鳥取県のかきの歴史は長く、数百年前から西条、新平(本県原産)等の品種が屋敷の一隅や畦畔等に植えられていました。
また、本県原産の花御所は、二百年前に郡家町花(現八頭町)の野田五郎助が大和国より御所柿の一枝を持ち帰り庭先に接ぎ木したのが起源と言われています。
かきが経済栽培され始めたのは明治末期の頃からで、花御所が中心でした。
昭和10年代からは、栽培安定性の高い富有の植栽が多くなり、昭和45年からは米の生産調整を契機に収益性の高い早生西条、西村早生、伊豆等の早生品種が水田を中心に増殖されました。
特に、本県の特産品種として古くから栽培されている西条は早生系を中心に昭和50年代急速に増殖されました。
あんぽ柿
西条などの渋柿を使った干し柿も加工していますが、干し柿まで乾燥させない「あんぽ柿」も多く加工されています。
あんぽ柿は半生干し柿のような乾燥加工した柿で、その甘くてとろける食感は和菓子を思わせるほどです。
本県え栽培されているかきの品種は、富有と西条が中心となっている。
また、本県原産の花御所の人気も高く、原産地郡家町を中心に特産化が図られている。
平成22年には輝太郎が品種登録されるなど、本県オリジナルの品種が育成され、普及が進みつつある。
現在の栽培面積はコチラ(外部リンク)
西条柿(さいじょうがき)
産地/八頭町ほか
旬/10月上旬~11月上旬
渋抜きして生食用として出荷されるほかに、干し柿として加工もされています。
細長く、四条の溝がある特徴的な形で、上品な甘さと口の中でとろける食味が絶品です。
富有柿(ふゆうがき)
産地/南部町、鳥取市河原町ほか
旬/11月中旬~12月上旬
甘柿の代表的な品種で果実が大きくて、果汁が多く、甘味が強いのが特徴。
鳥取県産の富有柿は日持ちが良いため海外にも輸出されています。
花御所柿(はなごしょがき)
産地/八頭町
旬/11月下旬~12月上旬
鳥取県東部の因幡地方だけで栽培されている甘柿。
肉質が緻密で果汁も多く、糖度が20度以上と甘柿の中で日本一と言われています。
輝太郎(きたろう)
産地/八頭町、南部町ほか
旬/9月下旬~10月上旬
鳥取県生まれの品種。平成22年3月に品種登録。
果重が300g以上で糖度17%で現在ある早生柿の中でも高品質な柿。
歯ごたえがあり、口の中でとろけるなど、収穫時期によって多彩な食感が楽しめる。