「第11回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」
佳子内親王殿下 お言葉
本日、「第11回全国高校生手話パフォーマンス甲子園」が開催され、皆様にお会いできましたことを大変うれしく思います。この大会では、これまで多くの人々の心に残る魅力的な手話パフォーマンスが披露されてきました。高校生やボランティアを含め、大会の準備や運営を支えてこられた皆様に深く敬意を表します。この後は、手話通訳の方に、読み取り通訳をお願いします。(読み取り通訳を担当する手話通訳者に対して)どうぞよろしくお願いいたします。
本日は16チームの皆様がパフォーマンスを披露します。皆様は、今日のために、様々な工夫をしながら練習を積み重ねてこられたことと思います。これから皆様が舞台に上がる時、周りには今日まで一緒に頑張ってきた仲間がいます。客席から、またライブ配信を通して、皆様のパフォーマンスを楽しんでいる方々がいらっしゃいます。自分の思いやエネルギーを周りに伝え、また仲間の思いやエネルギーを、そして観客の力や雰囲気を全身で感じながら本番に臨むことができたら素敵だと思います。私も客席からパフォーマンスを観る時、皆様が良いパフォーマンスをできるよう応援しています。また、この大会で出会った他のチームとの交流を深めることも、きっと楽しい時間になるでしょう。
ここ鳥取県では、手話に関する取組が活発に行われてきました。私はこれまで、鳥取県の小学生向けの手話検定「手話チャレ」を体験したり、鳥取県で配られている冊子「手話ハンドブック」で勉強したりしたことがあります。県作成の動画「鳥取県おすすめ手話観光ガイド」も観ました。手話や字幕に加えて、目がみえない人、みえにくい人にも内容が伝わる情景の描写を含めた音声の解説があり、鳥取県の自然や文化などの魅力を多くの人に伝えることができると感じました。鳥取県で始まった「あいサポート運動」は、今年、15周年を迎えます。「あいサポート運動」は、様々な障害の特性や、困っていること、必要なことを理解し、障害のある人が困っている際に、ちょっとしたサポートを行う運動です。この運動に参加する人や企業、団体の数が増え、活動が全国各地に広がっていることを心強く思うとともに、今後ますます発展していくことを願っています。
このような取組やこの大会を通して、手話を含む様々な言語、きこえないこと、きこえにくいこと、自分とは異なる背景や状況に対する理解が深まることを願っています。そして、このような理解の深まりにより、誰もが安心して暮らせる社会になることを、誰もがより幅広い選択肢を持てる社会になることを、そしてこれらがあたりまえの社会になることを強く願っています。
終わりに、この催しが、会場にいらっしゃる皆様や、オンラインで鑑賞されている皆様の素晴らしい思い出となることを願い、私の挨拶といたします。ありがとうございました。