因州しし肉と鹿野産みそを使ったぼたん鍋
「因州しし肉」は鳥取市鹿野町など鳥取県東部地区で捕獲したイノシシの販売用肉。農林業被害をもたらす鳥獣の有効活用法とともに、「鳥取の新たな味」として県内外から注目されている。
近年野生鳥獣による農作物被害額が大きくなる中、冬の猟期以外に有害捕獲の機会も増加。2009年12月に地元の狩猟者が「シシボタンの会」(伊吹達也会長)を立ち上げ、流通に向けた生産体制づくりに取り組む。
町内には専用の食肉解体施設があり、会員の高度な解体技術によって臭みのない高品質の肉の提供が可能となった。良質な動物性タンパク質が豊富で低カロリーのシシ肉は、江戸期から食されており、疲労回復に効果があるビタミンB群などを多く含んでいるのも特長だ。
伊吹会長(46)は「皆さんにイベントなどを通じて味を知ってもらい、今後も安全・安心を第一にさらなる解体技術のレベルアップを図りたい」と目標を掲げる。
定番の冬のぼたん鍋だけでなく、脂身が少ない夏は焼き肉用にも適しており、多彩なメニューにも活用できるとあって好評。
地元名産の「鹿野地鶏」とともにシシ肉の販売を手掛ける「ふるさと鹿野」ふるさと振興事業部の野藤昭夫副部長(53)は「会員の皆さんの尽力で消費者のイノシシ肉への固定観念がなくなり、需要が増えた」と、さらなる販路開拓に向けて意欲を燃やしている。
問い合わせは電話0857(84)2205、ふるさと鹿野へ。