あっさりとした味とポリポリとした食感がたまらない。
鳥取県日野郡の特産の一つ、そばを使った「そばかりんとう」が人気だ。あっさりとした味とポリポリとした食感で、一つ食べ始めると次から次へと手が伸びて止まらなくなる。
2000年10月に発生した鳥取県西部地震による日野郡内の被害は甚大だった。農地の水路が落石や土砂崩壊などで使用困難となり、コメ農家は水田での作付けから畑作物への転作を余儀なくされた。日野郡の各町で震災復興と並行し、栽培期間が短い転作作物としてそばが奨励された。
作付面積は翌年にはそれまでの約3倍に急増。生産されたそばの消費拡大のため、当時の日南、日野、江府、溝口(現伯耆)町と県日野総合事務所などで「日野郡そば研究会」が設立された。
研究会では、そばの消費拡大と日野郡の特産品としての定着化を図るため、新そばまつりの開催やそば関連商品の開発などに取り組んだ。そばを使ったさまざまなメニューが考案され、そばかりんとうも開発の一環で誕生した。
そばかりんとうは、町内の有志が01年3月に組織した「日南町特産品開発部会」(池田尚弘代表)が製造している。県内外のイベントなどで販売。用意した商品はすぐに完売するといい、ファンは多い。
地元産のそばを使い、生地を時間をかけてこねる。そば粉のみで作ることもできるが、かりんとうが硬くなってしまう。油で揚げるときは高温できつね色になるまで揚げるのがこつ。
池田代表は「子どもやお年寄りのおやつとしても気軽に楽しんでもらえる。地元のそば粉を使ってもらい、そばの消費拡大につながれば」と話している。