日本一の腕で確実・丁寧に
32年間、大型トラック(11トン)に乗り、鳥取県と関西方面を往復して飲料などを運んできた。同県代表として出場した2014年の「全国トラックドライバーコンテスト」女性部門で見事優勝。安全・確実な運転操作技術を身に付けた熟練ドライバーとして活躍する。
時間厳守など当たり前のことを誠実、丁寧にこなす仕事ぶりが取引先に認められ、信頼を得てきた。「森田さんに来てほしい」と荷主から言われることが励みになっている。
業界では近年、以前より仕事の拘束時間が短くなるなど職場環境が改善され、女性ドライバーも増えた。「安心安全に向けた取り組みも進んでいるが、それでも大型トラックの運転は危険と隣り合わせ。決して甘い仕事ではない」と話す。
克服しなければならないことはたくさんあった。当初は女性というだけで取引先から敬遠され、悔し涙を流した。しかし、そこでくじけず、筋トレ、運転技術の向上、さらに同コンテストへの挑戦と優勝によって、自信を持って立ち向かえるようになった。
固い意志で粘り強く行動できる。本業以外でも13年前に始めたゴルフは、アマチュア全国大会に出場するほどの腕前に上達した。「これからのトラック輸送業界は厳しい面も多いが、社会を支えるやりがいのある業界。若い人たちにも挑戦したならばやり切って、日本の物流を支えてほしい」。キャリアを重ねた今、後進を指導する立場としての期待を担う。
【写真説明】仕事のやりがいなどについて話す森田さん
[令和6年12月19日(木)日本海新聞掲載]