アゴのエキスが詰まった「あごのつみれ汁」。その香りは夏の訪れを感じさせる。
琴浦町の町の魚でもあるアゴは今が旬。町内の赤碕港はアゴの水揚げ量県内一(昨年約89トン)を誇り、12人の漁師が5月中旬から7月中旬にかけてアゴ漁に繰り出す。
山陰や九州地方ではトビウオをアゴと呼ぶ。
名前の由来ははっきりせず「あごが外れるほどおいしい」など諸説。
身は弾力に富み、歯応えと濃いうま味が特徴だ。
以前はどの家でも朝から、コンコンコン-とアゴの身や骨を包丁でたたき砕く音が聞こえ、身をすったミンチのつみれ汁が、食卓に並んだ。
最近はカルパッチョなど洋風の調理法も増えてきた。
しかし「そんなもんは、うちでは作らん」と赤碕町漁協女性部の林原万千代さん(67)。
この時期、夕食にはつみれ汁や刺し身、フライ、卵の煮付けなど昔ながらのあご料理が並ぶ。
11日には赤碕地区公民館で「男の料理教室」。
町内の男たちがアゴをおろし、春巻きやかき揚げ、つみれ汁などに挑戦した。
あご料理はこの地に住む者にとって、夏を感じさせる風物詩だ。