囲内において、鳥取新時代に向けた施策に集中的に還元
  • 地方税財政制度の変更の状況等を踏まえながら、必要に応じて柔軟に見直しを行いつつ、財政破綻を回避

○ 平成23年度以降については、全体として将来負担を抑制し、財政健全化と次世代への投資のバランスをとりながら財政を運営していく方向であるが、具体的な「財政誘導目標」等については、平成22年度終了時点までに再度検討・設定する。

イ 毎年度の予算編成等

  毎年度の予算編成に当たっては、アの財政誘導目標の実現に留意しつつ、最少の経費で最大の効果を上げるよう、事業全般にわたって内容を精査し、県庁組織のスリム化を図り、行財政改革を断行するとともに、県民、NPO、住民団体、企業、市町村等のほか、他地域などとの連携にも配慮し、様々な場面において寄せられる県民からの意見・提言を十分に検討、反映させ、大胆な選択と集中により必要な諸施策を実施する。
 また、地方税及び地方交付税を含めた一般財源総額の確保を、他県とも連携して、国に対して強く求めていく。

ウ 新たな財源の確保

○ 未利用財産の売却、ネーミングライツ(施設命名権)、各種イベントや企画展への冠スポンサー募集など、従来の枠にとらわれない新たな財源の確保を進める。

(3) スリムで効率的な県庁

ア スリムで効率的な鳥取県型の組織を見通しをもって実現

○最も合理的で効率的な業務執行体制を整備

  • 仕事のやり方を見直し、最低限の職員で適切な事務処理が可能となるよう組織を簡素化する。地方機関を含め全庁的にフラットで簡素な組織を導入し、事務処理・意思決定を迅速化する。
  • 内部管理等の後方支援部門から施策や事業の実施部門へ人的資源を移行させるなど、今より効率的かつ効果的に機能を発揮することができる体制へ移行する。
  • 本庁は政策立案など中枢部門を中心とした機能を持ち、施策や事業の執行は総合事務所で完結させるほか、本庁が行っている圏域の調整などの業務についても総合事務所でできるものは総合事務所へ移管する。また、手法の見直しやIT活用によって、本庁や現場の機関など拠点ごとに行っている会計処理、人事管理等の後方支援業務を一箇所で集中処理する。

○民営化、民間委託の拡大等

  • 県が主体となって業務を進めていくべきかどうかを視点に持ち、民間が行った方が良い事務については民営化を進めるほか、地域の雇用拡大につながる県業務のアウトソーシングの手法等を幅広に導入する。県職員がアウトソーサーや派遣職員など多様な人材とともに行政サービスを提供する等、行政の新しいビジネスモデルを展開する。

○県と市町村の双方にメリットのある共同処理の推進

  • 県と市町村が互いに人材・機材等を出し合い連携して効率的に業務を共同処理するなど、県と市町村の枠を越えた新しい行政スタイルを展開する。

イ 行政の経営品質を向上させ、県民のニーズに対応した県庁を実現

○県民の意見や現場の意見などを尊重し、自由闊達な発想により施策を立案、実施する。

○PDCAサイクルを徹底するとともに、県民に公開することを通じて、県の組織全体が恒常的に業務改善を実施する。

○日曜でも業務を行う総合受付窓口やワンストップサービスの充実拡大のほか、あいさつの徹底やコミュニケーション向上により、お役所仕事を追放する。

 (4) 情報公開、情報の共有、情報発信等

○ 知恵と力を結集させ、県民が主役の県政を実現するためには、県だけが情報を持って施策を決めるのではなく、県が持つ情報をオープンにし、皆が情報を共有することが必要。
その上で、県は、県民からの様々な意見や要望を真摯に受け取り、これまでと同様、県民の代表である県議会による、県民全体の利益の向上を実現するという視点で行われる、オープンな政策議論を通じて、必要な施策に係る予算化、条例化を図り、それらを県政に反映させていく。このことが、様々な主体が戦略や情報を共有し、更に知恵と力を結集させることにつながっていく。

○ このため、予算編成時の各段階における公表、政策立案時のパブリックコメントや情報公開制度の適切な運用により県政の透明度をより一層高めるほか、県民、企業、NPO等からの政策提案や自ら企画し主体的に行政と協働しようという提案をより現場にマッチした施策展開につなげるなどの取組みを進める。

○ また、県内外に巡らせる「顔が見えるネットワーク」を活用し、近畿圏域、近県等や、北東アジアとの間でも戦略や情報を共有し、大きな成果をあげることを目指す。その一例として、鳥取県の食や物産の魅力を県外にお知らせするためアンテナショップを設置したり、県外事務所を県外本部とし、県からの情報発信機能も充実したところであるが、時代の変化に合わせ、提供しようとする情報の内容、対象等に応じ、戦略的・組織的に、広域的な情報発信を行い、戦略や情報を共有する。

(5) 市町村との連携、協力等

○ 県民、NPO、住民団体等による地域づくりを始めとする様々な活動が円滑に進むよう、県は、それぞれの役割分担を踏まえ、市町村と連携・協力して、地域の課題を地域で解決する体制の構築に向けた取組みを進める。市町村が行う県民、NPO、住民団体等の活動のサポートについては、県は、市町村の活動を尊重し、市町村と連携・協力しながら、さらにその活動が円滑に進むよう必要なサポートを行う。

○ 県と市町村の双方で行っている業務については、県と市町村が互いに人材、機材等を出し合い連携して効率的に業務を共同処理するなど、県と市町村の枠を超えた新しい行政スタイルを展開する。
 また、市町村固有の事務については、個々の市町村で行うより、複数の市町村で共同で取り組んだ方が効率的・効果的である事務等を市町村間で共同処理等を行う取組みを進める。(児童生徒数の減に伴う市町村教育委員会の共同設置等)


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