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 鳥取県は、国際的に高く評価されている塩谷定好(1899~1988)、植田正治(1913~2000)をはじめ、数多くの優れた写真家を輩出しています。彼らが生まれた背景には、写真をめぐるどのような文化があったのでしょうか。

 本書では、鳥取県に写真がもたらされた明治時代初めから、平成時代までの本県の写真史をたどり、塩谷・植田以前の写真界の状況も明らかにします。また、本県出身の写真家の活動や、大正時代に始まるアマチュア写真サークルの取り組み、土門拳と鳥取との関わりなど、幅広いトピックを通じて、鳥取県で育まれた豊かな写真文化を紹介します。 なお、本書は、鳥取県の写真史について述べる初めての書籍となります。

【頒布開始日:令和7年4月1日(火)】

ブックレット25表紙


刊行 令和7年3月
頒布価格 500円
体裁 A5版 135ページ
著者 竹氏 倫子

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【目次

はじめに

序章

1.写真の誕生

2.日本への移入と広がり

(1)ダゲレオタイプ(銀板写真)
(2)コロジオン湿板(湿板写真)

【コラム1】コロジオン湿板(湿板写真)の技法

第1章 明治時代

1.鳥取県域での写真のはじまり
(1)鳥取藩主・池田家の肖像写真
(2)鳥取藩士の肖像写真
(3)城郭の撮影
2.写真師・写真館の時代
(1)鳥取県内の写真師・写真館

【コラム2】ガラス乾板の時代へ

3.運動のはじまり
(2)絵葉書写真の興隆
(3)日露戦争と写真

第2章 大正時代

1.フィルムカメラの登場と「芸術写真」の流行
(1)フイルムカメラの登場と普及
(2)「芸術写真」の誕生と流行

【コラム3】「芸術写真」の技法

2.写真サークルの結成―アマチュア写真文化の興隆―

【コラム4】写真雑誌の流行

第3章 昭和時代(戦前)

1.アマチュア写真文化の発展
(1)写真サークルの交流
(2)「米子写友会」(米子市)
2.芸術写真と塩谷定好

【コラム5】塩谷定好と「油絵具描き起こし法」

3.戦前の写真動向と植田正治
(1)「新興写真」の出現
(2)植田正治の登場
4.戦時統制下の写真
(1)アマチュア写真文化の中断
(2)戦時中の写真と撮影

【コラム6】シュルレアリスムと写真

第4章 昭和時代(戦後)

1.アマチュア写真文化の復活
(1)写真雑誌、サークルの再開
(2)植田正治の戦後
2.土門拳と鳥取
(1)土門拳の来鳥
(2)リアリズム写真運動の影響
3.郷土文化の記録写真
(1)池内廣吉と鳥取民藝運動
(2)高木啓太郎の仕事
4.戦後の写真動向と杵島隆・岩宮武二・田淵行男
(1)杵島隆と広告写真
(2)杵島隆とヌード写真
(3)岩宮武二とドキュメンタリー写真
(4)田淵行男と自然写真
5.塩谷定好・植田正治の国際的な評価の高まり
(1)塩谷定好
(2)植田正治の国際的な評価
6.アマチュア写真家の活動の活発化

第5章 平成時代

1.写真文化の普及
(1)美術館・博物館の活動
(2)学校教育活動での活用――鳥取県立鳥取聾学校写真部

【コラム7】フィルムカメラからデジタルカメラへの移行

2.植田正治・塩谷定好の再評価
(1)植田正治の国内外における評価
(2)塩谷定好写真記念館の開館と国内での再評価
3.池本喜巳の「東川賞 飛彈野数右衛門賞」の受賞

おわりに

年表

主要参考文献/協力者・写真提供者/あとがき

 


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