地元の味覚をふんだんに使った春雨茶わん蒸し
「茶わん蒸しに入っている具は?」と聞かれ、多くの人は鶏肉、シイタケ、エビなど定番の具材を思い浮かべるが、鳥取県西部では「春雨!」の声が上がるだろう。
地域限定の家庭の味、春雨入り茶わん蒸しで地元を活性化させようと、米子、松江両市内で飲食店を展開するさんらくフードカンパニー(米子市淀江町西原)の社長、清水裕文さん(40)は取り組んでいる。
清水さんによると、茶わん蒸しに春雨を入れるようになったのは、主役の卵が高価だった時代に卵の代わりに茶わん蒸しのかさを増すためだったとされている。全国にはうどんを入れる地域もあるという。
鳥取県西部では「入っていて当たり前」の感覚でこれまで関心が薄かったが、テレビで取り上げられるなどして注目度が急上昇した。
ことし6月に鳥取市であるB-1グランプリと同時開催で鳥取の味をアピールする「とっとりご当地グルメフェスタ」に出品をと、関係者から声がかかり、清水さんは「地域活性化」の志を同じくする有志の会を立ち上げて準備を進めている。「春雨入り茶わん蒸しは地元の味」との認識を確かなものにし、地域外にも魅力をアピールするのが狙いだ。
現在は、白ネギやカニ、大山鶏など地元の味覚をふんだんに盛り込んだ、“これぞ鳥取県西部の茶わん蒸し”と誇れるものを目指してレシピ作りに奮闘している。清水さんは「フェスタへの出品を機に、春雨入り茶わん蒸しを地元の味として皆さんにあらためて認識してもらい、地域外にも発信していきたい」と話している。