安全な医療と高品質な画像の提供と
高精度な放射線治療の提供


中央放射線室の方針

中央放射線室長 : 壹岐 勝

医療における放射線画像部門の役割は近年重要性を増しています。
中央放射線室では良質な医療を提供するため、安全な医療と高品質な画像の提供や高精度な放射線治療技術の提供が行えるよう、

  1. 一般撮影・透視
  2. 血管造影・血管内治療
  3. CT/MRI
  4. RI
  5. 放射線治療

上記の5つの部門に分け、責任の明確化・効率的運用・専門性などを考慮した体制をとっています。
また、医療被ばく管理システムを導入し、患者単位での被ばく線量積算や診断参考レベル(DRLs: Diagnostic reference levels)との整合性の確認もしています。


 

1. 一般撮影・透視


一般撮影装置3台、乳房撮影装置、歯科撮影装置、パノラマCT撮影装置、骨塩定量装置、各1台、ポータブル撮影装置3台、X線テレビ装置3台が設置されています。多岐にわたるX線撮影装置を取扱い、診療業務を行っています。

当院の乳房撮影では、検診マンモグラフィー撮影認定を受けた女性技師が対応しています。

機器は全てデジタル化しており、PACSを用いたフィルムレス運用を行っています。

※PACS(Picture Archiving and Communication System)
医療用画像管理システムのことです。CTやMRIといった画像撮影装置から受信した画像データを保管、閲覧、管理することを目的とします。


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2. 血管造影・血管内治療


循環器用バイプレーン装置、全身用バイプレーン血管撮影装置、頭頚部専用バイプレーン装置、IVR-CT、各1台が設置されています。これらの装置は、3D血管撮影の機能も有しています。また、手術室に血管撮影装置を組み合わせたハイブリッド手術室も備えて大血管の手術に威力を発揮しています。

中央放射線室1 中央放射線室2 中央放射線室3 中央放射線室4 中央放射線室5


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3. CT/MRI


 CT検査室は、マルチスライスCT装置(320列CT)とスペクトラルCT装置(256列CT)、MRI検査室は、1.5T-MRIと3.0T-MRIの各々2台体制で運用しております。3D医用画像処理ワークステーション(以下、3Dワークステーション)も併せて運用することで、より多くの画像情報を提供できるよう日々努めています。

【 CT 】320列CTと3Dワークステーションを使用することで、心臓CT、頭部4D-CT等の特殊検査にも対応しております。近年、大幅に撮影の需要が増加しており、質的診断や手術前のシミュレーションとして重要な検査となっております。
CT1 CT2
【 MRI 】頭から足先まで、様々な部位を撮像することができ、心臓MRIや乳幼児MRIにも力を入れております。造影剤を使用しない血管撮像も積極的に取り入れながら、従来よりも高分解能・高速撮像を目指しております。
MRI1 MRI2


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4. RI


■ガンマカメラ

 ごく微量の放射性物質と体内で特定の組織に集まる薬剤を結合させたものを注射すると、特定の臓器や病変に取り込まれ、そこからガンマ線という放射線を放出します。このガンマ線を体外から検出して画像化する装置をガンマカメラといいます。
 この検査の診断目的は、認知症・骨転移・心筋虚血・腎機能など多岐にわたりますが、目的によってさまざまな放射性医薬品が使い分けられています。

ガンマカメラ

■PET-CT

 がん細胞は、正常細胞に比べて多くのブドウ糖を取り込む性質があり、このブドウ糖とフッ素-18というごく微量の放射性物質を結びつけた薬剤を体内に投与します。
 PETとCTが一体型となっているため、薬が集まった位置をCTで詳しく確認することが出来ます。一度の検査で全身を見ることができ、がんの分布、転移や再発の発見に有用です。PET-CT1 PET-CT2

 RI検査で得られる情報は、CTやMRIなどのように体内の臓器や病変構造を微細に表現することはできませんが、それらの検査よりも、薬物の動き・血流・代謝・病変の分布などといった体内のさまざまな機能を画像化することを得意としています。検査で投与される放射性物質は、ごくわずかな量です。時間が経つにつれ消えていきますので、被ばく量はCT検査とほとんど変わりません。安心して検査を受けて下さい。
 また、当院ではRI検査だけでなく、前立腺がんによる骨転移、甲状腺がん、甲状腺機能亢進症などを治療するRI内用療法も行っています。


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5. 放射線治療


■最新の高精度放射線治療装置による治療

 リニアック(外部放射線治療装置)を使用して放射線治療を行っています。5種類のX線と5種類の電子線から選択可能で、頭から足の先まで様々な部位を治療することができます。


強度変調放射線治療(IMRT:Intensity Modulated Radiation Therapy)
 2022年から放射線治療専門医が2名体制となり、当院でも実施可能となりました。
前立腺がん、頭頸部がん、肺がん、食道がんをはじめとして多くのがんがその治療対象となり得ます。
 これまでは県内でIMRTを行うことができるのは鳥取大学医学部附属病院のみでしたが、鳥取県東部においても、県民の皆様により安全で適正ながん治療を提供することができるようになりました。


迅速で高精度な放射線治療
画像誘導放射線治療(IGRT:Image-guided radiotherapy:画像誘導放射線治療)に対応しており、ターゲット位置に1mm以内の精度で合わせることができます。


定位放射線治療(SRT:Stereotactic Radiotherapy)
小さな腫瘍に対し、多方向から放射線を集中させるピンポイント照射で体幹部(肺がん、肝臓がん)、脳腫瘍の照射も行っています。


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■専門スタッフによる放射線治療

 当院では、放射線治療医師2名、診療放射線技師4名と看護師1名で放射線治療を担当させて頂いております。医学物理士、放射線治療品質管理士、放射線治療専門放射線技師、第1種放射線取扱主任者の資格を持ったスタッフが在籍しています。専門の知識・技術を持ったスタッフにより、放射線治療装置の品質管理から照射まで正確かつ安全に治療が行える体制を整えています。
 また、専従のがん放射線療法看護認定看護師在籍しており、患者さんが安心して放射線治療を受けることができるようにサポートしています。


■第3者による出力線量の評価を受けています

 患者さんに安心・安全な放射線治療を受けていただけるように、公益財団法人 日本医用原子力技術研究振興財団が実施する「第三者機関による測定評価」を受け、外部機関によっても放射線が正確に照射されていることの評価を受けています。

第三者機関による測定評価証明書


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PET-CT

スタッフ

診療放射線技師:29名
事務職員:3名


  • 第1種放射線取扱主任者
  • 医学物理士
  • 臨床実習指導教員
  • 検診マンモグラフィー撮影認定診療放射線技師
  • X線CT認定技師
  • 放射線治療品質管理士
  • 放射線治療専門放射線技師
  • 医用画像情報精度管理士
  • 医療情報技師
  • 放射線機器管理士
  • 放射線管理士
  • 磁気共鳴専門技術者
  • 血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師
  • 救急撮影認定技師
  • 認定診療放射線技師

中央放射線ニュース

中央放射線ニュース2023年

鳥取県初のスペクトラルCTを導入

 このたび機器更新した「Philips Spectral CT 7500」は、高速(胸部~骨盤部まで約2秒)で撮影できるため、体動の抑制が困難な救急領域でも診断精度の高い検査が可能となります。また、すべての撮影で2種類のエネルギー情報を取得しているため、さまざまな画像情報を提供できるだけでなく、今までより少ない造影剤量(半分以下)でも診断能の高い画像を提供できるため、体に負担の少ない検査が提供できます。
スペクトラルCT_img1スペクトラルCT_img2       従来のCT(左図)では肺実質の評価ができなかった肺血栓塞栓症症例でも、造影剤との併用撮影(右図)を行うことで、肺動脈血栓塞栓部位だけでなく肺実質を正確に評価できます。


第3者による出力線量の評価を受けています

 患者さんに安心・安全な放射線治療を受けていただけるように、公益財団法人 日本医用原子力技術研究振興財団が実施する「第三者機関による測定評価」を受け、外部機関によっても放射線が正確に照射されていることの評価を受けています。
第三者機関による測定評価 証明書



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