ズワイガニの名称は足が細くまっすぐなことから木の枝を意味する楚(すわえ)に由来した「楚蟹(すわえがに)」が転じたものと言われていますが、水揚げされる地方によってその呼称が違います。
山陰地方では「松葉がに」と呼ばれますが、福井県産のものは「越前ガニ」と呼ばれ、京都の「間人ガニ」と呼ばれているものも同じズワイガニです。これらはすべて雄の呼称です。
雌は雄と比較して小さく、山陰では「親がに」と呼ばれ、かに汁などによく使われます。(他の地方では、コウバコガニ・セイコガニなどの呼称です。) 脱皮して間もない雄は、「若松葉がに」と呼ばれ、甲羅が軟らかく水分量が多いため、従来「水ガニ」とも呼ばれてますが、手ごろな価格でズワイガニの魅力が楽しめます。
なお、「松葉がに」という名称は、「細長い脚の形や脚の肉が松葉のように見える」、「漁師が浜で松葉を使って焼いて食べた」など諸説あります。
茹でて食べるのが一般的ですが、ゆでガニ、カニすき、雑炊のほか、焼き蟹で食べられます。
新鮮なものに限っては刺身でも食べられ、とろっとした食感と独特の甘さが味わえます。
また、身以外には、かにみそも珍味として広く親しまれています。
雌のかには「親がに」と呼ばれ、小型で価格も手頃。
ボイルして内子や外子を楽しんだり、みそ汁や炊き込みご飯で食卓にのぼったり、まさに鳥取の家庭の味です。
○松葉がにのむき方などレシピ(外部リンク)
・プロ直伝!上手なカニのさばき方 (How to cut a crab)
・松葉がに(ズワイガニ)のむき方
・親がに(ズワイガニのメス)のむき方
・松葉がに(ズワイガニ)のゆで方
・ゆで松葉がに(ズワイガニ)の食べやすいさばき方
・「親がに(ズワイガニのメス)のかに汁」
・魚の達人が女子高生に若松葉料理を伝授!『とっとり魚乙女塾シーズン3』第5回!
○各観光連盟、協会のグルメ情報(外部サイト)
・東部(鳥取、岩美)
・西部(境港周辺)
鳥取県松葉がにPR推進協議会(現在は鳥取県産魚PR推進協議会)では、11月第4土曜日を「松葉がにの日」と制定し、産地でイベントを開催しています。
<東部>
・鳥取かにフェスタ実行委員会(外部リンク)
<全域>
・蟹取県ウェルカニキャンペーン(鳥取県)
・鳥取かに食べようキャンペーン(鳥取県)
・いざ鳥取へ! ゆったり温泉、かにざんまい(公益社団法人 鳥取県観光連盟)
◆松葉がにの日
「松葉がにの日」が制定された平成12年当初、松葉がにの名称が登場するもっとも古い文献は、弘化2年(1845年)に書かれた鳥取藩の「町目付日記」の11月13日の項で、若桜町御用座敷建て替えの際、棟上げ祝宴に出された献立のメニューに「松葉がに」が含まれていたそうです。
(その後、天明2年(1782年)鳥取藩の公文書控えに12月5日に津山藩への贈答品目録と思われる記載が発見されています。)
◆脱皮の不思議
ズワイガニは10回目の脱皮(甲羅の幅8cm程度)で成体になり、この頃までは雌雄の大きさに変わりがありません。
しかし、11回目の脱皮の時雄と雌で2倍近い大きさの差ができます。
その後、雄は脱皮を繰り返すものもあり、その差は益々大きくなります。松葉がに(雄のズワイガニ)の平均寿命は15年といわれており、普段食べている大きな松葉がには本当に貴重なものです。
・カニだって恋したい!~ズワイガニの求愛行動~
・松葉がにの脱皮早回し